妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

回る鏡の光る中、今日もウチらはステージに立つ。Perfume LIVE 2022 [polygon wave]1/10(月)&1/15(土)@ぴあアリーナMM 雑感。

12月には久々に旅行に行ったり、忘年会と称してプチ飲み会に参加したりと少し気分も緩んでいたが、年明け早々にまた状況は変化し、わたし達は道標を見失いそうになっている。

f:id:mousoudance:20220110154808j:image

Perfume LIVE 2022 [polygon wave]

8月に参戦したこのライブ。再演ツアーという事でほぼセトリも演出も大きく変わらない事は予想できるし、アマプラで配信も始まっている。

しかしそれでもわたしは参戦することにした。

1/10(月)成人の日であるこの日はあちこちで色んな現場があった。眉村さんとでんぱ組のツーマンやハルちゃんの生誕LIVE、そしてその他にも様々なジャンルの現場があった事だろう。しかし、身体はひとつしかない。そしてわたしの選んだ現場はここだった。

この日はA席で2階スタンドの右側。8月が左側のだったのでちょうど逆サイドの景色を見ることになる。8月の時がやや斜めだったのに比べると真横からの角度になっていて、出島ステージが近い。その分、ステージ上の演出を体感するにはやや難がありといえなくもないが、3人の姿はよく見える。

そして1/15(土)はSS席が当選したので正面(Lサイド寄り)の3階スタンド後方。3人の姿は遠くなったけれど、ステージの演出が良く観ることができる。これまでの2回とは全く別のライブ体験になった。

わたしがPerfumeのライブに初めて参加したのはJPNツアーで、その頃から光とそれが作り出す影に魅入られてきた。それから何度かライブを観てきたけれど、回を重ねる毎にどんどんと最高が更新されてきた。もちろん、今回もその例外にはならない。

開園前の手拍子もいつも通りだ。最後の影ナレから大きくなる手拍子、そして暗転からモニターに映し出される3人のデジタル映像で「嗚呼!Perfumeのライブが始まる」と気分が高揚していく。

8月にはいきなりPerfume以外の人間がステージに登場することに少なからず驚きもあったが、そんなイレブンプレイ・チームの活躍は今回のライブにおいて(もしかしたら今後においても)欠くことのできない重要なファクターとなっている。冒頭の不自然なガールMV再現はもちろんのこと、「ポリゴンウェイヴ」のパフォーマンスには目を奪われた。

Perfumeについて語られる時、〝最新のテクノロジー〟というのがキーワードになる事が多い。特にライゾマティクスがチームに加わってからはデジタル技術の革新性がパブリック・イメージとして定着してきている。しかし、当たり前だがステージでパフォーマンスしているのは生身のPerfumeだ。3人の身体こそが最新のテクノロジーであって、デジタルの裏にあるアナログな身体性がなければPerfumeのステージにはならない。アナログとデジタルが絶妙なバランスで融合しているのが、チームPerfumeのユニークさを作り出している。

特に「ポリゴンウェイヴ」の演出は出色だった。Perfumeの3人と共にキューブや球体など様々な多面体のオブジェが登場し、縦横無尽にステージ上を移動している。デジタル映像とシンクロするオブジェの動きはプログラミングで制御されていると思いきや、生身の人間によるアナログな動きだ。8月の初見時にも驚かされたが、改めてじっくりみても素晴らしい。

「TOKYO GIRL 」の東京夜景映像は3階スタンドから観るとやはり全然違っていて、深度が増しているという表現が合っているか分からないけど、没入感と同時に不思議な浮遊感があって、馬鹿みたいな感想になるけど3人がホントに三角形のステージに立っているように見えた。

「マカロニ」もシンプルだけどとんでもない事をやってる演出のひとつ。影と光を操るチームPerfumeのある種の集大成と言いたいくらい。

基本的にセトリは初演と変わってないけれど、ポリゴンウェイヴの後だけ「アンドロイド&」に入れ替わっていて、いやこれがまたカッコいいんですよ。10日の時にはまだ曲を聴き込んでなくて曲名が直ぐに出てこない感じだったけれど、スリラー・リスペクトな踊りもよく見えていたし、15日には上からの視点で全体が見渡せて曲のカッコよさも倍増した体感。

そういったバッキバキのカッコよさと同時にユルサとの落差もまたPerfumeの魅力だ。MCやP.T.A.コーナーに全力で臨む事も大事な楽しみ方だ。この二日間ともあ〜ちゃん絶好調で、もちろん声出しは禁止されているのだけれど、思わず笑い声も溢れてしまう。Perfume(曲)の振り付け(ぐるぐるゆー)をやるところで「この曲、知らんじゃろ。家族しか知らん」というあたりにファン心をくすぐるあ〜ちゃんの凄みを感じたり。

終盤は踊りまくれないのがもどかしいくらいのアッパー系のセトリが続く。狭い座席で隣の人にぶつからないように注意しながら可能な限り身体を動かす。これまでの2階スタンド左右からの眺めと3階スタンド正面からの眺めの大きな違いを感じたのは「GLITTER 」だった。飛び交うレーザーを全身に浴びて、目の前に広がる景色はまるで2001年宇宙の旅』のスターゲイトのようであった。その光の集合の中にPerfume3人の姿があって、あの時わたしは軽くトンでいたと思う。このシーンだけで白飯5杯はイケる。それくらい2階スタンドと3階スタンドの景色は違うものだった。

「MY COLOR 」で締めくくられるライブはやはり良い。初めてあ〜ちゃん「一回しかやらんけぇね、良い?せーのッ!!」ってやられた時のインパクトは10年経っても色褪せない。Perfumeからのエンディングの挨拶をされているかのような高揚感と終わりゆくライブへの寂しさが入り混じり独特の感情が身体中を駆け巡る。

上から見ていると曲間で一瞬映像が途切れて素の真っ黒なステージが現れる瞬間がある。色鮮やかでクールな映像がフッと消えて現実が現れるというか、今目の前に広がっている光景のリアルとフィクションの境界線が歪むというか。そんな感覚があった。

最後のMCでのっちは言った。「わたし達のライブが明日からの皆さんの生きるヒントになれば」と。再び道標を求めているわたし達には心強い言葉だ。Perfumeのライブを観た時に感じるデトックス感。自分の中にある澱みのようなものがスーッと浄化されていく感覚がこの日もあった。「軽やかに柔軟に」これからの生活を生きていく意志のようなのが生まれたような気がする。

最後の曲を終えると3人は何もないステージを去っていく。暗がりの向こうへ歩むその背中を見送りながら、これが「未来へ歩く」という事なのかもしれないと思いながら、手先に魂を思いっきり込めて拍手をしていた。see you at next stage 出来ることを願いながら。

 

メモ

MCを中心とした印象的なシーンを。

10日

  • チケット争奪を巡る夫婦の一人芝居をするあ〜ちゃん
  • 高額チケットについての「ホンマね、マライヤ・キャリーか!来日か!言うて」というあ〜ちゃん
  • 「拍手とか適当にしとると、次チケット当たらんよ」
  • かしゆかはドラマBBA
  • 清原果耶はワシが育てた

15日

  • ステージ上のツアーロゴを使ったトラックアート的遊び
  • 内外内内について「もうね、内と外という表現がおかしいのはウチらもわかっとる」
  • P.T.A.コーナーの「ゆっきダルマ」からの「鏡餅」からのまさかのTSPS。「今、みんなが揺らしてるのはミカンです」
  • 「TOKYO GIRL 」で自分の鼻を突いたというあ〜ちゃん。「鼻、ある???って涙目になっとったんよ」