妄想徒然ダイアリー

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泣け!叫べ!盛り下がれ!渋谷で見つけた小さな雷。『アーバンギャルドpresents鬱フェス2019@O-EAST』雑感。

誰かがSNSで呟いていたけど、ホントに今日は天気の子がいるに違いないという空模様で、朝晴れていたかと思えば急に雨が降り始めて、さてでは傘を持って出かけるか、と渋谷に着いたらメチャクチャ晴れててしかも暑いときている。

全く、鬱になりますね。

という事で行ってきました。

『鬱フェス2019』

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新しい学校のリーダーズ

開幕宣言後のトップバッターは新しい学校のリーダーズ。割と前方に位置取る事が出来たので4人の姿がよく見える。TIF同様、待ち時間は20分程度。時間としては物足りないが、相変わらずパフォーマンスは素晴らしい。〝席替え…〟〝恋ゲバ〟そして〝エンドレス青春〟から〝最終人類〟の流れ。この青春→最終人類はTIFでも観られた形だが、すっかり定番化してるというかアンセムとして成長したというか。後ろからの風景はどうだったのだろうか。ぷっちゃはんざっぷされた手がどれだけあったのか気になるところ。

FINAL SPANK HAPPY

リーダーズの特典会からフロアに戻るとジーザス・ジョーンズみたいなカッコいい曲が流れていた。うっすらと名前に記憶がある程度で初見だったんですけどいやこれはカッコいい。後で知ったんですけど粋な踊り方してた男の人、菊地成孔さんだったんすね。クールでありつつ刺激的な歌詞(だったという記憶。覚えてないけど)とのマジカルな化学反応が身体を揺らします。ラストの〝フィジカル〟のカヴァー、良かったなぁ。

なみちえ

全くの初見。紡ぎ出されるメッセージはかなり力強く鋭い。その鋭さは自らの愚鈍さを告発されているかのようにも思えて申し訳なくなるくらい。ふと頭に浮かんだのはチャックDだったり。「おまえを逃す」という曲の誤読を予め誘い込むようなライムの破壊力よ。ニガす?ニガさない?

オーケンギャルド

大槻ケンヂという人が持つ独特のオーラというか空気感というか。そんなものが溢れている空間であり時間であった気がする。松永さんやオーケンさんの自由さを制御しようとする浜崎さんも美しいが、同時におおくぼけいさんが放つ妖しさにも目を奪われる。個人的には〝労働讃歌〟のスクワットに様々な感情が交差したのでした。

頭脳警察

わたしが学生の頃からその名前は伝説化していたがなかなか手が出ず今に至る。パーカッションのグルーヴ感が内なるエモーションを刺激する。と同時に70年代をルーツに持つ音楽はジャンルが違えど近似するというか。ふと彼らの仮想敵であろうフォークやニューミュージックと言われるものと重なる瞬間があるような気も。とか言うと怒られるのだろうか。投げつけるような革命的・反権力的メッセージの熱さは例えば80年代であれば素通りされていたと思われるが、この令和の時代においてはむしろ消費される対象ともなっているようで、それは実は革命が成立しているのではないか、とも感じてみたり。

絵恋ちゃん

いやこれは驚きましたよ。名前は知っていましたけど、あれ?なんか活動休止してませんでしたっけ?というのはともかくとして。この人はヤバいな、とそう感じました。何というか用法容量を守っていかないと身がもたないそんな危険なドラッグのような予感がします。生きづらさを感じる者たちへの愛とムチ。鬱フェスという事では最もその趣旨に合ったステージだったのではないでしょうか。コールや手拍子はもちろん所謂ヲタク文化から来るものではあるが、むしろそれよりも絵恋ちゃんとヲタク達の共犯関係を作り出す為の儀式のようだった。結婚をテーマにした歌で竿にくくりつけたブーケを「ほらほら欲しい?欲しいのか?」的にフロアに垂らし、ヲタクを弄ぶ姿は最高でした。ハマらないようにしようっと。

R指定

てっきりcreepy nutsの方かと思ってたらバンドなんだね。それにしても楽しませ方が分かっているというか、なるほど熱狂する人たちの気持ちも分かる。リフトが定番となっているらしい曲の時も「おらーおっさん達来いよ!前に!!」って煽っていて、で多分マユムラーと思しき人がしっかりリフトされていてなかなか良い光景だったと思う。昔バイトの後輩がやっていたビジュアル系バンドのライブを観に行った時のことを思い出す。あのバンド、まだ活動してるのかしら。

眉村ちあき

「鬱というより躁状態になっている事の方が多くて…」という彼女のステージは幕の上がる前からコールで盛り上がる。(何の曲だったっけ?忘れちゃった)〝peace of teeth〟で一度フロアをチルアウトさせながら、〝ナックルセンス〟で一気に会場の温度を上昇させるのはいつものこと。おそらくは初見の人たちをも引き込まれたに違いないと思えるのは〝おじさん〟で、確かに少し声は辛そうではあったけれど聴いている人の中で明らかに息を飲んでいるような空気が周りにも感じられたし、事実わたし自身も軽く鳥肌の立つような感覚があった。〝ビバカメ〟の導入部において「鬱になったときは訳の分からない言葉叫ぶと良いよ」と言いながら、女性の名前をコールさせて、それが予行演習になってるとこも割と好きだ。他の曲でも時々やるよね、このパターン。ラストは〝奇跡・神の子・天才犬〟でやらない訳ないと思ったらやりましたね神輿サーフ。f:id:mousoudance:20190909061355j:imagef:id:mousoudance:20190909061401j:imageそしてそのまま2階まで運ばれて(おそらくは眉村さん自身の指示だろうけど)いくあたりが流石という他なく。いつも通りフロア中を笑顔にしていくのでした。

 

さて勿論最後まで見届けようと思ってはいたが台風の影響もあり、後ろ髪を引かれる思いでその場を立ち去る。アーバンギャルドとコラボステージは電車の中でニコ生中継を確認。新しい学校のリーダーズは〝少女元年〟でダンサーとしてコラボ。嗚呼、これは現場で観ればよかった…。眉村さんのステージもスマホ画面で確認。

という事で初めての鬱フェス、終わりました。やはりフェスは色んな出会いがあって楽しい。大いに盛り下がりました。

 

〈余談〉眉村さんの物販の時に、担当氏が着ていたTシャツがリトルサンダーさんのイラストで思わず声かけてしまった。多分、早口で喋るおじさんにM氏も引いた事だと思います。すんません。でもリトルサンダーさんのイラスト、良いですよね!!