何となくそんな気分にもならずに映画館から遠ざかっていたけれど、何だか予約ページを確認してみたら予想以上にガラガラだったので。
という事で観てきました。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒BIRDS OF PREY』
予告編→https://youtu.be/KVwrtzAmTO4
とにかくマーゴット・ロビーの眩しい魅力に尽きる。彼女の持つキュートさとキレのあるアクションとフトした瞬間に見せる切なさがグッと胸を掴む。
と同時に今の時流と言えば時流なんだろうけどジェンダー・イシューの取り入れ方も上手く処理されていて、いや良かったですね。
ハーレイ・クイン、ブラック・キャナリー、レニー・モントーヤ、ハントレス、そしてカサンドラ・ケインという5人は、それぞれ抑圧や搾取或いは大きな喪失を抱えていて、そういった彼女たちの復讐譚としてのカタルシスもある。特にハントレスのエピソードは演じるメアリー・エリザベス・ヴィンステッドの存在感もあっただろうかタランティーノ感もあったりなかったり。あとはロージー・ペレス!いやー最初キャストに名前を見たときはロージー・ペレス?ミシェル・ロドリゲス姐さんの間違いじゃないのか?とか思ったりもしたけど、モントーヤ刑事の報われなさと搾取という現実をベテランらしい落ち着いた存在感で示すあたりは流石というところ。
ロージー・ペレスと言えばコレだよね。→https://youtu.be/739XYgoA-x8
或いはブラック・キャナリーがローマン・シオニスの元でがんじがらめになっている状態の哀しさとそこからの解放(emancipation )も心地よい。
チャド・スタエルスキが関わっているとの事で、なるほどアクション・シーンには『ジョン・ウィック』的なトリッキーな動きがある。マーゴット・ロビーの身体能力は『アイ、トーニャ』でのスケーティングで証明されているが、今作でも多くの部分を吹き替えなしで演っているんじゃないだろうか。ローラースケートでもアクションとか。分からんけど。
キャスティングはこれも最近の傾向ではあるけれど少しダイバーシティを意識し過ぎなんじゃないかという気もするけれど、それはともかくとしても彼女達の「やられてばかりもいられないんだよ、コッチも」という抜き差しならない感情はビシビシと伝わってくるし、だからという訳でもないけどクライマックスのバトルシーンには思わず涙出そうにすらなった。多分そんな必要ないんだろうけど。この曲も良かったです。→Heart - "Barracuda" (1977) - YouTube
多分20年前、いや10年前でも最後の最後にはきっと男性キャラが颯爽と現れて彼女達の窮地を救ったりする展開になっていたのではないか。というより今でもそういう作品は沢山あるだろう。もちろん全ての作品においてそういった〝是正〟が必要だとは思わないし、アファーマティブ・アクション的な取組が100%正しいという訳ではないが、それでもそういう抑圧からの〝サイコーな解放〟には喝采を送りたくなる。
まあとか何とか言いながら、詰まるところマーゴット・ロビーの愛くるしさにヤラレているだけでもあって、個人的なお気に入りは皆んなのマルゲリータをさっせと運んでくるシーンだったりするのですけど。