妄想徒然ダイアリー

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飼い慣らせ、5歳児を。『6/2(金)眉村ちあき全国ツアーCHIAKI MAYUMURA Tour”ima”@Zepp羽田』雑感。

ツアー初日の横浜以来、3ヶ月ぶりとなる。せっかくなので広島にも遠征に行きたかったけれど、結局この羽田まで眉村さんのLIVEに行っていない状態。その他、ラジオやインスタLIVEなども視聴するタイミングを逃していて、色んな情報に出遅れている。

そういう意味ではハングリー状態、眉村さんを身体が渇望している状態とも言える。眉村さんのLIVEを全身で、ありのまま受け止めようではないか、という気持ちでこの日を迎える。

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仕事を早々に切り上げ、現着する。風が強い。チケットが飛ばされそうだ。割と良い整理番号だったので前方の席を確保できた。着席スタイルで椅子一個おきに座る形で、どうだろう、そういう意味では埋まっている、のかな?

アルバム「ima」の曲が客入れ曲としてリピートされているなか、開演を待つ。もしかしてimaの曲やらないという展開も眉村さんならありそうな気がしてくる。

 

いやー、最高でした。2時間眉村さんのパワーというかビゲストラブを浴びまくった感じです。脳汁出しまくって相変わらず記憶がなくなっているのでセトリの順番などは曖昧。

冒頭は確か『モヒート大魔王』だったと思うが自信がない。2曲目が『この朝を生きている』で、途中デスボイスで〝ゴートゥーヘル〟と言っていたのは覚えている。ここで、LIVEだなぁ、と思った。

もちろん眉村さんの作る曲自体も良いのだけれど、LIVEで更に魅力が発揮されるというか、印象がガラリと変わる。『寝かしつけろ』もそうだった。終盤のギターの激しさは、また新たな魅力があって思わずのけぞるようなカッコ良さがあった。それはまさにLIVEを体験している事の証であり、身体中の血液が沸き立つような興奮に繋がっている。『individual』や『悪役』で伸びやかに高らかに会場内に鳴り響く歌声に圧倒され、そのパワーを浴びようと自然と身体を預けている自分を発見したりもした。

かっこよさを上げればキリがない。『愛のほっぺ丼』からシームレスに『愛でられほっぺ』に繋がる展開は最高だった。或いは『なまらディスコ』から『東京留守番電話ップ』への流れ。髪を振り乱し、踊りまくる眉村さんを観ているだけで白飯5杯はイケる。眉村さんは踊りも素晴らしいのですよ。身体能力の高さを感じる動きはもちろん、魂の揺さぶりといった感じの激しさもまた心を撃つ。

『ナックルセンス』や『顔ドン』といった定番レパートリーの楽しさ(ここだけの話、ナックルセンスのヘドバンの時、軽くクラッときたのを告白しておきます。)はもちろん、わたしがアッと思ったのは『ピッコロ虫』や『大丈夫』だった。即興からの『ピッコロ虫』のカタルシスは相変わらずで脳汁バンバン出まくっていたし、『大丈夫』の盛り上がりも素晴らしいものだった。ここでLIVEが大団円を迎えても不思議じゃないくらいの感情の高まりがあった。しかし、今の眉村さんはここでは終わらない。まだまだLIVEは続いていく。この時、眉村さんのエンタメ度が更新されている事を実感した。わたしは、このツアー初日の横浜しか参加していない。だから途中でどんなLIVEが行われていたかを知らない。でも確実にステージがひとつ上がったな、という感覚がある。

『フリースタイルハンドメイド』での堂島孝平さん登場サプライズやイリュージョンコーナーで箱から出てくる眉村さん、そしてゲストダンサーの方々と楽しそうにステージで暴れている姿を観ていて、うっすらと既視感を感じていた。最後のカーテンコール的な場面で気がついた。エンタメ要素をこれでもかと詰め込んだ2時間、これはももクリではないか。

かつてのようにステージから客席に降りていくことはできない。クラウドサーフも記憶の彼方だ。でも、だからといって眉村さんのLIVEの魅力が下がった訳ではない。限られた条件の中で圧倒的才能と慈愛に満ちた眼差しと果てしないエンタメ魂でわたしたちの感情を揺さぶってくる。

ラストは我々のアンセム、『旧石器PIZZA』だ。曲に入る前に即興の歌を歌いながら、途中でタガを外したようにシャウトする場面があった。「あ。冷静にならなきゃ」と照れる眉村さんであったが、わたしはあのシャウトにこそ打ちのめされそうになった。まさにあの瞬間、脳内の5歳児が飛び出しそうになったような気がする。

そして目の前で歌い、踊る眉村さんを観ながら、「この人はLIVEがなければどうなるんだろう」という事を思ったりもした。わたし達は仕事がいやだ、と言いながらも明日になれば会社に行っている。アイロニックな言い方になるけど現実に逃避する事が出来る。

しかし、眉村さんはどうだ。夢のようで夢でない、そんな世界に身を捧げ今日も歌っていた。そして踊っていた。そうしなければ生きていけないからだ。今夜のステージを見ていつも以上にそんな事を感じたりもした。

わたしたちはその魂から溢れ出るパワーを浴びている。それをビゲストラブと言い換えてもいいが、その結果わたしたちは3センチ立方の箱の中に押し込まれていくのだった。愛すべき馬鹿野郎として。