妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

わたし達が眉村さんをのぞく時、眉村さんもまたわたし達をのぞいている。4/27(月)『ちのてきこえん!第一回WEB編』雑感。

と思い込んでいるのはもちろんヲタクの特権でもあり、同時に悪いクセでもある。

わずか数ヶ月の間に世界はその姿を変えてしまっていて、以前の生活が戻るとも戻らないとも確信が持てないまま、それでもなんとなく世の中はそれに順応し始めているような気もしてくる。居酒屋で知らないおじさんが話している横で瓶ビールを飲んだり、満員の劇場で映画を観たり、そして人で一杯のライブ会場で汗だくになりながらLIVEを観たり、といった生活がもしかしたらノスタルジーの世界に成りかねないこの瀬戸際。いっそそれならそれでという諦観を自分の中に発見していたり…。

そんなタイミングでの眉村さんのオンラインLIVE。

『ちのてきこえん!第1回WEB編』

冒頭、足元カットから上へカメラがパンしていくと…

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パツキン!!!!

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「心がヤラレてるからギャルになった」

と眉村さん。セルフブリーチ&セルフカットらしい。

これがどれくらい前フリのあった展開なのか知らないけど少なくともわたしは驚いた。充分な出落ち効果はあったし、いや出落ちどころか実に魅力的ではありませんか!しばし、わたしはその髪型に目を奪われていた。

〝顔面ファラウェイ〟から始まったLIVEだったが、早々に音が止まる。すぐに再開するものの続く〝壁みてる〟の時も〝サイドスロー〟の時も音声トラブルなどがあって多少ドタバタはしていた。

ライブハウスで観客のいる状態であれば、フロアのリアクションなどがあったりするのだろう。その一連なやり取りも含めてLIVEだ、と言えるかもしれない。しかし、無観客の配信ライブなのでわたし達のリアクションは眉村さんには見えない。

「こんなに喋っているのに、何も聞こえない…」という彼女の呟き。

わたし達は眉村さんを見ている。しかし眉村さんからわたし達の姿は見えない。それでも、彼女はわたし達を見ようとしている。時折画面の端に映る壁に貼ってある紙片は、おそらくヲタク達の写真だろう。その写真を見つめる姿は単なるポーズではなく本気で画面の向こうにいるヲタク達をイメージしようとしている、と都合の良い解釈をしてみたりもする。

序盤の少なからずドタバタとした空気がスッと変わったのは〝チャーリー〟から。イントロの間にジッと内面を見つめるようにして歌い始めた時、わたしは心を一瞬で掴まれたような気がする。この〝チャーリー〟から〝わたしについてこいよ〟の流れでグッとこの日のライブのステージを10目盛は上げたと思う。

〝緑のハイヒール〟〝大丈夫〟久々の〝teeth of peace〟〝本気のラブソング〟などなど。様々な曲が身体の芯まで染みてくる。

ああ、〝書き下ろしの主題歌〟も良かったですね。

そして予想外に心に響いたのが〝ハゲ放題〟だった。何故響いたのか自分でも判らない。とてつもない眉村さんの慈愛を感じたのだろうか。とにかくちょっと泣きそうになった。

くどいようだけど、無観客LIVEなのでわたし達のリアクションは眉村さんには見えない。それでも彼女は何とかWi-Fi越しにわたし達との距離を縮めようとする。〝宇宙に行った副作用〟や〝ビバカメ〟といった曲ではこちらのリアクションを何とかその手で掴もうとする。思いついたように「無職!」とコールさせようとするのも彼女らしいインスピレーションの賜物のようで、こういうところは無条件で楽しい。

関係ないけどビバカメの「青い瞳にブロンドヘアーで」と歌うところで自分のパツキン髪を触ってその偶然に気づいてパッと笑顔になるところ、最高でしたね。

〝ナックルセンス〟の後の「この興奮の後にやってくる孤独…」という吐露には少なからずハッとさせられた。何度も言うようにわたし達は彼女の姿を観ている。歌う姿もそのキュートな踊りも。しかし、眉村さんからは見えていない。彼女は、そんなわたし達の姿を何とか見ようとしている。わたし達のリアクションをわたし達の笑顔をその手に掴もうとしている。そう、ひとりで。

今夜も君だけの為に踊るつもりで来たんだ

膝から崩れても腰から上で何とかしてよ

ギター1本でもギターがなくなっても歌ってみせるよ

〝私についてこいよ〟より

この日の眉村さんはフィジカル的にコンディションがバッチリであったかどうかは怪しい。何度か音程が不安定な場面もあった。もちろんそれが喜ばしいわけではないけれど、しかしわたしにとっては(少なくともこの夜については)それは大事な話ではなかった。

むしろそういった不安定さ=生(RAW)な状態は、今この時この一瞬の眉村さんそのものであり、つまりはそれが生(LIVE)ではないか。わたしはそう感じている。

小さなiPhoneの画面の中で踊る眉村さんの姿は、もちろん生身ではない。しかし、その姿はわたしの脳内で拡張されていく。いや、拡張して自らをWi-Fiの中へ飛び込ませるしかない。あたかも目の前にステージが広がっていると自分を錯覚させるしかない。それが現時点、いまこの時の(そして、もしかしたらこれから先の)LIVEのあり方だからだ。

つまり何が言いたいかっていうと、どんな瞬間をスクショしても眉村さんは可愛いなって事でした。

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