たしかにこのご時世に「狼よさらば」のリメイクを、という企画もなかなか勇気のある話ではある。
という事で
『デス・ウィッシュ』
予告編はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=o7z8jz3uSdE&feature=share
オリジナルの「狼よさらば」とストーリーの基本ラインは変わらない。強盗に襲われ妻を失い娘を傷つけられた主人公ポール(ブルース・ウィリス)は、やがて自分の手で復讐を…という感じだ。
オリジナルはテレビの日曜洋画劇場で昔観たかな?くらいの記憶だが、もうニューヨーク怖いっ!という印象が強く、とにかく暗い復讐モノというイメージ。
今作では主人公ポールの職業が設計士から医者に。またYouTubeやSNSといったツールも盛り込んでいるが、それは単に現代的な味付けというのみではなく、とても効果的な使われ方をしていたと思う。オリジナルにあった暗さはやや軽減されているかもしれない。それは個人的には上手く作用したと思う。
銃器の手入れをする場面や銃の取り扱いが次第に上達していく見せ方もテンポ良いし、銃器を手に入れる過程でポールが目にしたアレが、終盤の重要なポイント活かされていて思わず唸ってしまうところもある。
ポールが医者である設定も上手く処理されていて、特にあの拷問!坐骨神経て!拷問シーンとしてランクインしても良いくらい。
イーライ・ロスらしいゴアシーンもさり気なくあるし、ポールが自力で傷口を塞ぐシーン(ホチキスぱちぱち!)はランボーのあのシーンを想起したりして。
確かにビジランテ(自警団)というテーマや銃社会の描かれ方は、このご時世なかなか風当りも強かろう、と思う。しかし、思想的背景は別にしてガンアクションとしても良くできているし、ストーリー展開も良い。
ラストシーンもちゃんとオリジナル『狼よさらば』への目配せがされていて上手くまとまっている。余り肩肘張らずに楽しんで欲しい作品。
それにしてもこのポスターの昭和感が素晴らしいよね。東映マークが似合いそう。