子供の頃は映画は二本立てが当たり前で。基本的にはお目当ての作品におまけ的にくっついてくる方は期待出来ない物が多かったんだけど、時折拾い物的にいい作品に出会える時がある。
『ロッキー3』と一緒に観た『カリフォルニア・ドールズ』とかね。
という事で観てきました。
『ハンターキラー 潜航せよ』
そういう意味でこの作品はそういう〝拾い物的な楽しさ〟を感じさせてくれる系と言える。あるいは銀座シネパトス感というか。ビデオスルーされたけどレンタルしてみたら面白かった的というか。ジェラルド・バトラーやゲイリー・オールドマンが出ていながら画面から漂う(良い意味での)B級オーラがある種のスパイスにもなっている気がする。
確かにツッコミどころがないわけではない。ロシア人同士の場面での英語の台詞とか荒唐無稽な展開(米露それぞれ首脳のマヌケさ)とかゲイリー・オールドマンの無駄遣いぶりとか…。
しかしそういった部分はそれほど気にならなくて「細けぇこたぁ良いんだよ!」スピリットで乗り切る作品が時々ある。『バトルシップ』とかね。参考→いや、私らも仕事で来てますんで…。 『バトルシップ』 - 残像つれづれダイアリー
潜水艦物としてのスリルやサスペンスは良く出来ているし、キャラクターの描き方も丁度良いバランスでそういう所も好印象。
途中の機雷原を潜り抜けようとする場面は何となく宇宙戦艦ヤマトのデスラー機雷を思い出したし、特殊潜航艇の活躍とある種の厄災っぷりには第三艦橋の悲哀を感じたりもしたが、それは余り関係ないですね。
フラグの回収の仕方もスマートかつカタルシスがあって良い。絶体絶命!どうなる??って場面での解決方法の気持ち良さ!ネイビーシールズ新入り君!ロシア原潜艦長!ロシア駆逐艦のアレ!ネイビーシールズ隊長!ロシア大統領SP!
あと余計なラブロマンスがない所や主人公のトラウマや過去を過剰に描いてない所もポイント高い。そういったデコレーションは極力削ぎ落として職務に忠実な者たちの矜持にポイントを絞っているのがわたし達の心を掴むのかもしれない。
ペンタゴンやロシアのクーデター側の描き方がやや間抜けに描かれているのに反して 潜水艦の乗組員や特殊部隊チーム、ロシア駆逐艦側や大統領のSP達などなど現場で動く人間達に焦点を当てている。
それぞれ自分の職務を全うしようとして行動していて、その結果として自己犠牲やヒロイックな働きが産まれてく。そこにアツクなれるかどうかがこの作品好きになれるかどうかの別れ道ですね、きっと。
どうやら北米市場では今ひとつ受けてないらしんだけど、まあそれも判る気がする。「USA!USA!」出来るかっていうと出来ないからね。まあ多分そういう事なんだろうな、と。
あとはどことなく90年代的なダサさがない事もなくて、いやそれが個人的にはクセになる味付けではあるんだけど、そうかそういう意味では平成の終わりに観ておくのも良いのではないでしょうか。オススメします!
いやしかしマジで何で出たんだろうね、ゲイリー・オールドマン。