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GOP、GOD、GOT【映画】『ロング・ショット』雑感。

それにしてもMCUゲーム・オブ・スローンズが現代アメリカカルチャーの必須科目になっている事を改めて感じる。

ま、3話くらいで挫折したままなんだけどGOTは…。

という事で観てきました。

『ロング・ショット』

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予告編→YouTube

いやー面白かった!!!

下ネタオンパレードで展開していくストーリーでありながら、ロマンティック・コメディのフォーマットをきちんと踏襲しているし、最後には、その下ネタそのものが最高のオチとして機能しているところは痛快ですらあった。

女性優位の格差恋愛モノという点では目新しい訳ではないが、過去の作品との違いは、そこに透けて見える差別意識を提示しているところにはなると思う。

それを殊更に声高に主張している訳でもないけれど、例えば〝女性の敵は女性〟的な立ち位置にいたテレビの女性キャスターが最終的には爆発していく姿などを見ると、なるほどいつまでたっても男はクソだな、と自戒を込めて思ったりもする。コーヒーカップくらいで済んで良かったですよ。

それはともかくとして、そういった要素を嫌味なく成立させているのもシャリーズ・セロンの存在抜きには語れない。上手く言えないけど、これがニコール・キッドマンだと話が変わってくるような気がする。いやニコール好きだけどね。

序盤のキリリとした姿も恋に落ちていく姿もブッ飛んでる姿も全てがカッコよくて可愛い。こういうキャラクターをバランス良く演じられるのは素晴らしいですね。

セス・ローゲンの欠陥がありつつもどこか憎めないキャラクターはいかんなく発揮されていて、この作品内でのフレッドはいってみれば〝ヒロイン〟的立ち位置にいる訳だけど、まあでもセス・ローゲン、普通にカッコいいからな。パーティー会場でタキシードビシッと決めた姿なんか普通にイケメンだし。いや、笑わされてそして泣かされましたわ。

2人が恋に落ちていく過程の中でMCUゲーム・オブ・スローンズが話題に上がったりしていたけど、その中で『原始のマン』が混じっていたの最高だった。ほとんど内容も覚えてないけど懐かしい映画。しかし、Encino Manを原始のマンって邦題にしたのは本当素晴らしいよね。

主役2人はもちろん、脇役キャラ達も印象的でそういうところも作品成功の成否に関わってくる。どんなモノでもそうだろうけど、特にコメディにおいては主人公を取り巻くキャラクター達がどれだけ魅力的であるかにかかっている。

そういう意味ではこの作品は完璧と言ってもいい。役の大小、セリフの多寡に関わらず画面に映る人達がみんな(憎まれ役も含めて)印象的に記憶に残る。

アンディ・サーキスも相変わらず素顔が出てこない感じでありながら、良い味出していたし、〝ヒロイン〟の友人役として叱咤激励してその背中を押していたランスのオシェア・ジャクソン・Jr.も良いコメディリリーフぶりだった。「この人なんの作品で観たんだっけ。アイス・キューブそっくりな顔」と思っていたら、そうだよ『ストレイト・アウタ・コンプトン』でアイス・キューブ役やった人じゃん!てか息子じゃん!!

フレッドとランスがケンカになる場面でランスが行った告白のシーンは、笑えるとともに考えさせられもする大事な所で、主義主張が異なる相手と親友のままでいられるのか、というテーマすら浮かんできたり。

ラストシーンまで活躍するランスにご注目下さい。「◯◯、フォーエバー!!」て!

という事で、とにかく笑えてなんだったら泣ける、そんなロマンティック・コメディの快作です!でも下ネタは想像しているよりもド下ネタなのでその点はご注意を。