妄想徒然ダイアリー

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wave of mutilation を聴く少女。【映画】『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』雑感。

という事で観てきましたよ。

ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』

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映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』予告3 - YouTube

いやもうとにかくキングギドラが出てくるだけで大満足というか、思いのほかにオリジナルへのリスペクトを感じる作りに脳汁たっぷりの出来栄え。ストーリーの穴や雑さ加減はむしろそれくらいが丁度いいとすら感じる程で、人間のてんやわんやなんかはどうでもよくて「ええい!人間たちはいいっ!ゴジラを、ゴジラを映せッ…!」と言いたくなるくらい。

今更、映画における核の取り扱いにやいのやいのと言うつもりもなく、というよりは芹沢博士の懐中時計の描写だけでも『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』とは百万光年くらい認識に差があるのであって、それは謙さんが頑なにGODZILLAではなくクッキリハッキリと「ゴジラ」と発音するこだわりへの信頼感に通ずるかもしれない。

放射能をエサのようにバリバリと吸収するゴジラに対して核ミサイルをぶち込んでいくという展開はアイロニーでもあり、前作のギャレス・エドワーズゴジラにおいて頑なに核攻撃に反対していた芹沢博士が今作で選んだ最後の決断へ至る道程は一見矛盾するようではあるが、だからこそ心打たれる。芹沢博士がマークに言った「恩讐を抱く相手との和睦」の現れではないか、とも思う。

いや確かに〝ポリコレ的な指摘や批判〟を生みかねない部分はあるかも知れず、「これが核兵器の平和的使用だ」という欺瞞を突くことも出来よう。しかしオキシジェンデストロイヤーという〝最終兵器〟が全く最終兵器として役に立ってない事をみれば結局人類のせせこましい作戦などゴジラ達には無意味であって、彼らの闘いに奉仕する役割でしかない。

というような戯言も全くキングギドラ達には関係ないのであって。

いやまあとにかく三大怪獣とキングギドラのバトルですよ。流石にモスラゴジララドンを説得しています!」のようなシーンはないが、闖入者として暴れまわるキングギドラに対峙するゴジラや献身的なモスラ姐さんの働きは素晴らしい。ラドンは…いやアレはロダンか、いやとにかく火山から出てくるシーンのカッコよさ。もっと活躍が見たかったけどね。

強いて言うなら真っ昼間の青空の下や夕暮れ時の闘いのシーンが観たかった事とキングギドラの鳴き声や引力光線の音にもっとピロピロ感というかあの妙に不安感を煽る音にして欲しかったかな、という気持ちもないではないが、それはまあ小さな話。あ、そうそう。エンドクレジットで〝GODZILLA himself〟になってたの良かったですね。

人間にも触れておきますかね。

モンスターとの相性抜群のサリー・ホーキンスは今回も登場。もっと活躍して欲しかったかな。

ヴェラ・ファーミガさんは相変わらずお美しく、その基地外ぶりがまたアンニュイさを増幅させて、個人的には満足。ミリー・ボビー・ブラウンちゃんは『ストレンジャー・シングス』同様、その才能を感じさせる存在感でこれからSF映画の女神となるのかもという期待を抱かせる。

そしてチャールズ・ダンスの気品ある佇まいが素晴らしい。彼が「王が…目覚めた…」という台詞を口にするとまるでシェークスピア劇を観ているような気分になる。こういう人がいると画面が締まりますな。人間ドラマいらない、とは言いながらやはり怪獣達を際立たせるのも人間であって。良いキャスティングだったと思う。

サントラはオリジナルへのリスペクトを感じるアレンジもあって、特にあの曲やあの曲が流れるとやっぱりアガリますよね。

モスラの歌 - YouTube

という事で次作はいよいよキング・コングとの対決。

楽しみで仕方がないが、その為にもアメリカの人たちに沢山観て欲しい。

 

おまけ

前作のムートー2体のチュッチュしてる場面がチラッと映ってたけどモザイクかけられてるの笑ったな。