妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

その手、離さないで。6/19(水)神田松之丞独演会『二ツ目時代』@国立演芸場 雑感。

なるほど確かに廓話で展開するお話というのは、現代で言えばキャバクラ遊びに通ずるのかもしれず。虚々実々の駆け引きをお互い楽しんでいるような。そしてバランスが崩れた時に起こる悲喜劇。知らんですけどね。

 

という事で観てきましたよ。

神田松之丞独演会『二ツ目時代』

f:id:mousoudance:20190619234133j:imagef:id:mousoudance:20190619234253j:image

前座は神田久太郎。『甲越軍記〜謙信の塩送り』〝敵に塩を送る〟の由来のお話。一声でぐっと引き摺り込むような迫力は足りないが、初々しさがあって好印象。

 

松之丞さんの登場。当たり前だけど姿を表すだけでパッと舞台が華やぐその堂々とした風格は増えた体重が理由な訳ではあるまい。

マクラでは体重の話とテレビ収録の話。へぇ、椎名林檎姐さん、観にきた事あるのか、と妙な感心をしてみたり。

 

天保水滸伝潮来の遊び

落語の『明烏』のような導入と展開。とにかく笑いの多い話で賑やかで楽しい。

途中、花魁と留次郎がキャッキャウフフしている描写が段々とエスカレートしていき「こんなの講談じゃねぇ!伯山になるとやりませんよ、こんなの」と嘯き客席を沸かせる。

いやしかし。わははは、と笑いながらフト思う。今、神田松之丞という人を生で観ている事のなんと幸福な事か。脂の乗り切った芸を目撃しているような気分になる、そんな圧倒的なエンターテイメントパワーと色気を感じる。

個人的なツボは朝になると留次郎がすっかり色男になって声まで変わっちゃってるところでした。

 

一旦、引っ込む松之丞さん、ちょっと猫背気味で歩きながら舞台袖あたりでチラっと客席やや上方に視線をやる姿が良い。

ここで場内アナウンス。扇子や団扇の使用はご遠慮ください、との事。なるほどパタパタさせてる姿が演者側からすると結構気になるという話だが、いやしかしそんなルールあるんだね。

 

天明白波伝〜稲葉小僧

マクラを終えると、スッと照明が落ちる。先程の笑いに溢れた一席とは打って変わって、今度はピカレスクロマンたっぷりのお話。

息遣いや身振りそして張り扇のパパァン!という音がカメラアングルやカット割りのような役割を持ち、映像がブワーっと浮かんでくるような迫力にしばしば息を飲む。特に花魁が寝ている稲葉小僧の枕元から匕首を抜き取ろうとする時の緊張感とそこからの畳み掛けるような展開は圧巻。

連続物はその膨大なストーリーの一部やスピンオフを少しずつ吸収していくような楽しさがある。スターウォーズのエピソード間のサブストーリーや裏設定に触れる事でパズルのパーツが少しづつ埋まっていく醍醐味に近いのかもしれない。

このお話で描かれる神道徳次郎との出会いも、ああこれが「首なし事件」の名コンビの誕生に繋がるのか、という講談初心者にとってはそれがもう楽しい。

 

吉原百人斬り〜お紺殺し

最後は怪談話。序盤の次郎左衛門と下男とのやりとりからググっと引き込まれる。花魁八ツ橋にのめり込む次郎左衛門を笑うことは出来ない。それは確かに愚かだが彼が八ツ橋に求めた救済、その細い糸にすがるような思いは胸を打つ。

次郎左衛門の想いは勿論報われない訳だが、しかし果たして八ツ橋の本心はどうだったか。わたしは実は彼女が次郎左衛門の事を単なる醜い顔の男としか見ていないとは思えなかった。もちろん身請けされて添い遂げたい、というのは花魁としての商売としての言葉だったかもしれない。しかし、それでもほんの僅かだけでも「嘘の中にほんの少しだけホントが混ざっている」のではないか?という小さな光。

それはまさに次郎左衛門が抱いた小さな希望だが、そんな希望を抱かせる〝隙間〟を松之丞さんは与えていたように思うのはわたしだけだろうか。

「籠釣瓶はよく斬れる」から時間を遡る語り口は、まるで映像的にオーバーラップするかのようだった。

雪の中での次郎兵衛とお紺のやり取りのまた生々しい事。河原へ連れていく場面のサスペンスには結果が分かってはいてもドキドキとする。畳み掛けるように嘘を並べ立てる次郎兵衛、疑いながらも小さな光を求めて手を伸ばすお紺。息を飲む音が場内に響き渡るような緊張感がたまらない。

最後に静かに雪が降る風景まで引き込まれっぱなしだった。

 

この三席にはそれぞれ花魁が客の手を握る場面が出てくる。いわゆる恋人繋ぎというお互いの指を絡めるように花魁が相手の手を握る仕草を見せる松之丞さんだったが、当然ながら三席それぞれ全く違う印象を与えてくる。

潮来の遊び」ではうろたえる留次郎を見るのが楽しく観ているこちらも思わず笑みが零れる。「稲葉小僧」ではやがて訪れるサスペンスを感じてドキっとする。そして「お紺殺し」では次郎左衛門の哀しさが強調されて切なくなる。それぞれの思い/想いがその手繋ぎに表れていたように感じた。

まだまだ続く「二ツ目時代」シリーズ。チケットが取れる限り観ていきたい。

f:id:mousoudance:20190620083042j:image

rainy 雨が降っても。6/15(土)やついフェス 1日目 雑感。

という事で行ってきました。

やついフェス 2019 1日目

f:id:mousoudance:20190615223510j:image

 

高城れに

入場した時には既にO-EASTのフロアはパンパンでバルコニー席からの参戦となった。

二時間以上雨の中待っていたので入場するなりトイレに駆け込みバルコニー後方に位置取るとDJやついのセットの途中で見覚えのある紫色の人が。

れにちゃん、フライング!!

そしてれにちゃんによる開催宣言によりやついフェスの幕が上がる。 

overtureが流れるだけで身体が反応してしまうよね。久しぶりに引っ張り出したペンライトを振りながら、少しだけ感傷的になったりして。

ソロ曲とももクロ定番曲によるセトリは冒険がある訳ではないけど実にタカさんらしい優しさに満ちた時間を提供してくれる。と同時に流石経験豊かな演者というか短い時間でも会場を掌握する力というようなものも感じる。

ソロコンで緊張してその緊張がこちらにも伝わる…というのも魅力の一つであるれにちゃんだけど、この日は実に堂々たるステージングだったという印象。まあ、何万人を相手にしてるド級のアイドルですからね、当たり前なんだけど。

中でも個人的にアツかったのは「believe」でしたね。これはエモエモのエモで色んな感情が一気に流れ込んできてちょっと目頭が熱くなりました。

正直なところ今の私はももクロのファンと言えるのか非常な怪しいところだし、モノノフと胸を張っては言えない。今の自分のスタンスを説明するには一晩以上語りつくしても足りないくらいで単純な一言では収まりきらない。

しかし、この日のこの瞬間は間違いなく「れにちゃん、大好き!」という気持ちがジャブジャブ溢れ出していた。

嘘か真か途中のMCで「ホントはしおりんと夏菜子にオファーしてたらしいじゃん!」とやつい氏に詰め寄る場面も微笑ましい。

という事であっという間に30分が過ぎ去りました。あー楽しかった。

 

今でもそうなのか分からないけどももクロ現場というのは基本、禁酒で。割と堅いというかバカ正直にそういうのを守るタイプなので普段は酒エリートでフェスなんていうと入場するなり即ビールという感じなんだけど、当然この日もこの時点ではノンアルコール。という事で学校のリーダーズ目当てでclub asiaに到着するなりまずはビールを頂く。

 

Ri Ri Religion

入場するといきなり白装束の集団が目に入る。なるほどバンド名通り宗教的儀式のようだ。

何やらステージからはみ出してコンテンポラリーダンスみたいな事やってる人もいる。

このダンサー役の人も不思議な魅力があって多分だけど歌わないし楽器も持たず踊るだけのメンバーだと思うんだけど、なんていうか無垢な存在というか天使的な?そんな印象があった。

いや、これ良かったデスよ!

終わりの2曲くらいしか観られなかったけど、サイケというかスペーシーというかプログレというかとにかく拡がりのある音楽とステージが良い感じ。

あの鈴がいっぱいついた楽器(調べたらスレイ・ベルというらしい)を持った人やコーラスなどなど10人くらいはいるのかな?で、このコーラスの女性達がみな綺麗な人ばかりで…。個人的には後ろの方にいたちょっと平岩紙ちゃんに雰囲気似た人が気になりました。

全くの初見だったけど気になるグループだった。こういう発見があるのもこういうフェスの楽しさ。

 

新しい学校のリーダーズ

最初、RINさんが出てきてて「あれ?もしかしてDJ RIN??」と思ったけど単なるリハーサルでリズムマシン叩いてるだけでした。

その後他のメンバーも出てきてリハーサルが始まる。モニターの返りなどを確認する姿も良いですな。最初ステージに出てきたとき観客からの声援にペコリとお辞儀をするMIZYUさんかわええ。

スタート前は3分の1程度だったフロアも徐々に埋まり最後はパンパンになってたんじゃないかな。

「恋ゲバ」で始まったステージ。近い位置で観られたのでメンバーの表情までよく見える。

ついつい顔コピをしたくなるのはこの日もそうで、「最終人類」でクルクルと表情を変化させるところ、ホラあの〝んっぱんっぱ〟ってやる部分(上手く説明出来ない!!)、ついつい釣られてい同じ顔している気がする。

大好きな「楽園にて、わたし地獄」では本日もSUZUKA &RINコンビの最狂バックダンサーぶりが素晴らしく。あと〝崖〟の直前にあの薄いベールをSUZUKAさんがMIZYUさんに被せるところで一瞬軽く首締めるような状態になったのをわたしは見逃さなかった。

「恋の遮断機」の寸劇はSUZUKAさんにピンスポが当たったからのスタート。ちょっと一人芝居の舞台っぽくて良かった。途中のSUZUKA &MIZYU掛け合いのところ、チラっとお互い視線を合わす(合わさない?)ところがあるのを今更ながら発見。

MCでは3回目のやついフェスとやつい氏からの手紙の話。MIZYU「昨日健康診断したんですけど呼び出しされる時の『次の3人の方どうぞ』の3がこの形で」とOKサインのように中指・薬指・小指を立てるのが気になったというお話もありつつ。で挨拶からの「透明ボーイ」がこの日もカッコいい!KANON &MIZYUの盆踊りダンスが楽しい。

最後はエンドレス青春からの「迷えば尊し」で堂々のエンディング。SUZUKAさんのエアギターもキレキレだったし、自分の視線上に丁度KANONさんが来て思わずその大きな瞳に吸い込まれそうになったというキモイ報告で現場からの報告終わります。

 

そのまま次の曽我部恵一も観たかったけど朝から何も食べてないので空腹に耐えきれず食事タイム。

 

のん

 EASTに戻りのんを観る事にする。

これは皮肉ではなくてMCの拙さや気の抜けた煽りがとにかく可愛い。ミントグリーンだったかなテレキャスを構える姿も様になっている。

途中フロアから「可愛いーー」という声が上がった時にワンテンポおいて「ん?んん?」というリアクションをした瞬間にはこの人の魅力・キュートさが凝縮されていたようにも思えて。

やはりのん、いや能年玲奈という人には類い稀な才能があって、特に優秀なコメディプレイヤーとして貴重なアクターだと思う。この人には表現するステージというものが必要だなという事をひしひしと実感した。

 

歌合戦コーナーも楽しそうでずっと観ていたかったけどタイムテーブルの関係上、大槻ケンヂの歌う「ワルシャワの幻想」を聴きながらduoに移動。

 

フィロソフィーのダンス

恵比寿マスカッツとフィロのス待機組と更には次のギャンパレ待機組とが入り混じっている状態ですでにフロアはパンパンの状態。

恵比寿マスカッツが終わってもほとんど人の動きがなく、ほぼ最後列で身動きが取れない状態になった。辛うじてステージが見える、かな。

ステージ転換時のお笑いコーナーのギフト☆矢島という人のネタに公式カメラマンの人が思わず噴き出しているのを偶然見てしまった。結構ツボだったようで肩震わせながら写真撮ってたなぁ。

女子限定ライブでやったという「夏のクオリア」始まりは意外だった。「アイム・アフター・タイム」もやったし、夏到来ですね。

しかしほんとにパンパンで身動き取れず「ラブ・バリエーション」のポーズも出来ないくらい。

途中どの曲だったかな、いきなりゴトン!という音がしたかと思ったらおとはすがマイク落としたらしい。そういえばこの日はおとはすマイクの音が入りにくくなってたりなかなか災難な日でしたね。あとハルちゃんがやたらとフェイク入れてくるというかちょっとアレンジ加えた歌い方する回数がいつもより目立った気がする。

そして「ライブ・ライブ」での声出し指導コーナーももはや定番で、こういう事が出来るのも大きなグループになっていく証のようにも思えるのは少し身贔屓だろうか。

最後は堂々と「ダンス・ファウンダー」で締める。当たり前のようでいて、こういう代表的な曲でエンディングをするというのは、ある意味自信の表れではないかな。

チェキ会ではもちろんあんぬちゃんに。ノープランでアワアワしてしつつも「衣装暑くないですか?」という質問に「あ!でもね!もうこの衣装…解禁?解禁じゃないか…あ!封印??」と言って首を傾げる姿が見られたので幸せでした。しかし来年はduoじゃあ無理ですね。

 

崎山蒼志

EASTのサブステージに登場した崎山くん。ボソボソとしたMCの朴訥とした可愛さと紡ぎ出される曲のパワーのギャップがたまらない。

おそらくフロアの大半はスチャダラ待ちの人が多かったと思うけど、スイートな歌声と独特の世界観で、しっかりとその人達の心も掴んだと思う。

何しろ、リーダーズの「楽園にて、わたし地獄」の作詞したパイセンですからね!

 

スチャダラパー

ロボ宙を加えた4人編成で登場。いやー楽しかったなぁ。

「ちょっと空気読みながらやってますんで」と言いながら新曲と定番曲を織り交ぜたセットリストがとにかく良くて。疲れた身体が徐々にリセットされるような感じで、これはまあ自分の年齢もあるのかな。

MCでは闇営業、お薬問題、年金問題といったテーマで楽しませてくれる。このあたりは流石ですね、上手い。ANI「ピエール瀧は友達じゃありません!」がツボ。

BOSEの「昔、渋谷系なんて呼ばれてましてね」という導入から始まった「今夜はブギー・バック」はやはりガチ上がり。

最後の新曲「帰ろう、ちゃんと」(かな?)まであっという間の1時間。最高の大団円でした。

 

という事でやついフェス1日目終了です。なんとなく最後のフィナーレまで残ってみたけど、ステージに現れたぱいぱいでか美さんや吉川友さんの美しさはもちろん、アップアッガールズ(プロレス)の人達の生身の存在感にちょっとドキッとしながら道玄坂を下りていきました。

 

あ。お笑いコーナーでは田上よしえポリリズムの完コピ!)空気階段面白かったです。

「本物の音楽をかけてくれ。カニエ以外な!」【映画】『スノー・ロワイヤル』雑感。

清水義範の小説だったと思うんだけど、ハンドルネームの恥ずかしさ、その自意識の塊のイタさをパロディにしたものがあった。「あ。〝キラキラ天使〟さんですか?はじめまして、〝漆喰の闇王〟です」なんてやり取りに笑った記憶がある。で、今実際自分がその罠にハマっているというね。

という事で観てきました。

『スノー・ロワイヤル』

f:id:mousoudance:20190608220137j:image

リーアム、全員除雪!!映画『スノー・ロワイヤル』予告編 - YouTube

いわゆる〝リーアム・ニーソン物〟というか、ハードでダークな復讐劇かと思っていたら、思いのほかオフビートな笑いが散りばめられていた。

〝車の中でスーツ姿の2人がストーリー上関係のない無駄話をする〟というシーンは明らかに『パルフ・フィクション』を意識したものだろうし、シンプルな事態がちょっとしたボタンのかけ違いで混乱し、人間関係が錯綜していく様などタランティーノ風味がある。

つまりは自分の大好物だった。

○○へのオマージュ的な作品は〝鼻に付く〟物になりがちだが、今作はその辺りのバランスが絶妙だったのだろうかテンポも良く非常に心地よい。

序盤は一見、ダークでハードな滑り出し。しかしリーアム・ニーソンがゴツい拳で最初の相手を一発で倒すところで「おや?」と感じ、消えていくキャラクターの〝墓標〟と滝に捨てられる死体という描写が繰り返される流れで、この作品の持つ空気がわかってくる。「これ、笑っていいヤツじゃね?」

先住民族のキャラクターといえば、今までのアメリカ映画だと〝聖なる存在〟的に描かれがちだった。純粋で無垢な存在、現代社会のカウンター的なものとして配置される事が多い中、今作ではそんな呪縛から解き放たれて活き活きとした描かれ方がされているのも新鮮で良かった。それにしても高級リゾートホテルで予約を取ろうとする場面はかなりブラックなギャグで結構怖いやり取りだったんだけど、アメリカ本国ではどういうスタンスで捉えられてるんだろうか。

キャスティングは隅々までこの作品のムードに合っていたと思う。夫との断絶を表情ひとつで伝えるローラ・ダーンは流石だし、ホアキン・フェニックスロバート・パティンソンを思わせるヴァイキング役の人もマスタング役の人も良かった。ヴァイキングの元妻アヤ役の人(ジュリア・ジョーンズ)綺麗だなぁ、と思って観てましたが、『ウインド・リバー』(こちらにも先住民族が重要なキャラクターとなっている。そして雪山での銃撃戦!)出てたんだね。

エイミー・ロッサムも頑張ってたし、〝ウイングマンウィリアム・フォーサイスの軽妙かつ厚みのある存在感も印象深い。

そしてホワイト・ブル軍団の面々。物静かだが威圧感のあるホワイト・ブル。若頭的な存在ながら愛嬌のあるソープ。その他諸々、良い集団だった。正しい意味でのIndian がいるところもまた…。しかし雪山ではしゃぐ彼ら、可愛かったなぁ。

 

オフビートな笑いと泥臭さとクールさがバランスよく融合したアクション、そして落語のようなオチと最後まで楽しめる作品でした。エンドクレジットの遊びも楽しい。

さてと。オリジナル版でも観ますかね。

Amazon.co.jp: ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(字幕版)を観る | Prime Video

好きに刺さって良いんだよ、というBIG LOVE。『6/4(火)眉村ちあき3rdワンマンライブ 東京湾にダイビング!』@新木場コースト雑感。

という事で行ってきました!

f:id:mousoudance:20190604180026j:image

今回は一眼カメラは持って行かず、撮影はスマホのみというスタンスで臨みました。深い理由はなくて、ただ身軽にしたかっただけ。

入場前の待機スペースで番号呼びを聴いてるとメジャー感がヒシヒシと伝わってきますね。

オフィシャル先行&株主として入場。特典という事だろうかステッカー付きペットボトルを貰う。

f:id:mousoudance:20190605065156j:imageLIVE途中喉乾いて飲んじゃいました。お茶味のめんつゆ。

f:id:mousoudance:20190604224958j:image

場内のモニターにはいない事でお馴染みの谷さんと眉村さんが物販CMをやっている。ランダムTシャツの破き方最高です。

そしてこれですよ!

f:id:mousoudance:20190604230418j:imageクレーンカメラ!!!!

ビールを飲みながら待っていると聞き覚えのある声で「あと五分で始まるから待ってろよ」的なアナウンスがあり、フロアも自然と熱気を帯びてくる。

そしてスタート!

f:id:mousoudance:20190604231531j:image

モニターに映し出されているのは街で暴れる恐竜とそれを倒すために集まった様々な眉村ちあき達。MVなどで彼女が演じたキャラ達が集まって恐竜を倒す。チアキズ、アッセンブル!!

でこれも良かったんですけど登場のシーンですよ!写真撮ってないんでアレですけどモニターに映る恐竜に乗った眉村さんの姿!これカッコ良すぎましたね!

f:id:mousoudance:20190604232202j:image

でですね、驚かされたのは〝Queeeeeeeeeen!〟ですよ!キッズダンサー達と演ったこの曲のエンタメパワーは何でしょう!今まで何度か聴いて観てきたモノとは明らかに違う。ただ豪華にダンサー付けてやりましたよ、というだけではない。きちんと初見のオーディエンスにまで、会場の隅々にまで楽しさを届けようとする意思を感じたし、上手く言えないけどプロとしての矜持を見せられた気がする。それはこの夜の全てに渡って言える事だったと思う。

〝ほめられてる!〟の最後のシークエンスで舞台袖に消えたかと思うと続く〝ナックルセンス〟で空に飛ぶ。

f:id:mousoudance:20190605045724j:image

「新木場では上下しか出来ないー♫」と歌いながら空中でバタバタしている姿がコミカルでありそして何よりカッコイイ!

そして〝荻窪選手権〟で月になり最後は恐竜に食われて消えていったスギムさん。

f:id:mousoudance:20190605050957j:image

もうあの曲が凄かったこの曲がどうだったと言っていけばきりがなく。〝おじさん〟が圧倒的であったとかもう当たり前の話だし、即興からの〝ピッコロ虫〟のカタルシスは相変わらずだし、ああそう言えばこの夜は久々に「明日朝起きたら」のところがアレンジされていて眉村ちあきのままで良い!となっていたのには燃えましたね。

サーフどうするのかな?と思ってると透明な浮き輪ボートで会場を移動したり、中央の出島ステージにも何度か来てくれたのでフロア後方にいたわたしにもその姿を拝む事が出来て、大きい会場ならではのこの距離感が何とも言えない。

f:id:mousoudance:20190605052005j:image天才犬との遭遇を捉えようとするクレーンカメラ!

ああああ!楽しい!!

なんかMCでもパワーワードがあった気もしますが脳汁と一緒に流れ出てしまったのかもしれません。楽しすぎて記憶がとんでいるのかも。

本編ラストはマユムラー達へのBIG LOVEを神々しく歌い上げた〝代々木公園〟で締めくくる。文字通り〝ひとりひとりの顔を見て歌う〟その姿は美しく尊い

アンコールではツアーTシャツに赤ジャージという出で立ちで登場。新曲〝緑のハイヒール〟は今までにないくらいにストレートな曲、のように見せかけて実はまだ歌詞にヒネリが加わっているような気がしている。じっくり聴いてみたい。

みんなの顔を見ながら(2度目)の〝本気のラブソング〟も会場を練り歩いての〝ビバカメ〟も良かったけどやはりこの夜の〝大丈夫〟は一味も二味も違っていたような気がする。最新のコロムで眉村さんは「この曲にはもう共感できていない」と言っていて。『ゴッドタン』の即興ソング企画から生まれた名バラード『大丈夫』/眉村ちあき連載・第9回 - 耳マン

いやだからこの曲に心がこもっていないというのは間違いで、曲に対して距離をもっているからこそ聴く人それぞれに刺さるように曲を届けなければならないという彼女のプライドがそこにある。そんな印象でした。何目線だよ?というご指摘を覚悟の上で言うと、この曲育ったなぁ、と。そんな事すら感じる〝大丈夫〟だった。

「大丈夫。私がみんなのこと楽しませるから!」

そんな宣言だった、というのは少し勝手な押し付けかもしれませんが、この夜のLIVE全体から私が感じたのはそういう事だった気がします。

 

ラストはウィーアーザチャンピオンを大合唱!と思いきや安定のぶつ切り!そして大きなモニターには楽屋裏らしき場所を走っている眉村さんの姿が。どこへ走っているのかと思うと、何と「東京湾」へ飛び込んでいくではないか!

きちんと東京湾へダイブして伏線を回収するカタルシス、最高でした!!!!

 

退場口でお出迎えしてくれる眉村さん。ひとりひとりに慈悲深い眼差しを向けて「ありがとう」という気持ちを込めてハイタッチをする眉村さんの姿は菩薩のようであったよ、というキモい文章で終わります。

そして彼女は朝四時起きで勉強する。6/2(日)『令和元年度 第七回 はみ出しフェスティボー』雑感。

という事で行ってきましたよ。

令和元年度 第七回 はみ出しフェスティボー

f:id:mousoudance:20190602232618j:image

今回も場内にはお習字が張り巡らされていて

f:id:mousoudance:20190602232927j:imagef:id:mousoudance:20190602232933j:image例のごとくインパクトのある似顔絵。いやもはや似顔絵とは何ぞや?という問題提起ですらある。

f:id:mousoudance:20190602233110j:imageこれはトイレの内扉。正しい。

入場するとDJ RINによるお出迎えがありまして。これがまた良い感じにフロアの温度を上げたり、逆に上がった温度をチルアウトしたり、となかなかに良い感じ。

 

・甘栗カンパニー

いや、全くの初見だったんだけど何これ楽しい!アイドルソングど真ん中のクオリティで思わずコールしたくなる。

わたしはこっさん推しになりそう。

リーダーズとのコラボコーナーはゲーム〝気配切り〟から。あ、これは観たことあるぞ。SUZUKA→KANON→RIN→MIZYUの順番で対戦。トップバッターSUZUKAは目隠しタオルの上からメガネ装着。ウレタン棒で相手の股間ツンツンするなどしつつ勝利。続くKANONも勝利したもののRINは思いっきり頭叩かれて敗戦。最後のMIZYUは相手が空振りした後に恐る恐る動かしたウレタン棒がソフトタッチに相手の身体に触れて勝利。

最後は〝ファイテン〟をコラボで披露。リーダーズが入ることでまた違う世界になりますな。終盤のダンス対決も素晴らしい。

うん。楽しかった!!

 

・錯乱前線

久しぶりに真正面なパンク・ロックを聴いた気がする。ボーカルのキャラクターもオーラあって良いですね。甘栗カンパニーのふんわかしたムードとはガラッと変わって熱いステージ。

 

新しい学校のリーダーズ

さあ、そしていよいよ登場です。最初の組体操ではMIZYUちゃんが失敗するなどありつつ。恋ゲバでLIVEスタート。

〝楽園にて、わたし地獄〟ではついついSUZUKA &RINの最凶バックダンサーぶりに目が行ってしまう。MIZYU仁王立ちはこの曲でしたっけ?相変わらずセトリを覚えるのは苦手。

彼女達のステージを観ていると振りコピならぬ顔コピをしてしまいそうになる。あの表情豊かな顔、素晴らしいです。確か〝ワカラナイ〟だったと思うけど「困ったな」的というか「おばあちゃん」的というかとにかく変顔になるとこツボです。気がついたら同じ顔になってそう。

やはり今日のハイライトは〝知りたい〟の前振りでしょう。自己紹介をするという流れまでは「さて今日はどんなすっとぼけた自己紹介をするのかな」的に眺めていたらいきなりKANONが「2002年○月○日生まれ 17歳 群馬県出身」と始めるので一瞬事態が飲み込めなくなる。え?え?え?リアル年齢??

次々と生年月日と出身地を発表するメンバー。SUZUKAさん大阪出身だったんすか!(棒読み)とかありつつ最後のMIZYU「ハタチです!」の破壊力。あら、1番のお姉さんでしたか。個人な印象としてはRIN→1番お姉さん、KANON・MIZYU→同級生、SUZUKA→1番妹ちゃんと勝手に思っておりました。

因みに○○と□□なら○○が好き、でSUZUKAさんが言った「聖子ちゃんと明菜ちゃんなら明菜ちゃんが好き」には妙に納得しました。

ラストはエンドレス青春ラップからの〝迷えば尊し〟!ハンズアップした手、揺れる身体、激しく踊るメンバーとその髪!(特にKANONさんの髪がブワってなるところは一瞬時が止まったかのよう)、これが青春!!!

アンコールでは「はーみだし!はーみだし!」コールが起こり1分もしないくらいでメンバー登場。〝まさ毛カンナヴァーロ〟で大団円。

特典会ではいつも通りメンバーの顔をまともに見る事も出来ずツーショットを撮って終了。

f:id:mousoudance:20190603075735j:imageさりげなく幸楽苑コラボTシャツを自慢。

という事で無事に令和元年第七回はみ出しフェスティボーは終了致しまし、た!た!た!た!

wave of mutilation を聴く少女。【映画】『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』雑感。

という事で観てきましたよ。

ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』

f:id:mousoudance:20190602012950j:imagef:id:mousoudance:20190602013013j:imagef:id:mousoudance:20190602013018j:imagef:id:mousoudance:20190602013024j:image

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』予告3 - YouTube

いやもうとにかくキングギドラが出てくるだけで大満足というか、思いのほかにオリジナルへのリスペクトを感じる作りに脳汁たっぷりの出来栄え。ストーリーの穴や雑さ加減はむしろそれくらいが丁度いいとすら感じる程で、人間のてんやわんやなんかはどうでもよくて「ええい!人間たちはいいっ!ゴジラを、ゴジラを映せッ…!」と言いたくなるくらい。

今更、映画における核の取り扱いにやいのやいのと言うつもりもなく、というよりは芹沢博士の懐中時計の描写だけでも『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』とは百万光年くらい認識に差があるのであって、それは謙さんが頑なにGODZILLAではなくクッキリハッキリと「ゴジラ」と発音するこだわりへの信頼感に通ずるかもしれない。

放射能をエサのようにバリバリと吸収するゴジラに対して核ミサイルをぶち込んでいくという展開はアイロニーでもあり、前作のギャレス・エドワーズゴジラにおいて頑なに核攻撃に反対していた芹沢博士が今作で選んだ最後の決断へ至る道程は一見矛盾するようではあるが、だからこそ心打たれる。芹沢博士がマークに言った「恩讐を抱く相手との和睦」の現れではないか、とも思う。

いや確かに〝ポリコレ的な指摘や批判〟を生みかねない部分はあるかも知れず、「これが核兵器の平和的使用だ」という欺瞞を突くことも出来よう。しかしオキシジェンデストロイヤーという〝最終兵器〟が全く最終兵器として役に立ってない事をみれば結局人類のせせこましい作戦などゴジラ達には無意味であって、彼らの闘いに奉仕する役割でしかない。

というような戯言も全くキングギドラ達には関係ないのであって。

いやまあとにかく三大怪獣とキングギドラのバトルですよ。流石にモスラゴジララドンを説得しています!」のようなシーンはないが、闖入者として暴れまわるキングギドラに対峙するゴジラや献身的なモスラ姐さんの働きは素晴らしい。ラドンは…いやアレはロダンか、いやとにかく火山から出てくるシーンのカッコよさ。もっと活躍が見たかったけどね。

強いて言うなら真っ昼間の青空の下や夕暮れ時の闘いのシーンが観たかった事とキングギドラの鳴き声や引力光線の音にもっとピロピロ感というかあの妙に不安感を煽る音にして欲しかったかな、という気持ちもないではないが、それはまあ小さな話。あ、そうそう。エンドクレジットで〝GODZILLA himself〟になってたの良かったですね。

人間にも触れておきますかね。

モンスターとの相性抜群のサリー・ホーキンスは今回も登場。もっと活躍して欲しかったかな。

ヴェラ・ファーミガさんは相変わらずお美しく、その基地外ぶりがまたアンニュイさを増幅させて、個人的には満足。ミリー・ボビー・ブラウンちゃんは『ストレンジャー・シングス』同様、その才能を感じさせる存在感でこれからSF映画の女神となるのかもという期待を抱かせる。

そしてチャールズ・ダンスの気品ある佇まいが素晴らしい。彼が「王が…目覚めた…」という台詞を口にするとまるでシェークスピア劇を観ているような気分になる。こういう人がいると画面が締まりますな。人間ドラマいらない、とは言いながらやはり怪獣達を際立たせるのも人間であって。良いキャスティングだったと思う。

サントラはオリジナルへのリスペクトを感じるアレンジもあって、特にあの曲やあの曲が流れるとやっぱりアガリますよね。

モスラの歌 - YouTube

という事で次作はいよいよキング・コングとの対決。

楽しみで仕方がないが、その為にもアメリカの人たちに沢山観て欲しい。

 

おまけ

前作のムートー2体のチュッチュしてる場面がチラッと映ってたけどモザイクかけられてるの笑ったな。

そして健さんは押入れから日本刀を取り出す。【映画】『ザ・フォーリナー復讐者』雑感。

「昨日の水曜ロードショーの『酔拳』録画したやつウチで観ようぜ」という感じで良く友達の家でジャッキー映画を楽しんだりしていたあの頃。御多分に洩れず木人拳ごっこなどなどをしていた訳で。

という事で観て来ました。

『ザ・フォーリナー復讐者』

f:id:mousoudance:20190525204337j:image

ジャッキーが孤独で冷徹な史上“最恐”の復讐者に/映画『ザ・フォーリナー/復讐者』予告編 - YouTube

その瞳は冒頭から闇を見続けているようで、娘のボーイフレンドを値踏みするかのような眼差しと娘とのやりとりは、まるでクワン(ジャッキー・チェン)自らが厄災を呼び込んでいるようにすら感じさせる。

テロ犯の名前を執拗に知りたがるクワンが当初〝娘を失い自暴自棄的に行動に出る初老の男〟として登場しながら、やがて手慣れた銃火器の取り扱いによってその出自をさりげなく想起させる展開はスムーズで無駄がない。

特に最初の仕掛けを作る場面、ああいう作業の積み重ねの過程を見るのは好物なのでそれだけで1億点上げたいくらい。

ジャッキー映画の醍醐味である〝生身のアクション〟とガンアクションとのバランスも絶妙で、気がつけば戦う者同士が銃を捨て格闘アクションへと移行しているのも違和感がない。椅子を使ったギミックやポールを滑り落ちるというようなさりげないファンサービスにはグッとくる。謎のトレーニングシーンもありますし。

北アイルランド紛争を背景とした物語には〝正義〟や〝大義〟の多重性も垣間見える。過激派(いやしかしUDIって何ですかね?)も政府も警察も、それぞれが清濁併せ飲む存在として描写されている。

なかでもヘネシーピアース・ブロスナン)が抱えるかつての過激な思想と現実との折り合いとのバランスを取ろうとする場面はなかなか興味深い。次第にヘネシー自身も実は復讐者であると気づかされる構造が面白い。

それだけにクワンがヘネシーへ見舞った最後のパンチはスカッとジャパン的痛快さとは程遠い。クワンもヘネシーもそれが到達するべき落とし所であることを互いに承知しているかのような表情だ。その結末はどこかやるせない。

音楽がまた素晴らしくてですね、クリフ・マルティネス。ソダバーク作品やニコラス・ウィンディンク・レフン作品で活躍していた彼のスコアが良い。時折ジョルジオ・モルダーを思わせるようなダサさとカッコ良さの境界線をいくような感じもあったりして、かなり好きな音でした。

という事で「ジャッキー年取って枯れたアクションとか言って誤魔化してんじゃねーの?」なんてあなたが思ってるとしたら、いやむしろそう思って観に行くといい意味で裏切られると思います。