妄想徒然ダイアリー

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魔法が解けても〜泣く資格なんてないけれど。『12/28(土)BILLIE IDLE ®︎ TOUR LAST ORGY 東京@マイナビBLITZ赤坂』雑感。

短いヲタクライフの中で、推していたグループが解散したという経験は今までにない。ただし、グループの有り様の大きな変化に自分の心がついていけなくなり、パタリと気持ちが途絶えてしまった事はある。

そういう「終わり方」に比べれば色んな状況、背景はあるにせよハッキリと解散という形の終わりと始まりを見せられる方がヲタクにとっては幸せなのかもしれない。

という事で行ってきましたよ。

BILLIE IDLE ®︎ TOUR LAST ORGY 東京

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とはいうものの。3ヶ月前に突然ハマったわたしと長年追い続けたひとたちとの間では、当然思い入れ度に違いはある。わたしにとってBILLIE IDLE ®︎は始まったばかりで「バカヤロー、まだ終わっちゃいねーよ!!!」という気分であり、初めて触れる音源や映像のひとつひとつが新鮮で楽しくて仕方がない。おそらく誰もが通る道だろう。対バンを2度ほどしか体験していないわたしにとっては、初のワンマンを楽しむ気持ちの方が強く、ここ赤坂に集まってきた多くのヲタク達とは違う意味で終わってしまう事を受け入れられない状態と言えるかもしれない。そして、目の前の光景をもれなく網膜に焼き付けるつもりで赤坂に向かったのです。赤坂BLITZってもしかしたらスーパーカーのLIVE観て以来かもしれない。20年ぶりか。はー。

普段のワンマンがどうなのかはわからないけど、客入れ曲は彼女たちのレパートリーが流れていてそれもまたグッと気持ちが盛り上がる。

〝LAST ORGY〟から始まるセトリは気負い過ぎないようなラインナップと言って良いのではないか。例えば〝エンドロール〟とか〝ラストソング〟とかズバリ終わりをイメージさせるような曲を入れず、普段通りのBILLIE IDLE の姿を観せてくれているようにわたしには思えた。

もちろん〝どうせ消えてしまう…〟が作り出すエモーショナルな風景とか〝エブリデイズ〟で感極まるウイカさんとか観ていれば涙腺は緩む。しかし全体的には湿っぽさを可能な限り感じさせないようにしているように思えた。特にハマったばかりのわたしにとっては、これからも彼女達のステージをもっともっともっともっと観たくなる気持ちの方が強くなった。

しかし、それがまた却って終わってしまう事実を強調しているようにも思えてくる。明日もまたLIVEがあるような気がして、次の現場はどこかしら、などと思っていたりする。でも目の前の光景は今宵限りの二度と観られない風景だという事実は変わらない。BILLIE IDLE ®︎は終わるのだ。

パンパンのBLITZは後方は身動き取れないほどだったけど、左右前後の皆様も丁度よい盛り上がり方で実に快適かつ盛り上がる空間だった。身体がぶつかる事もあったけど、不快感は全くない。〝MY WAY〟とかで起きる突進するケチャ?ですか、ヲタク達のアツイ思いに釣られるようにしてわたしも気がつけば前方に運ばれていた。それと、もうどの曲がどうだったかわからないけど、手を振り上げる振りを一緒にやっていると、もちろんわたしとステージには距離があるわけだけれども、一瞬その距離が縮まるような…ちょっと今からキモい事言いますよ手を繋いでいるような錯覚に落ちていた。

本編ラストは〝anarchy in the music scene 〟というのもサッパリ風味で良い。フロアも二階も右も左もしっかりと睨みをきかせてからの爆発するようなウイカさんの笑顔も観られて満足。この前の新宿LOFTで観たときは少し慈悲深い笑顔のように見えた(それはそれでこみ上げるものがあった)けど、この夜はいつものようにしっかり睨んでいた気がします。

アンコールは〝大きな玉ねぎの下で〟で、何とも複雑な気持ちになる。結局、彼女達は武道館に立てなかった。その目標がどれだけ彼女たちのモチベーションになっていたかはわたしには判らないが、その事実をまざまざと突きつけられたような気持ちにもなる。わたし達は「まだ出来る!これからじゃないか!」と思ってしまう。でも、あらゆる状況が彼女達の解散というゴールを生んでしまった。このアンコール一曲目は彼女達なりの解散への答えかもしれない。これが現実だという寂しさと同時に「まだ終わってねぇんだよ!武道館立ってねぇじゃねーか!」という宣言にも聞こえて。

ダブルアンコールは本編と合わせて2度目の〝MY WAY〟で、これが本当に最後の曲となった。フロア全体がこの曲が最後であることを意識するかのような盛り上がり方だった。ここは流石にエモーショナルがダダ漏れする時間だった。

嗚呼、終わってしまう。終わってしまうのか?本当に???

そしてBILLIE IDLE ®︎はエンディングを迎えた。力強い終わり方だったと思う。彼女達らしい、と断言できるほどの経験値はわたしにはない。でもとても良い幕引きではなかっただろうか。

ポケットに入っていた銀テープを改めて見てみる。金色のテープには「forever 」そして銀色のテープにはこう記してある。

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