妄想徒然ダイアリー

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銅鑼の音が鳴るまでは。1/19(火)『10BABYMETAL BUDOKAN DOOMS DAY1』雑感。

もちろん色んな政治的思惑や業界内のパワーバランスによる駆け引きが絡んでいる事は前提として、それでも緊急事態宣言後に発せられたこの声明には強い意志とエンタメへの信頼が感じられて、心強い気持ちになった。

ライブイベント関連4団体が緊急事態宣言下での公演開催へ共同声明発表「強い決意でライブ産業を継承」 - 音楽ナタリー

何が正解なのかは自分にも判らないし、様々な感染リスクを避ける意志は当然あるのだが、それでも手元にチケットがあり公演が開催されるというアナウンスがある以上、参戦しないという選択肢はわたしにはなかった。2月の公演のチケットも取っているが、それこそこの先どうなるかなんて予想もつかない。観られる時に観ておく、というのも大事だと自分を言い聞かせているのかもしれない。自分勝手な思いと言えば否定出来ない。

それでも。

それでも、やはりわたしは武道館でBABYMETALを観る事に抗えなかった。

なんて事ぁどーでも良くなっていた!

と言う事が出来るなら良いんだけど、勿論どうでも良くはない。それは判ってるが、いざライブが始まってしまえば全てがブッ飛ぶに違いないという確信をもって武道館に向かった。

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入場まだの流れはチケット認証と検温、savior maskの配布、荷物検査、金属探知機、手指消毒…とこう書くと面倒なように感じるけど実際にはストレスフリーでサクサクと進んだ。

事前に座席番号も確認しているので諸々の心の準備が出来ているのも良い。

スタンドの2階やや後方寄りなので決して近い席ではないがそこは武道館、どこからでもステージがよく見える。おそらく私の席からステージまでは100m近くあるのかもしれない。だから3人の表情がハッキリと見える訳ではないか、それでも間違いなくBABYMETALは目の前のステージにいる。

一年前の幕張の時はアリーナでもっと近くで観ていたが、あれから世界はガラリと変わった。その変わった世界、2021年の今はLIVEがある、それをこの目で観ることが出来るという事実こそが尊いものになっている。だからモニターよりもステージで歌い踊る3人の姿を肉眼で捉えようとしていたような気がする。たとえ小さくても。

SU-METALが序盤で発した「みんなに会いたかったよー」というフレーズはとてもシンプルでありふれたものだったけれど、この夜に限って言えば凄く意味のあるメッセージで、それがわたしの心をグッと掴んでいた。

ベスト盤のようなセトリに隙はない。まさにBABYMETALの全てが詰まっていたようなパッケージで、武道館という立地を活かした演出も派手さと抑制の効いたギミックのバランスが程よい。スタンドから見下ろすと時折3人の姿が空に浮かんでいるようにも見える瞬間もあったように思う。

わたし達は声を上げる事は出来ない。ギュウギュウのピットで叫ぶ事をもモッシュで駆け回る事もできない。しかしそれでもわたし達は声にならない叫び声を上げていたし、サークルモッシュにも参加していた。少し変な事を言っているのかもしれない。でもSU-METALが手を広げたその先、武道館のアリーナには確かに大きな輪が出来ていたし、わたしはその中にいたのだ。安いラノベみたいな事を言ってしまっているが許して欲しい。本当にそう思ったのです。

もしかしたら2度と戻らないあの日あの時は、きっとこの日から始まる10のライブによって更新されていくのだろう。それがBABYMETALのニュースタンダードという事なのかもしれない。

最後に銅鑼の音が鳴ると同時に3人の姿がまるで夢だったようにパッと消え去った。その余韻を噛みしめながら九段下駅までの坂を下るわたしなのでした。

 

最後に個人メモを。セトリに触れます。

 

  • 3人目は百々子メタル。当面固定なのかしら。ストーンズロン・ウッド的な?
  • PAPAYA の祝祭感は相変わらず素晴らしくて誤解を恐れず言えばあらゆる厄災を吹き飛ばすような奉納のダンスのようにも感じたり。
  • ドキモのイントロ流れた時は思わず「お?おお?!」って声出しちゃいました。すみません。
  • STARLIGHTの時だったか、センターステージが青空にマッピングされてスモーク演出と相まって3人がまるで天空に浮かんでいるかのような感覚になる時間があった。派手すぎないレーザー演出とのバランスも良かった。
  • MOAMETALの凛とした横顔がモニターに映ってたのはどの場面だったかな。強い意志を感じる素晴らしい表情でした。
  • RORはもちろん全てが素晴らしいのだけれど、フラッグを広げた後にSU-METALがバサッとそれを脇に投げた場面、メチャクチャカッコ良かった。