妄想徒然ダイアリー

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上手く踊れなくても。フィロソフィーのダンス『Dance with Me TOUR 2021 東京公演 7/4(日)@Zepp Haneda TOKYO 』雑感。

もちろんワンマンLIVEへの気持ちの盛り上がりの中で目覚めた訳だけど、同時に曇天に少しだけダウナーになりながら都議選の投票に行ったりする。早めに会場に行って事前物販を済ませ一杯ひっかけて開場時間を待つ、という選択肢もあったけれど、この雨模様。開演までに到着すればいいかくらいの気持ちで自宅でダラダラとすごしてました。

という事で

フィロソフィーのダンス Dance with Me TOUR 2021

行ってきました。

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結論から言いますと。

いや、最高でしたね。

冒頭のMCから幕が上がり、〝ダンス・ウィズ・ミーのテーマ〟(後に曲名が明かされる)って感じの新曲でステージが始まる。このスタートから本編ラストまでが完成されたパッケージとしてよく出来ていて、「誰目線?」というツッコミを承知の上で言わせてもらえば、「フィロのス、またステージワンランク上げたな」という印象。

高い天井までから垂れる大きな赤い緞帳、電飾が施されたphilosophy no danceという大きなロゴマーク、背景の黒い大きな幕。照明やレーザー光線といった演出もバランスの良いケレンがある。ハルちゃんが後のMCで言っていたように「オープニングからひとつの世界を作り上げた(大意)」という感じだ。

セトリの構成(と言ってもいつも通りアドレナリンドバドバで刹那の喜びに浸っているので記憶が曖昧)もドンピシャという感じで、特に中盤のMCコーナーでわたし達は一旦着席したんだけど、その着席した状態からアコースティックコーナーへ流れていく構成は見事だった。

以下いくつか曲名にも触れています。

 

 

椅子に座って歌われたアコースティックバージョンの「なんで?」と「ヒューリスティック・シティ」のしっとり感は4人のボーカルとコーラスも身体に沁みてくるし、ほんとにFNS歌謡祭に呼んで頂きたいくらいで、嗚呼…良いなぁ…なんて思っているとハルちゃんの煽りで「フォーカス」が始まる。ここ、凄くアガりました。

そこからのアゲアゲチューンの流れは本編ラストまで続いて気がつけばわたしは汗だくになっていた。勿論、かつてのスタンディングのライブハウスの時のようには踊れない。50㎝四方の範囲で身体を揺らすくらいしか出来ない。それでも可能な限り手を振って身体を(小さく)揺らして、つまりそれは踊っていた訳で。少しエモい(キモい)事を言わせて貰えば、その時わたし達は確かにフィロのスと踊っていた、つまりdance with していたに違いない。「ダンス・ファウンダー」では肩を組まなくてもわたし達はラインダンスをしていたし、「バイタル・テンプテーション」ではメンバーの煽りに合わせて心の中でイエイイエイ叫んでいたし、「ライブ・ライフ」で手を振り上げる時も、わたし達の声は多分ベスト4に届いていた(と信じたい)。

バンドセットは当たり前のように素晴らしい。ブンブン唸るベース、時に激しく時に繊細な音を奏でるギター、グルーヴ感増し増しのドラム、エモーショナルなキーボード、スパイスの効いたホーン。シームレスに曲がつながっていく感じも最高でしたね。そうそう。バンドメンバーを紹介した時にハルちゃんが「この素晴らしいバンドメンバーとわたし達ベスト4と今日来てくれたみんな」って言った時、なんか凄くグッと来ちゃったんですよ。ベスト4なんていつも言ってる筈なんですけど、この夜はいつにも増してその言葉が心を突いたというか。

新衣装について。ジャケットの画像で見ていたけれど実物はまた違う印象があって。奥津さんはフリフリも多く(本人としては「エチエチの衣装」とのこと)大人の雰囲気もある結婚式のお色直し感のある可愛らしさ、ハルちゃんはアリアナ感(と思ったら本人曰くビヨンセのイメージでした)のある感じでクールなカッコ良さとキュートさが溢れていたし、おとはすは「オタサーの姫を目指して」という事らしく、そんな中にもゴス要素も感じたり、あんぬちゃんは一見シックなパーティドレス(ティアラでプリンセス感もある)のように思えて実は後ろにデッカいリボンが付いている隠しきれないアイドル性、とそれぞれ個性が滲み出ているのがまた良い。

この日のハイライトは上げればキリがないけれど、あえていくつか挙げるとすれば奥津さんが時々スピーカーに足乗っけてる(ようにわたしの位置からは見えた)時のカッコ良さ、ハルちゃんがMCで言った「わたしが一生、みんなを幸せにするから」、どの曲だったかおとはすの髪が一瞬乱れて前髪が顔の半分を隠した一瞬、あんぬちゃんが「今日はひとりひとりの顔を見るから」と宣言して実際にあちこち視線を送っていた事(わたしは中央後ろ寄りの席だったが、「すききらいアンチノミー」で目が合った、と信じる事にしている)などなど。

「オプティミスティック・ラブ」は曲名通りにいつも多幸感でいっぱいだ。脳内でなんかの物質が分泌されているのが判るくらいハッピーに包まれ、そのままエンディングへと流れ込む。

さて、「ドント・ストップ・ザ・ダンス」で締め括られた本編は、それだけでも満足できる綺麗に決まったエンディングだった。これで終わりでも良いと思うくらい決まった着地だったと思う。

アンコールはどちらかというと曲付きのカーテンコールに近いもののように思えた。初披露された新曲「ダブル・スタンダード」はファンクっぽくもあるし、ポップなところもあって不思議な感じが良い。途中ワウペダルを使ったチャカポコしたギターの音色が聴こえた気がするが気のせいだろうか。これだけで白飯お代わりいけちゃう感じ。そして「シスター」で泣き崩れるおとはすという伝統芸を締めにして大きな赤い幕は閉じていった。まさにショービズの世界。赤い幕が開いている間の幻だったのかもしれない。なんて。

楽しいアフタートークショーの後に会場を去り、お見送り会?何それおいしいの?状態のわたしは乗り換えのために蒲田の商店街を歩いていた。20時を過ぎていた繁華街は暗く、勿論一杯ひっかけて帰る事は出来ない。しかし、わたしは爽快な気分だった。小雨に濡れて歩いていたけれど、それも心地よかった。まあつまりは、それがライブ・ライフって事すかね。