わたしもテレビバラエティで活躍する姿で王林さんを知ったクチだ。独特のキャラクターはモニターの中で見映えするものだったし、とても楽しいけれど、それは彼女の一面に過ぎない。
という事を知ったのはネギフェスオンラインLIVEで、そこで初めてRINGOMUSUMEを観たわたしがその魅力にハマっていくのに時間はかからなかった。とても個性的なキャラクターとダンスと歌のスキルを備えた4人がとにかく素晴らしかった。
テレビで見る王林さんはバラエティ番組で輝く魅力的なキャラクターの持ち主だ。しかし、LIVEの姿に触れて彼女の本質、ホームグランドはココなんだ、という事を改めて感じたし、RINGOMUSUMEのLIVEをどんどん観てみたいとそう思ったあの日だったのです。
RINGOMUSUME 4MAN LIVE “FOURs in TOKYO”
メンバーの卒業脱退はアイドル業界の中で日常茶飯事かもしれないけれど、それが自分の推しているグループに起こる事は(可能な限り)考えないようにしているし、「この体制こそが最強で最高」と思ってしまう。しかし、当たり前のように永遠なものなどない。そんな事は嫌というほど味わってきたつもりだったけれど、やはり哀しい。という事でわたしのRINGOMUSUME初現場は、とても複雑な感情を持って臨むことになった。
初現場の独特の緊張感とワクワクを携えて入場する。会場内にはRINGOMUSUMEの曲が流れている。いや、しかし良い曲揃いだ。しかし良い曲だからといってブレイクスルーするとは限らないのがこの世界だ。「トークサバイバー」で千鳥大悟さんが発した〝お前ら悪くなかった。でも、悪くないやつならいくらでもいる〟というキラーフレーズを頭に浮かべつつ、開演を待つ。
トップバッターのまなみのりさからNegicco、リリスクとRINGOMUSUMEが呼びたかった3組のステージはどれも感慨深いものだった。
まなみのりさのステージは広島の無料イベントやフェスで見かける程度だったけれども、広島者として密かに応援はしていた。実際にステージを目の当たりにするとMIKIKO先生の遺伝子を感じるダンスとボーカルに引き込まれる。特に最後の「かかとを鳴らして」が出色だった。RINGOMUSUMEへのはなむけのメッセージにもなっていて、ここで涙腺が早くも緩む。
季節がめぐったら
またどこかでまた会えますように
心でそっと祈るの
かかとを鳴らして
まなみのりさ「かかとを鳴らして」より
これからの4人の未来がどうなるかわからないけど、わたし達はステージに立ってパフォーマンスし続けながら応援している。そんなメッセージを勝手に読み取る。
続くNegiccoさんはMeguさんとKaedeさんの2人体制での登場。後のMCで王林さんが語ったように「絶対にNegiccoさんに声をかけて!」と熱望した事が身を結んだ形だ。DJ Meguのコーナーはクールなカッコ良さと温かさが混在する空間で、それもNegiccoさんらしさが溢れているように感じられた。かえぽさんのチルで柔らかなボーカルも心地よい。そして最後の「ねぇバーディア」で涙腺の緩み目盛りが上がる。
あなたにあなたにあなたに
恋してたんです
このまま好きでいいのかな
もう止められないけど
Negicco「ねぇバーディア」より
そうなんだよ。あの日あの時わたしはRINGOMUSUMEに出会ってしまった。まだ日は浅いけれど、そんな思いが刺激されてしまう。
lyrical schoolもステージを観るのは2度目だ。個人的には序盤は少し空気が固く感じたけれど、徐々に独特のユルサとヒップホップの融合がツボになってくる。risanoさんやhimeさんのラップもカッコいいし、長身でスタイリッシュなminanさんやキュートな魅力を感じるyuuさんのボーカルも良い。そしてhinakoさんのサービス精神溢れたパフォーマンスが印象深い。グループのアイドル性を全て引き受ける覚悟のようなものすら感じる彼女の姿に少なからず心動かされる。そしてここでも、ラスト曲がメッセージとして響いてくる。「LAST DANCE 」良い曲ですね。
いつか終わる時の中で
少しだけ君と出会ったこと
いつか止まるビートの上
ふぞろいなステップのままでラストダンス
lyrical school 「LAST DANCE 」より
永遠なものはない。いつか終わってしまうものだけど、それでもこの出会いは輝いていて、悲しくて不器用なステップになるけれどラストダンスを送る、とこれまた勝手に思い込む。
さてそしていよいよRINGOMUSUMEの登場だ。
これまでオンラインLIVEを数回観ただけで生のLIVEは初めてだ。目の前に広がる4人の姿は登場から眩しく感じる。「Ringo disco」から「JAWAMEGI NIGHT 」までまさにあっという間で、いやホントにこのグループ、この4人の体制が終わってしまうのが残念で仕方がない。もっともっと彼女達のLIVEを観たくなる。
彩香さんのパワフルな歌声、ときさんの艶やかでしなやかな動き、ジョナゴールドさんの安定度の高いパフォーマンス、そしてテレビバラエティで観る姿からは想像できないパフォーマーとしてイキイキと輝く王林さん。この一瞬一瞬をライブ会場で観られるのも最後のチャンスだ。しっかりと目に焼き付けておかなければならない。
これから4人がどんな道を歩んでいくのか、それは判らない。もしこの2年間コロナ禍でなければ、その活動の行方は果たしてどうなっていたのだろうか。と思わず考えてしまうけれど、とにかく素晴らしいライブパフォーマンスだった。白い衣装もまた旅立ちの装いに思えてしまうし、4人それぞれの個性にあったデザインであったのもまた良い。嗚呼、もっと観たい!
トークコーナーでワチャワチャする4人を見ているのまた、楽しい。ときさんの王林さんを超えるド天然ぶりやそれを遠巻きにいじってくる彩香さん、そしてMCとして仕切るジョナゴールドさんの姿は、長らく応援してきた人たちにも馴染みのあるものだろうし、わたしのように最近ハマった人間にとっでもRINGOMUSUMEの魅力のひとつと感じられる。Negicco(naoさんもリモート参加)とのトーク、まなみのりさとの方言対決、そしてリリスクとのラップバトル。それぞれ4人の個性が溢れていて、また3組からの愛も感じられてた楽しいコーナーだった。そして他のグループと並んだ時に思う「ジョナゴールド、小さくないんだよな」という発見。
ラストは全員揃っての「Ringo star」の合唱。この大団円感に涙腺は開放されて目尻からじんわりと涙が。リリスクrisanoさんのラップも熱かった。
最後の挨拶、それぞれの各グループからのメッセージも想いが詰まっている。今日の対バン3組はそれぞれに長い間活動の歴史があったり、或いは途中で大きな壁にぶつかったり、メンバーの交代があったりと紆余曲折しながらここまで来た背景があったはずで、そういったものが感じられてわたしの心を撃つ。
メンバーの挨拶では、泣きっぱなしの彩香さんもグッと涙を堪えていたジョナゴールドさんも「でへへ」と泣いてしまうのを誤魔化そうとして結局泣いてしまう王林さんもわたしの涙を誘ったが、中でも「言葉がうまく出てこない」と言いながら思わずお腹をポンポンと叩いたときさんに流石という言葉を与えたい。(そしてそれを「ちょ…ちょっと!」とたしなめるようなジョナゴールドも含めて)
現体制でのRINGOMUSUMEはひとまずこの3月末で終わる。しかしもちろん、この4人の未来はまだこれからだ。終わってる訳がない。まだ始まってもいない。
輝きたいのわたし
リンゴのようにキラリ冷たい風にフワリ
花びら一片ひらひら
届けたいこのメロディー
君が微笑めばいいな
時に傷つく事を恐れずに進め
RINGOMUSUME「Ringo star」より
うん。4人の未来が楽しみですね。どんな形であっても。