妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

心の中で「ラーメン!」と叫ぶ、わたし達は。12/14(月)眉村ちあき日本武道館LIVE「日本元気女歌手〜夢だけど夢じゃなかった〜」雑感。

過去、色んな人の武道館LIVEに参戦した事は何度かある。しかし今回はやはり過去のLIVE体験と比較しても身構え方が違ってくる。

もちろん、ついにこの舞台に!という感慨もあるが、どこかでまだ実感がない感覚もある。一年振りの眉村さんの現場ということで、気がつけば胸の奥がツンツンして変な緊張をしている自分を発見したりもする。

発売されたばかりのメジャー3rdアルバム『日本元気女歌手』も素晴らしく、眉村さんの中にある優しさや慈しみと同時に力強さのような逞しさがあって、あたかも狂い咲きハッピーロードとでも呼びたくなるものだったけれど、この武道館という舞台でそれがどのように昇華されていくのか、というワクワク気分で当日を迎えたのです。

f:id:mousoudance:20201214145251j:image

看板を目の当たりにすると、文字通り「夢だけど夢じゃなかった」感が増しますね。

なお、事前のアナウンスで撮影は禁止とのお達しがあった。正直わたしにとってはこれは朗報に近かった。いや勿論わたしにも一眼でこの貴重な空間を写真に収めたいという欲求はあった。と同時にファインダー越しに眉村さんを覗いて満足してて良いのか?と自問自答しており、スパッとカメラの事は諦める事ができたのは良かった。

当日のわたしのSNSのTLは♯日本元気女歌手が日本武道館というハッシュタグで溢れていた。遠征されている様子や物販列に並び看板を写真に撮るマユムラー各位が来るべきLIVEを前に興奮する様子が伝わってくる。わたしもそのひとりで武道館の看板を実際にみると心の奥がキュッとなった。しかし、まだ泣くには早い。

開場時間は少し押していた。これがもうメジャー感ですよ。入場してから場内には撮影禁止のプラカードや沢山の係員さんがウロウロと巡回していて、「間違いなく今、武道館に来ているな」というのを実感する。などと思っていたらあっという間に開演時間がやってきた。

細かいところは配信のアーカイブで確認したいところだが、今は観終わったばかりの記憶を頼りに綴っていきます。あやふやながらもセトリや演出にも触れていきます。

 

武道館の天井、こんなに高かったっけ?というのが「冒険隊〜森の勇者〜」が始まった時に思った事だった。緑のライトで表現された森という演出はクールかつ美しかった。この時点でライブのスケールの大きさが伝わってくる。言うまでもない事だけど、眉村さん武道館に負けていない。

一方では、序盤からトロッコ演出か?と思ったらお母さん登場でこういうところは実に、らしくて好きです。

あ、そうそう。眉村さんの衣装良かったですね。ジャンプスーツというのかペスターというのか不思議なカッコよさのあるスタイルで、彼女のダンスの動きを上手く増幅するような効果もあった気がする。

吊らされながら剣を振る姿も様になっていてちょっと炭治郎っぽく見えたり。

コールの出来ない「ナックルセンス」というのも中々にツライものがあるが、それを序盤に持ってきた事で今回のライブの楽しみ方への心構えが出来た気がする。立って踊る事も(実は出来た訳だが)コールする事も声援を送る事も出来ないが、今できる精一杯の手段でわたし達はこのライブを楽しむしかない。そして事実それが楽しくなるのが眉村さんのマジックでもある。

前半のハイライトのひとつは「夕顔バラード」だろうか。新しいアルバムの中でも出色のこの曲はこのライブでもかなり心揺さぶられた。「リアル不協和音」からの流れ(でしたよね?自信ない)もさることながら、8ミリフィルムを回しているかのようなチリチリとしたノイズとモノクロの画面、そしてそれがやがて色づく映像と伸びやかな歌声が最高だ。この日はあらゆる曲のあらゆる場面で眉村さんの高らかに鳴り響くボーカルが際立っていた。

場内換気を経てからの後半戦。青いワンピースに足元は例の赤いアレ。うん。かわいい。

出島へやったきた彼女はアコギで「顔面ファラウェイ」を弾き始める。このアレンジも中々良いね、と思っていたらあれ?「メソ・ポタ・ミア」??とそこからどんどん曲が入れ替わっていくメドレーへ。いや、あれはメドレーというレベルではなかった。次から次へと曲がシームレスに繋がっていく様にはギターをかき鳴らすその姿も相まって鬼気迫るものすら感じた。わたしの頭の中にはニール・ヤングという単語が浮かんでいる。

実際あれはどうなっていたのか。予め曲の順番をしっかり決めていたのか、それとも自動書記的に感覚でギターをかき鳴らし歌っていたのか。いずれにしても圧巻でしたね。

「本気のラブソング」で「最近、ハゲ触ってないなぁ…」と嘆きながら会場ひとりひとりの顔を見つめていく姿も何故かステージのバミリテープを剥がそうとしながら歌った「音楽と結婚ちよ」も良かったけれど、やはり感情を抑制しながら歌い上げた「Dear My Family」にはやられました。

気がついたらわたしは泣いていた。かもしれない。

「ビバ・青春・カメ・トマト」でトロッコに乗った眉村さんがわたしの前を通り過ぎて行った時のその眩しさも忘れ難いし、紅白のトリ感満載の「36.8℃」の雪の特効(一気に降り始めたかと思うと曲の終わりに向けてスゥーっと消えていくタイミングが素晴らしかった)や脚をブラブラさせながらの「やさいせいかつ」も最高だったけれど、この日わたしの心を震わせたのは本編最後だった。

最後の曲、「大丈夫」と告げられた時、これは文字通り鳥肌が立ったし自分でも想像してなかったほどに身体中のエモーションが沸き立つようだった。

この曲にまとわりついていた色々、そんなカサブタを剥がすようにして解き放ち、衒いなくストレートにわたし達へのエールとしてパフォーマンスする姿は堂々としていたし素晴らしかった。

ミュージカルパート(「夢だけど夢じゃなかった」最高!!!!!でしたね!!!!)やMCで言うように、彼女を取り巻く環境は刻一刻と変化していて、今回のライブのエンドクレジットを見ても判るように多くの人が関わり携わってこのステージがある。そういった社会の諸々を受け入れながらステージに立つ覚悟、みたいものがこの日の「大丈夫」にはあったように思う。

アンコールの演出も楽しく、ポップアップをおかわりして始まった「奇跡・神の子・天才犬」、そしてこの日は当然そうなるだろう〝朝起きても眉村ちあきのままでいる〟バージョンの「ピッコロ虫」も当然最高オブ最高でした。

この夜、ステージで飛び跳ねる眉村さんの姿を観ていると、そういう表現の場に立つ人のオーラというか、その権利を持つ者の凄みのようなモノすら感じた。武道館どころか東京ドーム、さいたまスーパーアリーナまで行ってしまって欲しい。そこでもきっと会場全体を巻き込んだコミュニケーションを取るだろうし、アリーナどころかスタンドにいる全員の目を間違いなく見つめてくる筈だ。と思いながら九段下の坂を下るのでした。

 

おまけ

「ピッコロ虫」で唐突に出てきたヒューマンサイン。わたし達はいつの間にかヒューマン教に入信していたようだけどどこかで見覚えのあると思ったらこれだった。

f:id:mousoudance:20201215083417j:image

2年前のあるイベントでこのサインは出されていた。ちなみにこの時は「心を落ち着かせ集中させる技法」だとおっしゃってたようです。