妄想徒然ダイアリー

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新しい令和のリーダーズ、かもしれない。12/7(土)『新しい学校のリーダーズ主催 令和元年度第九回はみ出しフェスティボー@渋谷cyclone』雑感。

改めてSUZUKAさんの昭和歌謡との相性の良さを強調するつもりもないけれど、こんな動画がアップしてされていて。

https://youtu.be/59bnq4wlGx8:「どうにもとまらない」by Klang Ruler/新しい学校のリーダーズ

いやSUZUKAさんやMIZYUさんのボーカルも勿論素晴らしいんだけど、コーラスが絶妙ですよね。こういう発見があるので対バンは楽しい。

という事で行ってきました。

『令和元年度第九回はみ出しフェスティボー』

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いきなり禍々しい絵が飾ってあってこれはSUZUKA…いやクリステル涼花作のようだ。そしてこれがTシャツになっていて物販で売ってる訳だけど、いや勿論買った。

入場するといつものようにDJ RINによるお出迎え。あれ?パーマかけた?うん、かわええ。山下達郎の「クリスマスイブ」が暮れの夕方に染みてくる。

そしていつものようにお習字が張り巡らされてる訳ですが…f:id:mousoudance:20191207213348j:imageん?撮影可だと????

と言いながらやはりLiveに夢中になってるとなかなか撮る隙もなくて。というよりこの日の渋谷cycloneはパンパンでなかなか身動きの取れない状態。OTA氏の指示でDJ RINより「入り口付近詰まってますので奥の方もう少し詰めてください」的アナウンスが。

そうこうしているうちにミッションチンポッシブルが登場。パロディポルノの邦題みたいな名前の人で勉強不足のわたしは初見だが、盛り上がる。

続いてMJの〝BAD〟にノッてSUZUKA…いやクリステル涼花が颯爽と現れる。f:id:mousoudance:20191208000607j:imagef:id:mousoudance:20191208001328j:imageふはは。カッコいいじゃねーか!!オープニングアクトというよりはこれから始まる『はみ出しフェスティボー』の開幕をアジテーションするかのようなアツさで宣言したかのようでもあった。

再び登場のチンポッシブルとお絵かき対決。確かテーマは「二千年後の人類」だったかな?f:id:mousoudance:20191208004201p:imageなんかディストピアを感じる絵だけど、「この頃には女性も男性も区別がないそんな世界になってる」という彼女なりのユートピア観の現れである事がわかって少しドキリとさせられたり。

Klang Ruler

スタートに何度か曲を止めるようなトラブル。何やら機材を調整しながら2度ほどそんな事があって、よく原因は判らなかったけどなんかギターの人がやらかしてた感はありつつ始まったステージだけど、いや良かった。こういうジャンルです、と上手く表現できるボキャブラリーも知識もないが独特の化学反応が産み出すグッドミュージック、とでも申しましょうか。元々男女ボーカルのグループが好物というところもあって結構気になる存在になりそう。ちょうどわたしの位置からは蜂須賀桜さんが視界の中心となっていて彼女の持つゆったりとしつつも芯があるというかどこか凛とした美しさを感じるところに落ちそうになる。

リーダーズとのコラボはもちろん〝どうにもとまらない〟で、いやーカッコよかった!!!どこを切っても褒めるところしか出てこない金太郎飴状態だが、敢えていうなら「あーああーあー」というコーラスがツボです。yonkeyさんの声がまた良いのよ。不思議な揺らぎを持つ波長が心地よい。

そしてリーダーズちゃん達の踊りも当たり前のように素晴らしい。リズムやメロディに合わせてガッガッガッと動く身体、特に頭のアイソレーションのキレの良さ。控えめに言って最高でしたね。

ピラミッドス

頭にピラミッドの被り物をして出てきた時の良い意味でのおふざけ感が個人的には好印象。そのままディーボみたいに被ったままやるのかと思ったらあっさりと外すあたりも良い。

オリエンタル、エキゾチック…そういった言葉が浮かぶが、そういったある種の特殊なジャンルをやっているという事に気負いを感じないサラリとしたスタンスがまた良い。

そして茶番。ベタな転校生ネタやエアポールダンスなどの茶番は楽しく、こういうユーモアのセンスはどこか懐かしくもある。

こうしたコントの流れやクラリネットおじさんがフロアに降りてきたり…といった部分には、一見わたし達に馴染みのないジャンルにすっと入り込めるという効果があってホント初見だったけど楽しめました。

最後は静かに去りまーす、とゆっくりとしたパントマイム的動きで消えていきスクリーンも一旦降りたのだが、そこへリーダーズが登場。

「ピラミッドスパイセンともコラボを!」という訳で全員でピラミッドを。せっかくなので写真を、と思いましたがなかなか上手く撮れず…。f:id:mousoudance:20191208070242j:image全体撮れてないじゃん!

新しい学校のリーダーズ

転換時間の間にも人は増えていったようにも思えてほとんど身動きは取れないくらいに埋まっている。

冒頭のあたりは記憶が飛んでいる。赤い照明の中4人が出てきたような気がするがそれは幻ではなくて本当の出来事だよね。身動きが取れない中でも可能な限り身体を揺らし手を振り上げて彼女達のステージから放たれるエモーションの塊のようなものを浴びる。時折ステージのメンバーがほとんど見えないような時間があっても同じ時間を共有している事でLIVEに参加している歓びを感じる。

〝透明ボーイ〟の始まり方、何度体験しても、好き。パンパンのフロアで盆踊り的に手が振られている様はまさに祝祭の空間であって、自然とアドレナリンが分泌されていく感じが自分でも判る。ケミカルなんて必要ない、これぞまさに合法な快楽。

新曲の〝ケセラセラ〟がまた良くてですね。スタンドマイク4本並べて激しい踊りは控えめだけど、シティポップ感が素晴らしい。yonkey作詞作曲とな??崎山くんだったりこういう才能を共犯関係に巻き込んでいくところ信用できる。

この日も色んな発見があって、どの曲だったかな、MIZYUさんが忍者の立て膝みたいな感じでステージ中央にいて、肩で息をしながらじっとしている場面が脳裏に焼きついている。あれカッコよかった。

KANONさんの髪振り乱しながらオタ芸っぽい動きするのは〝席替えガットゥーゾ〟だったかな?あれって連獅子みたいでもあるし、そう思えば音が止まってダンッ!ダンッ!ってビートに合わせて動くところは歌舞伎の見栄切ってるのに近いのでは、と思ってもみたりして。もしかしたら何度も同じ場面観ているかもしれないし、同じような事言ってたかもしれないけど、まあ彼女達のパフォーマンスを観る度に色んな気持ちで衝撃を受けるという事で。

〝オトナブルー〟での昭和歌謡グルーヴは最早お手の物という印象すらあってSUZUKAさんのユーモア溢れる中にも揺らがない強さを持つ歌唱がたまりませんね。ハッ!

〝エンドレス青春〟から〝迷えば尊し〟はもう間違いのない流れ。ラップ部分ではクラングルーラー、ピラミッドスというコール&レスポンスも取り入れて、あれがアドリブだったのかどうかは判らないけど今宵の宴を讃えるような高揚感があってとても良かった。そして、〝迷えば…〟で掲げられた多くの手はこの日もエモーショナルな空間を作り出す。ちょっと思い出すだけでも目尻に水滴が。

アンコールでは〝学校行けやぁ゛〟を。SUZUKA Tシャツを着ての登場。タボっとした着こなしがかわええ。写真ちゃんと撮れてないけど一応。

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という事で今回も楽しかった。ピラミッドスパイセンはひと世代くらい上のような感じだけど、クラングルーラーパイセンは同世代のように見える。

さっきの楽曲提供の話じゃないけどそういう同世代との共犯関係が増えていくのは良いですね。もはや音楽シーンと言われるものはないかもしれないし、いわゆるムーブメントのようなものはもう起きないというような事はよく言われている。しかし、それを言ってるのは昭和や平成の人間だ。これからの世代はそんな事、露ほど思っていないだろう。

もしかしたら今夜、渋谷サイクロンに集まった表現者達(ミッション・チンポッシブル含めて)は令和時代の新しいリーダーズになるのかもしれない。なんかそんな事をふと思う夜なのでした。

あ。ちなみにゲットしたお習字は終演後のトイレで見つけた「出し切れ!」です。