という事で観てきましたよ。
これはカマロ版バンブルビー
いやあ、ナメてました。まあマイケル・ベイ印のバカ映画でも楽しんでくるかな、なんて気持ちで観に行ったらとんでもない!
TFシリーズでも屈指の出来じゃねーか!そして80年代テイスト溢れる最高の青春映画!ですよ、これ。
そういう意味でヘイリー・スタインフェルドちゃんをキャスティングした事は正しい。正し過ぎる。こじらせ系思春期女子を演らせたら今この人の右に出る人はいないんじゃないかな。家族や学校で馴染めない鬱々とした思春期を過ごしている主人公である事や今は亡き父親への想いとそれに付随する挫折といったキャラクターは確かに青春映画の典型ではある。しかしそれを彼女が演じることによってグッと説得力が増す。冒頭、スミスの〝ビッグマウス・ストライクス・アゲイン〟で目覚めるチャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)の姿。この場面でこの映画の成功(わたしにとっての)は約束されたも同然でしたね。
バンブルビーとの出会いはチャーリーにとって成長していくための過程・通過儀礼のようでもあって、チャーリーの背中を押しチャーリーを全力で守る姿はもちろん父親の理想像でもあってつまりは父親との人生のやり直しが描かれてる。
と同時に記憶を失ったバンブルビーは子供そのものでもある。彼を修理しアップデートしていくチャーリーは母親の役割をも担う。暴れる彼を時にはなだめ時に鼓舞し、最終的に「戦うのよ!バンブルビー!」と兵士の記憶を呼び覚ますスイッチとなる。この物語はバンブルビーとチャーリーそれぞれの成長物語だ。ちょっとこの映画の事を思い出したりもした。
映画「スウィート17モンスター」日本版予告 - YouTube
もちろんトランスフォーマーシリーズとしてギミック感あふれるディセプティコンやフルコンタクトの格闘シーンは見る価値がある。ちょっとマイケル・ベイ印とは思えない絶妙なバランスで配置されている。このあたりは監督のトラヴィス・ナイトの功績だろう。
個人的なお気に入りはクライマックスでのバンブルビーとディセプティコンの格闘を背景にしチャーリーが逃げるシーン。上手く言えないけど80年代的空気を感じる構図と画面のルックがとにかく美しい。CG技術の高度さ云々の問題ではなく、とにかくグッとくるシーンだった。
笑えるシーンも多く、ビーがチャーリーの渡したスミスの音楽テープ
をペッと吐き出す場面は思わず吹き出してしまったし(アレだな、ビーは「スミスはクイーン・イズ・デッドまで」派だな?という戯言はともかく、これが後々泣ける伏線になってるのもニクい)、カーチェイスの場面(「いや、マイアミ・バイス風に」)も楽しい。メモとの初々しい関係も実に青春映画チックで良いよね。
あとチャーリーの家族がみんなでアルフ観て笑ってるのもなんかツボだった。あそこ吹き替えだともちろん所ジョージや小松政夫なんだよね?
という事で平成の終わる今、昭和末期そしてバブル真っ只中の青春映画を味わうのもなかなかオツなものだと思います。いやマジおススメ!
Simple Minds - Don't you Forget About Me (The Breakfast Club) - YouTube