妄想徒然ダイアリー

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いま、そこにある希望。『新しい学校のリーダーズ/崎山蒼志 男女比一対四@高円寺HIGH』雑感。

思いのほか街中や電車でマスクをつけている人は多くない。今の状況がどれくらいの絶望感を持つべきなのか、或いはもっと楽観視できる程度なのか…そんな事はよくわからないので、目の前のひとつひとつを現実的に処理して生きていくしかない。

ということで行ってきました。

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『男女比一対四』

事前物販はやや開始が遅れ気味で、待っているとRINちゃんが入り口にお習字を貼りに出てきたのが遠目に見えた。

事前物販もまろやかに終えて、しばし駅前の居酒屋でエナジーを補充しながら開演時間を待つ。

いつものように入り口から階段フロア内のあちこちにお習字が貼ってある。

f:id:mousoudance:20200202063716j:imagef:id:mousoudance:20200202063723j:image撮れたのこれだけ…。

高円寺HIGHは初めて来たけど、ステージが高くて良いですね。今回はDJ RINによるお出迎えはなくて、HIPHOPが流れている。どこかボムスクワッドぽいというか、かと言ってPublic Enemyのハードさとは違うなと思ってたらLeaders of the New School ですと???ふふふ、思わぬ所に元ネタがあったのか。

 

崎山蒼志

いやー最高でした。最高でしたよ。フェスで何度か観てその才能には触れていたけれども、この夜は特に素晴らしいアクトでした。

曲を聴いてすぐにタイトルが浮かぶほど知識がないけれど、そんな事は関係なく溢れ出る才能を浴びてノックアウトされた。

例えばギターをかき鳴らすその指の運びだけでも白飯が5杯はいけるようで、実際わたしは多くの時間、彼の左手の動きに視線を集中させていた。ステージの中央からほぼ立ち位置を変えず、頭を揺らしながら歌うその姿を観ていると、未来は明るいのかもしれないとそう思わざるを得ない。

終盤に演った〝国〟は出色で、彼らの世代がこれから新しい時代を作っていくんだな、というのを実感する。

時を止める 僕らだけの

幸せそうな国をつくろう

かつて流した涙も忘れるくらいの

気がつけばわたしも老害と言われても反論出来ない年代になってきて、例えばポリティカルな事柄を避けるようにしてここまで生きてきた事を振り返りつつ、今の状況(をどう評価する事とは別に)を産んだ責任と無責任を突きつけられたような気持ちになった。

だから「僕ら」の中に多分わたしはいない。新しくできる国は、わたしの国ではない。でもそれは決してネガティブな気分ではなくて、これから彼やリーダーズのような世代が時代を築いていくんだな、というそんな希望のようなものすら感じた気がするのです。

いやほんと素晴らしいステージでした。

 

そんな崎山くんの素晴らしいステージが終わり、その余韻に浸っているとフロアにフリースタイルな感じでラップが流れてくる。SUZUKAちゃんだ。ありがとう→オリガトウ→オリゴ糖といったデタラメと言えばデタラメなライムだけど妙に高揚感を与えてくるのは、これもまた才能だと思いながら身体を揺らしていると、リーダーズ達がぞろぞろと現れる。

TVKの関内デビルのレポートスタイルで現れた4人の小芝居が楽しい。KANONちゃんがもっているカメラはティッシュ箱で作られていて、MIZYUちゃんのガンマイクもお手製に見える。テレビのコーナーではレポート役のRINちゃんは今回AD役に回り、SUZUKAちゃんがレポート&ディレクター役のようだ…ってこんな細かい描写必要かどうかわからないけど。

崎山くんを呼び入れてのインタビュー。KANONカメラの距離感のおかしさとか色々微笑ましい場面もありながら、『楽園にて、わたし地獄』の作詞について訊かれた崎山くんの「えーと…メロディを先に頂いてそれに詩を付けていく作業も初めてだったんですけど…和室で書きました!」という一言が脳裏に焼きついております。

 

新しい学校のリーダーズ

今回はKlangRulerによるバンドセット!!いやバンドセットはやはり良いですね。否が応でも期待が盛り上がる。そして結論から言うと期待通り、いや期待以上に素晴らしかった。リーダーズのステージは撮影可だったんだけど、結局スマホ取り出すのももったいなく一瞬一瞬を網膜に捉えるので精一杯なほど。

ベースとギターが産み出すグルーヴ、そして何よりキレのあるスネアの音が4人の動きとシンクロした時のカタルシスたるや!!!!!

開幕の〝席替ガットゥーゾ〟から〝最終人類〟の流れでもう脳汁飛び散って、パンパンのフロアで大きく動けないが、身体中の血液は沸騰していたと思う。KANONちゃんのクルクルと輝く表情が良い。もうすでにメンバー汗かいてるんじゃないかというアツさが伝わり、嗚呼今日のステージも素晴らしいものになるな、と確信する。

〝最終人類〟のさ、間奏のところのンパッンパッパンッパンッパのところ(すみません。わたしにはそう聴こえるのです)の踊りも相変わらずハード&キュートで素晴らしい。特にMIZYUちゃんの表情の変化がツボ。

〝まさ毛カンナヴァーロ〟はコミカルな歌詞なんだけど、いやーそれがカッコよくなるから不思議。SUZUKA煽りによってフロア中がまさ毛状態になったのも楽しかった。

〝オトナブルー〟はLIVEで観るのは何度目だろうか。彼女達と昭和歌謡との親和性は異常だし、バンドセットでグルーヴ度もマシマシ。この曲はSUZUKAちゃんのメインボーカルも良いんだけどMIZYUちゃんの声も良いんですよねぇ…。

そして崎山パイセンを迎えての〝楽園にて、わたし地獄〟はもう…。最高過ぎでしょ!!SUZUKA &RINコンビのバックダンサーの動きは好きすぎるし、崎山さん入れて5人で肩組んでるのグッときたなぁ。新しい時代を担う若者達の姿を見た気がする。

f:id:mousoudance:20200202080848j:imageLIVE中に唯一撮った写真は崖。

〝恋ゲバ〟からラスト〝迷えば尊し〟までの疾走するような時間は、ホントあっという間で一瞬であると同時に濃密で激しいアツイ時間でもあった。

LIVEを観るたびに、フロアの盛り上げ方も堂に入ってきたように思うんですがどうですかね。バンドメンバー紹介の後にわたし達フロアに向かって「あなた達もメンバーなんですよ!!」と言う通りにフロア全体を巻き込んで、共犯関係にしていくパワーを感じるのですよ。

4文字熟語のコール&レスポンスから始まった〝試験前夜〟はとにかく素晴らしいのだけれども、最後のショットガンシークエンスではドラムのダンダンダンダン!と4人の動きがシンクロしていて、あそこはチビりそうになった。

〝透明ボーイ〟はステージのどこを観ていいのか判らないほど見所だらけなので毎回困るのですが、RINちゃんの少し抑えたようなヴォーカルも良いし、MIZYU&KANONの盆踊りも好き。てか全部好き。

エンドレス青春ラップから〝迷えば尊し〟の流れは、最早揺るがないそのアンセム感。この時だったか別のMCだったか記憶が曖昧になってるけど、SUZUKAちゃんの「今、ここ高円寺HIGHで挙げてる手が、いつか別な場所へ繋がっていくと思います!!(意訳)」的な事を言っていて、具体的な目標ではなかったけどこれからもっともっと大きくなるぜ、という宣言にも思えてハートに突き刺さりました。

アンコールで出てきたリーダーズ達は新グッズの四次関数Tシャツを着ていて、シャツインのスタイルが控えめにいって可愛かったですね。

〝学校行けやあ゛〟は本編でのアツさを少しチルアウトさせながらもその興奮をキープさせる保温効果もあって、爽やかで清々しいエンディングだった。

崎山パイセン同様、新しい学校のリーダーズがまさに新時代の主役として存在するような未来、そんな希望をおそらくは彼女達も感じ取ったのではないか。

特典会の時に主に4人は時折ビートに乗せてラップをしていてSUZUKAちゃんが「新しい時代がやってくるー」的な事を言っていたような気がするけどよく覚えてははいない。とにかく。いやーとても良いLIVEだったし、この夜がレジェンド扱いになる日もそれほど遠くない。

そして大事な事はただひとつ。f:id:mousoudance:20200202095541j:image