昔話をするつもりもないけど、一人暮らし始めた頃は当然のように風呂なしアパートで当然のように銭湯通いをしていた。当然のようにと言ったけど、そういうライフスタイルはその当時すでになくなりつつあったはずだ。夏の暑い日に入り口にある自動販売機ではちみつレモンを買ってよく飲んでいた思い出。
という事で行ってきました。
『セントゥーでアコギ弾トゥ語トゥ』
わたしは小杉湯の存在を知らなかったが、歴史ある佇まいと新しい息吹のようなものが同居している様は、銭湯ニューウェーブ的位置付けなんでしょうか。過去にもフェスが催されたりしてたんですね。
去年の秋のYOUMACHIでの眉村さんを観に行けなかったので今回はぜひ体験したいLiveだった。わたしがゲット出来た脱衣所席からの眺めはこちらだが、もちろん同じ場所にとどまっている人ではない。
メインの男湯席、壁を隔てた女湯の音漏れ席、そして脱衣所席とまさに縦横無尽に歩き回り踊り、そして歌っていた。彼女のライブに最前も後方もないのは当たり前で、どの位置にいようが楽しませようとする意思はこの夜も当然のように。
登場時に来ていたワンピースは割と早い段階で脱ぎ捨てられ、水着姿となる眉村さん。思いのほか水攻めは控えめで、一度ケロヨン洗面器に入れた水をヲタクにぶっかけていたくらいだ。(これで控えめと感じるのもどうかと思うけど)
Official髭男dismやBoAのカヴァーももちろん楽しいのだけれどこの夜に印象に残ったのはアコギバージョンの「奇跡・神の子・天才犬」だった。ボサノヴァ風にも思えるアレンジが沁みてくる。いや、カッコよかったですね。
※画像はイメージです。
あれはなんの曲だったかな、客の何人かに音を振り分けてビートを完成させようとした試みはグダり具合も含めて〝らしい〟空間でしたね。
確かこの時だったと思うけど、どこかから飛んできた風船。可愛らしいショットですが、ご本人は「こっちは集中してんだよーー!!!邪魔すんなーーーー!!」でした。
浴場という音場をどれだけ意識していたかは分からないけど、独特のエコーのせいもあってこの夜の「ビバカメ」はゴスペルでしたね。富士山の壁画が教会のフレスコ画のように見えてきましたよ。
そして不意に眼前に現れる眉村さんにアワアワする瞬間。
首をすくめる眉村さん。よく見る動き。
こ、こんなところにホクロあったんすね…。
あとですね、ツイン団子ですよ!最強ですな。終盤になって少しほつれてきてるところとか。
高円寺という街が持つほのかなノスタルジー感。いや、住んでた訳でもなくそれほど訪れてる場所じゃないけど何故かそんな感情を抱かせる不思議な街。そんな事を考えながら、去りゆく夏の夜を惜しみつつ帰路につくわたしでした。