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トーマスはピアノを弾く。【映画】『トムとジェリー』雑感。

子供心に再放送のトムとジェリーを観ながら「戦時中にこんなの作ってんだから勝てるわけ無いわな」と思っていたりしましたね。そして真ん中のエピソードが好きだったなぁ。

トムとジェリー

“トムジェリ”がついに実写の世界へ! 映画「トムとジェリー」日本オリジナル予告編解禁 - YouTube

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そんなトムとジェリーが映画化されると聴いても、「まあ、そうですか」くらいの気持ちでいたけれどクロエ・グレース・モレッツマイケル・ペーニャケン・チョンというキャスティングが魅力的だったし、予告編でトムジェリの姿がとても愛くるしくて。

だからまあ、トムジェリの「あなたたち、何年追いかけっこしてるの?」という言葉通りに相変わらずのスラップスティック・コメディを観ているだけで頬が緩んでくるし、テンプレから大きく外れていかないストーリー展開もそこが瑕疵だとは感じずに楽しめた。

それとキーボード担いでニューヨークにやってくるトムの姿、〝いつかはジョン・レジェンドと一緒に…〟と夢抱いている描写だけでちょっとグッときてしまう。そういう意味ではケイラも(そのやり口は如何なものかという気もするけど)チャンスを掴もうと足掻く若者のひとりで、その成長物語としても(気軽に観られるという意味において)上手くまとまっていたんじゃないだろうか。

あと現代的な味付けという意味で言うとジェンダーを巡るちょっとシニカルなセリフがあったり、そういう視点で観ればジェリーの性別がノンバイナリであるようにも思えたりもしないわけでもない。

クロエもマイケル・ペーニャもトムジェリに振り回されながらも存在感を発揮して良かったし、支配人もセレブふたりもドアマンもバーテンダーもベルガールもそれぞれがそれぞれの立ち位置を誠実に演じているようで好感が持てる。もう少しケン・チョンの暴れっぷりをみたかったような気もするけど、そこはトムジェリを引き立てるという事で控えめにしているという事なのか。

音楽も良かったですね。「お。ルー・リードか。ニューヨークだしね」と思ったらATCQの「Can I Kick it?」だったりして、でもそれはそれでカッコ良かった。あと10ccのなんかの曲をサンプリングした曲もあった気がするけどよくわからない。

登場人物たちはその時々でエキセントリックであったり対立していたりという面を見せながらも、最終的になんだかんだと大団円的に融和していくのも、まあ甘いと言えば甘いのだけれど、そこをどうこういうような作品でもないだろう。少なくともわたしは楽しめた。

ま、アレですよ猫がホテルのラウンジでピアノ弾いてても許容出来る世界というのも良いんじゃないですか?