妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

この1ストロークで私は生まれ変わる。『7/16(火)フィロソフィーのダンス/奥津マリリ生誕祭』@渋谷TSUTAYA O-WEST 雑感。

もちろん全ての十代が同じ歩幅で歩いている訳ではないし、彼には彼の、彼女には彼女のリズムやテンポがある。

しかし年齢を重ねるにつれてその歩幅や行き先はどんどんど変化し各々の居場所が変わってくる。そんな進学、就職、結婚…etc.というオーソドックスな〝人生の岐路〟を二十代半ば頃から誰しもが感じるようになる訳で…。

 

と言う事で行ってきましたよ!

奥津マリリ生誕祭。

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事前物販に並べたのは17時半過ぎ。最後尾はO-WESTの階段上まで伸びていた。とりあえずシークレット狙いでアクキーと新しいTシャツを買うのが目的だったのだが、なんと途中でアクキーが枯れたとのアナウンス!!残念だが仕方がない。アクキーは他のメンバーのバージョンもこれから公式グッズとして作ってくれるかな?

O-WESTはパンパン。スタッフ氏が再三「あと一歩、一歩前へ」とアナウンスしてくるが、もうこれ以上前へは行けませんというくらいに満杯。

客入れもいつもとは趣きが違いますね。聞き馴染みのない曲も多かったけど、CHARA椎名林檎などおそらく奥津さんの好きな曲なんだな、とぼんやりと聴いていた。しかし、これは単に好きな曲集めました、というセレクションではない事が後に判る。

3分ほど押していよいよスタート。

白い衣装で出てきた奥津さんは登場から眩しくて、オープニングからヲタクを仕留めに来てるな、という感じでフロアをゆっくり眺める。

〝バイバイよりも〟の彼女はいつも以上にセクシーで少なくともわたしはこのライブの間45回くらいは目が合ったような気がしているが、とにかく矢鱈とくちびるを舐める仕草をしていたような気がする。控えめにいってエチエチだったですよ、これは。(と思っていたらLiveの最後に本人が「これからは舌舐めずりを推していく」と発言していて、思わず「ほらね!」と言いそうになった)

昔30万で買ったという藍色のテレキャスを弾き始める彼女はチャットモンチーやバンド時代の曲、ソロ時代の曲などをバンドワゴンのメンバーと共に演奏していく。その姿は素直にカッコいい。「ギター弾いてる時、アゴ出ちゃうんだよね」という奥津さんの言葉は照れ隠しであると同時に、過去へのプライドも入り混じっていたように思う。

MCで彼女が語ったように、同世代の人間達や一緒にバンドをやっていたような仲間達は就職したり結婚したり、あるものは親になっていたり…と彼ら/彼女らなりに人生を歩んでいる。

そのどちらかだけが正しい訳でも失敗な訳でもなくて、それが各々の下した選択であって、つまりはそれが生きていくという事だ。

「わたしは歌う事を、踊る事を選んだ。そしてそれを続けていく」

一語一句は覚えていないが、奥津さんはこう語っていたように思う。そして、それを決断したきっかけとなる曲こそが彼女が最後に選んだチャットモンチーの〝サラバ青春〟だという。彼女の言う青春とはバンド時代の事なのかもしれない。あるいは若い頃に抱いていた甘酸っぱい夢のようなものの事かもしれない。はっきりした事は本人にしか分からないが、いずれにしても「甘えさせてくれる思い出」である過去を象徴するのがきっとこの曲なのだろう。

慈しみつつも、きちんと清算するかのような数分間。それは間違いなく、この日の白眉であった。

歌い出しの瞬間からグイだと引き込まれた。暗転した闇の中でスウーッと思いを込めるように深く息をしてイントロを爪弾くその瞬間の美しさ。やがてバンドとのアンサンブルで湧き上がる高揚感。歌う彼女の瞳は潤んでいたように思うし、時にその歌声が涙まじりであったというのはわたしの記憶違いだろうか。

そして訪れた最後の時、その1ストロークを愛おしむように大事に鳴らした後にステージを去っていく彼女の後ろ姿は颯爽としていた。その背中にわたし達は大きな拍手で応えた。

少し大げさな言い方をしてしまう事を許して欲しい。それがヲタクのヲタクたる所以だ。

まさにこの夜、奥津マリリは再び生誕した。彼女はこの夜、自ら産まれ直したのではないか。過去を慈しみ大事にしつつ、新たな自分を祝福する。そんな夜だったように思えて仕方がない。

その後に起きたアンコールは確かに奇妙な出来事ではあった。構成上、この後フィロのスの4人が出てくるだろう事は自明だったし、奥津さんが一人でアンコールに応えて出てくる事は考えづらい。しかし、それでもわたしはアンコールの拍手に加わっていた。他のみんなもそうだったのではないか。そうせざるを得なかった何かがあそこにあった。

それが何かはあの時は分かっていなかったが、もしかするとこういう事かもしれない。奥津マリリが1時間程の間に繰り広げた過去。それは黒歴史でも消したい過去でもない。その過去は間違いなく今の奥津マリリを作り出していて、決して欠けてはならないパーツの集まりだ。そして、その過去は間違ってはいなかったよ、というエールの表れがあのアンコールだったような気がしている。わたし達はそれを賞賛する。その過去の上に成り立つ奥津マリリを。そしてフィロソフィーのダンスを。

飛び出してきた青い衣装に身を包んだ奥津マリリを見たとき、わたし達は歓喜の声を上げる。ステージに現れたフィロソフィーのダンス。その4人のなんと頼もしく、なんと輝かしいことか!

〝はじめまして未来〟から始まるセトリは奥津さんが考え抜いたものとの事で、なるほど続く〝シャル・ウィ・スタート〟でわたし達を共犯関係に誘い、フィロのスとして初披露の曲だったという〝プラトニック・パーティ〟で原点を振り返る。そういったストーリー性(そう考えると客入れの曲は音楽に興味を持ち始めた頃を表していたのかな、なんて)のあるセトリである事を途中で告白。

おとはすやハルちゃんから「えー!そういう事なら早く言ってよねー」などと突っ込まれる。

ふふふ。こういったフィロのスらしいやり取りが楽しくもあり、同時に尊い。端っこで優しい表情で見守ってるあんぬちゃんとかね。

「次の曲紹介に繋がるMC考えてんの」という奥津さんを横目に「まあ私たちもベストな4人でねー」と身もふたもない発言をするハルちゃんというやりとりもありつつの〝ベスト・フォー〟もまた味わい深く。

言い忘れていたけどこの日の衣装はアラビア風。ジャスミン風のハルちゃんも黄金おとはすも可愛いが、わたしの位置からはお姫様風あんぬちゃんがよく見えて(というよりそういう位置どりをしているわけだが)、しなやかでありつつ力強い彼女の踊りをしばし追いかけていたり。あーかわええ。

〝ラブ・バリエーション〟では奥津さんが「わたしのことを好きな人がー」のところで「全員だよねー!もちろん」と煽る。挙句にはサビのシングアロングのところで「マリちゃんが大好き!」と言わせたりとやりたい放題で、そして、それをステージの4人はもちろんフロア全体が楽しそうにやっていてとてもハッピーな空間だった。

あっという間の1時間半。楽しかったし、奥津さんの歴史(の一部)を垣間見たようで貴重なLiveでもあった。

時間的な事もありこの日は全員握手だけにしておいた。奥津さんにはとにかく「最高でした!」と伝える事しか出来なかったが、そういうわたしの手を両手でギュッギュッしてくるし、あんぬちゃんはいつも通り眩しすぎてロクに顔も見れず(口内炎、大丈夫だったかな)、ハルちゃんには「なんかリスみたい」と言われて「(…リス???)ああ、タイワンリス。問題になってるんですよね」と訳の分からない受け答えをしてしまい、動揺したままおとはすの前に行くとその大きな瞳に吸い込まれそうになるといういつものヲタクぶりを発揮してO-WESTを去っていった。

そして渋谷駅に向かうわたしの脳裏に浮かぶのはおとはすの放った「他界ヲタクを召喚!!!!」だったりするあたりも実はフィロのスというグループの素晴らしいところだったりするのです。

増幅されるのは音ばかりではなく。7/5(金)『松永天馬対眉村ちあき/仲裁 吉田豪』@渋谷O-nest 雑感。

ジャンケンに勝った松永天馬さんは後攻を選んで眉村さんからステージがスタート。

「ジャンケンに勝っても負けても最初にやるつもりだったし!!」という彼女の側には最近購入したという白いテレキャスがある。

という事で行ってきました。

『松永天馬対眉村ちあき /仲裁 吉田豪

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とにかく楽しくて記憶が飛んでいるのだけれど、多分最初は〝ナックルセンス〟で最初のフレーズをギターでかき鳴らした時の一音は、衣装がセーラー服だからと言うわけでもないけど高校生が初めてエレキギターを手にした時のようなワクワク感とぎこちなさが同居したような甘酸っぱさがあって良かったですよね。

〝I was born in Australia.〟や〝コカコ○ラのスリッパ壊れた〟といったお久しぶりの曲のエレキバージョンはそれこそ初期衝動の表れではないかという思い込みすら生むような新鮮さがあった。途中何度か「エレキやだーーー」駄々をこねてましたけど。

その中でも白眉だったのはやはり〝おじさん〟でしょうか。アンプで増幅されたのはエレキギターの音だけではなく、感情までもがパワーアップしたかのような迫力があった。

続く〝緑のハイヒール〟は新木場で初めて聴いてから早くLiveで再体験したいと思っていた曲で、この夜改めて耳にするとポップで美しいメロディに心を抉るような詩が乗っかっていて、いやちょっと待てよ、つまりそれってザ・スミスの〝ディス・チャーミング・マン〟じゃねーか!!The Smiths - This Charming Man (Official Music Video) - YouTube

ひとりモリッシー&マー状態の眉村さん。はい、かっこよかったです。

今日はサーフこそやらなかったものの柵の所に立つ、フロアに降り立つなどは通常営業でした。

f:id:mousoudance:20190706003133j:imagef:id:mousoudance:20190706003136j:image過剰なダブルピースと投げチュッチュ。

f:id:mousoudance:20190706003238j:imagef:id:mousoudance:20190706003241j:imageとにかく楽しそうなので困る。いや困らないけど。

 

そしてそういった格好良さと対になるように〝ともだちんこ〟を連呼する姿もまた眉村さんの振り幅ナイル川そのものであって。あれは何の曲だったか「タピオカをお尻から」というフレーズもさりげなく混ぜてみたり。

いやはや〝さいこうもん〟な先制パンチだったんじゃないですか?

続く松永天馬さんはバンドセットで。白いブラウスを紅く染めて出てくる。「ちちゃんに刺された。ジャンケンには勝ったけど歌唱力では負けたー」と言いながら始まったステージは時に演劇的な闇を、時にポップで爽やかな空間を作り出す不思議な1時間だった。

本編最後の終わり方、最高だったね。

 

アンコールの声の中登場してきた吉田豪。そうそう、この人仲裁人だった。本公演の本来の目的である2人の対決とは、バンドセットを含めたフリーセッション。いやー、この30分が本当素晴らしかったですね。

松永さんが紡ぎ出す言葉に引っ張られるようにフレーズを乗っけていく眉村さん。そのグルーヴ感が堪らない。

LOFTイベント宣伝部長としてチケット600枚以上売ったご褒美、ムロツヨシに合わせてくれるって話を反故にされた事への魂の叫びも良かったし、松永天馬さんの「お前らファンだったら一生かけてついて来いやー」(大意)に対する眉村さんの「でも人間ってそんなもん」というアンサーもグッときた。

そしてここでも巻き起こる〝ともだちんこ〟の嵐。途中「とも!」「とも!」というやりとりを始めてしまった為に「ち○こ」と言わざるを得なくなった時の一瞬の躊躇い、可愛かったですね!

この夜に眉村ちあき、松永天馬、吉田豪、そしてフロア全体が作り出した空間は、まさにこの夜にしか体験出来ないもので、その場に入られた幸福を思いつつステージは終わった。

最後に眉村さんが投げキッスを全力で何度も行う。振りかぶってキッスを投げつける姿に普通にノックアウトされました。

特典会ではチェキ列に並ぶ眉村さん。写真を撮るのを忘れるくらいに可愛いし、相変わらずのサービス精神(というより自分で楽しい事をやっていてそれが自然と回りを笑顔にする、というのが正しいのかな)にクラックラする。途中では前回の荻窪選手権優勝者であるマユムラー氏をみんなに紹介したりして。「次優勝したい人は今のうちに脚でも蹴っておけばいいよ!」という有難いアドバイス付きで。

チェキの時には「エレキの〝おじさん〟最高でした!」と言おうと並んでる時から決めていたのにいざ自分の番が来るとテンバってしまって、どういう流れだったか「今ここでさ、『締まって行こうぜーー!』っていったらさ、みんな『おー!』って言ってくれるんじゃない?」というフリがあったにも関わらず結局アワアワして何も出来なかったのは自分でも情けなかったな。修行して出直してきます。

f:id:mousoudance:20190706053432j:imageフリーメイントって何すか?

ぶらりスマホ禁止。【映画】『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』雑感。

MCUで何度も観てるから勘違いしそうになるけど、トム・ホランドスパイダーマンは2作目のなんだよね。

ところで『エンドゲーム』観てない人はいませんよね?今作については出来る限りネタバレについては気をつけるつもりですが、『エンドゲーム』についてはネタバレしますので。

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ということで観てきましたよ。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』予告(6.28世界最速公開) - YouTube

今回も身の回りのアレやコレやといった問題に悩むピーター少年と世界を救う為にスーパーヒーローとして立ち振る舞う事が求められるスパイダーマンとの間を行ったり来たりしながや青春学園スーパーヒーロー的ロードムービーとして快作でした。

言うまでもなくピーター・パーカーとトニー・スタークは擬似親子という関係性で繋がっていて、それはお互いに失ってしまったモノの再生であり救済の形である。トニー・スタークが『エンドゲーム』においてアベンジャーズに復帰したのも間違いなくピーターの再生がモチベーションであって、だからこそその再会に胸を打たれる。

『ファー・フロム・ホーム』の世界はアイアンマン/トニー・スタークの不在から始まる。世界はアイアンマンを失った。

安っぽくてダサい追悼動画を高校生が作ってしまうくらいにポスト・アイアンマンを求めている、そんな世界だ。

そんな彼の周りに現れるのがニック・フューリーでありハッピーでありベック/ミステリオだ。彼らはそれぞれ保護者的な振る舞いでピーターに接する。ニック・フューリーは子どもを規律に沿って育てる厳格な家父長として、ベックは物分かりよく兄貴的として、そしてハッピーは時に優しく見守り時に支援の手を差し伸べる叔父さんとして。

特にハッピーとピーターは、お互いトニー・スタークを失った者同士、かけがえのない存在を想う者同士、とても良い関係性を築いている。終盤のある場面でAC/DCが流れるところなんて、思わず泣いてしまう。

アイアンマンの継承者になる事をピーター少年は考えてなくて、そんな事よりもMJに告白する計画の方が重要だ。そんなピーターがニック・フューリーに掻き回され、恋の行方にヤキモキするような学園青春モノの部分ももちろん楽しい。

MJのあからさまな恋の駆け引きも微笑ましく、ちょっとした目線や仕草で感情を表わすゼンデイヤちゃん、いちいち可愛くて困る。

ネッドは今回〝ある事情〟から「椅子の男」としての活躍は少ないが、学園ラブコメのキャラクターとしては大活躍だった。

ネッドやMJのみならず今作ではベディやフラッシュと言ったバイプレイヤー達も良い味をだしていた。ベディ(アンガーリー・ライス)ちゃん、可愛かったなぁ。優等生の恋って感じの場面もあって良いよね。

あとフラッシュ。彼も「指パッチン組」である事を考えると5年のズレによる生き辛さを感じているひとりのような気がして。ピーターにはネッドやMJがいるからまだ良いが、きっとフラッシュには他に友達いないんじゃないかな、なんて。

彼が動画にハマってるのは、もしかしたら孤独な自分を救済する為、あるいは承認欲求を満たす為の行動なのかな、というのはやや考え過ぎだろうけど。でも終盤のある台詞にはなんか暗い闇を抱えているようにも思えて、そう考えると単なるイジメ、イヤミキャラにはとどまらない憎めなさがある。

あ、そうそう。何はともあれマリア・ヒルさんのお姿が見られたのも嬉しかったですね。

あとBGMも相変わらず趣味が良くて、冒頭のホイットニーは半ばギャグだとしても、先述のAC/DCラモーンズプラハのバーで流れるジャムやニック・フューリーが車内で流したスペシャルズなど個人的にツボ。

エンディングのゴーゴーズは80年代ポップが不思議と作品の空気にも合っていて良いエンドクレジットだったなぁ。

という事でこれからMCUも新しいフェーズにはいるのかな。スパイダーマンシリーズがそこから外れるとかどうとかいう話もあった気がするけどどうなのかな。いずれにせよ所謂「こいつらにまた会いたい」ってヤツでしたね。次回作も楽しみ。

 

最後に個人的ツボをネタバレ含みで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・観覧車でのネッドとベディちゃん、良かったね。「キスしたいけど吐きそうなの」「ミ、ミントあるよ」

・終盤の闘いでピーターが即席の盾とハンマーを持ってきたとこ、燃えたよね!!

・ピーターがMJに告白しようとした場面でのちょしたすれ違いも甘酸っぱくて良かった。「ス、スパイダーマンかどうか確認したくて見てただけなんだからね!!」

・タロス、生きとったんかいワレ!!!

私はずっとここにいたよ。そしてこれからも。6/28(金)&6/29(土)『BABYMETAL AWAKENS-SUN ALSO RISES-』@横浜アリーナ 雑感。

確かにミック・ジョーンズのいないクラッシュはクラッシュじゃないかもしれない。ジョニー・マーがいなくなった時点でもうスミスは解散するしかなかった。

だからオリジナルメンバーが欠けてしまったバンドやグループを認めたくない、という気持ちも分からない訳ではない。わたしだってそうやって好きだったグループから気がつけば距離を取るようになった経験はある。

でも、でもね、欠けてしまった事実を噛みしめながらも前へ前へと進んで行かなくちゃいけない事だってある。そしてその苦しみがやがて美しい輝きを見せる事も。

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という事で行ってきました。

『BABYMETAL AWAKENS-SUN ALSO RISES-』

1日目はシート、2日目は超MOSH’SH PITで参戦。それぞれ違った楽しみ方が出来て大満足の2日間だった。

ネタバレもあるかも知れませんのでご注意下さい。

 

6/28(金)広島からの刺客

開場時間が1時間押しというのもなかなかの試練で、夕方からとはいえ湿気の高さで不快指数がぐんぐん上昇していく。何かしら深刻な事態がおきてるのではないか?広島の聖誕祭の事がふと頭をよぎる…。

とか言いつつ入場してしまえばテンションが爆上がりするわけで、DOKI DOKIしながらシートに座って開演を待つ。

幕開け早々にステージに立つのは3人の姿。3人目が誰であるかに関わらず、このトライアングルはやはり美しい。

おそらくは色んな取捨選択、色んな葛藤があった上でのベビメタ=トライアングルであるという結論。様々な意見があるとは思うが、個人的にはこの選択は良いと感じた。いいよ!いい!

chosen7の時にいた子とはまた違うようだが、この謎メタルちゃんもなかなか頑張ってるというか妙にハマってて違和感がない。(その理由は後で判明するのだけれど)

新曲から始めて一瞬ポカーンとなりそうな客席を続く「メギツネ」で一気にヒートアップさせ、そこからはとにかく祝祭感に満ちた1時間だった。

SU-METALの日本語MC(最初だけだったけど)も嬉しいが、彼女のボーカルがホール内に響きそれを聴くことの出来る喜び。

全く初見の新曲と比較的に新し目の曲と定番曲、その構成もバランスもよく、衣装やメイクの印象もあってか原点回帰しつつ進化しているベビメタを見せられたような感じ。

インド風の新曲ではモニターにMVのような映像が。でもよく見るとLive映像を転用しているようでもあり、ははーん、これライゾマだな?

いやしかしこの時に映ったMOAMETALの可愛さったらね。二十歳を迎えた彼女もどことなく動きにしなやかさが加わったというか、また新たな魅力が出てきたんじゃないだろうか。

さて「PA PA YA!」ですよ!朝からダウンロードしてから半日しか経ってないけどすっかり自分の中でLiveで観たい曲のひとつになっている。盆踊り風の振り付けも楽しいし、このお祭り感は紅白の中に入れても全くの違和感がない。その祝祭ポテンシャルの高さは中毒になる。祭りだ!祭りだーーーー!

ゲストにF✳︎cking HEROが出てきたのには少なからず驚いた。ワンマン Liveという空間において、BABYMETAL以外の人間が同じステージに立つというイメージがないからだ。そういう意味でも新たなグループの形が生まれつつあるという印象を持った。

ポニテツインテ、スカート衣装という原点回帰と新たな地平へのチャレンジ。やや大げさかも知れないがそんな事を考えてしまうようなステージだった気がする。

「THE ONE 」の間奏部分ではSU-METALのとんでもなく美しく力強い表情がモニターに映し出される。何かを射抜くような強さと同時に包み込むような優しさをも感じるその眼差しは、わたしの心を鷲掴みにした。素晴らしい。これで日本語バージョンだったら昇天していたよ、わたしゃ。

そして最後は「ROR」で締める。〝君が信じるなら 進め 答えは ココにある〟でMOAMETAL(と謎METALちゃん)が床を指差す振りが大好きでいつもあそこでゾクゾクしてしまう。

そう、彼女達は進んできた。今回のLiveで「カワイイメタルが戻ってきた!」「コレだよ!コレ!」という声を目にする。いや確かにそれはその通りでもあるのだが、彼女達は〝戻ってきた〟訳じゃない。ずっとそこにいた。そこにいて走り続けていた。

最後の〝We are BABYMETAL!〟はいつもより感情がこもって聞こえた。SU-METAL、MOAMETALだけじゃない神バンドも私たち観客もそしてサポートメンバーの謎METALちゃんも。みんなみんなBABYMETAL。

この夜の〝うぃーあー…〟にはちょっと涙出そうになった。

仕事帰りのまま横アリに来たわたしは汗でじっとりとしたズボンの不快さや疲労も心地よく感じ始めていた。

そんな爽やかな気持ちで会場を後にしたが、帰宅して私の目に飛び込んできたのは謎メタルの正体だった。元モー娘。鞘師里保だと?????

わたしはハロオタではなかったが、彼女の名前は勿論知っている。モー娘。のエースであり、アクターズスクール広島出身。そしてカープ鞘師の姪。

どんな経緯で彼女のプロジェクト参加が決まったのかは知る由もないし、「なんか大変なんだって?助けに来たよ」的なストーリーを勝手に作って勝手に感動するのも彼女達にとっては迷惑な話だろうけど、この出来事はなかなかの衝撃だ。

そして謎メタルが鞘師さんである事はLive中は全く表明されずにいた。名前を呼ばれる事もなく歌声を聴かせる訳でもないまま、サポートという役割に徹し高いパフォを見せる。そこに彼女のプライド、矜持を感じて胸が熱くなる。

いやちょっと待て。だとするとあの「KARATE」の間奏で倒れたところからSU-METALが手を差し伸べて立ち上がらせるところ、ヤバくないですか??

 

さて、この夜やらなかったあの曲やあの曲。それは次の日セトリに入るのだろうか。

そんなワクワクした気持ちを抱きつつ、わたしは2日目の超MOSH’SH PITへ臨むのでした。

 

6/29(土) さくらの遺伝子

2日目は超MOSH’SH PIT。昨日のように開場が遅れる事もなくスムーズに入場。わたしは超Aブロックに割と早めに入れたので花道柵の2列目あたりを確保できた。

セトリは昨日と全く一緒だったけど新曲の感触が昨日と全く違う。初見の時はどうしても探り探りになってしまったが、今日は一曲目からガンガンにノレた。

花道が目の前なのでSU-METALもMOAMETALも表情がよく見える。「メギツネ」、「Elevator Girl 」は花道の先にいる3人を背中から見る事になったが、いやアガるアガる。この時点で既に汗だく。ブロックの後ろではサークル出来ていたのだろうか、確認できてはいないがこの日はサークルモッシュには参加しないつもりで臨んでいた。ちょっと脚も痛いので。

昨日初めて観たインド風味だっぷりの新曲、間近で観るとまた違った魅力があって。あのインド首振りの動きが可愛いし、SU-METALの音階をせわしなく行き来するインド歌唱も良い。

「STARLIGHT」の前だっただろうか、フロアにレーザー光線が飛び交う様子は少しPerfumeでぽさがある。でこの辺り記憶がおぼろげなんでちょっと自信ないけど、(この曲だったかそれとも終盤の「THE ONE 」の方だったかも知れないけど)照明が落とされステージ後ろからの光で3人の姿がシルエットになる場面があって、とても神々しく美しかった。

PA PA YA‼︎」がすでに盛り上がりチューンになってる凄さをこの日も体感。やはりピットにいると一層お祭り感が増幅されて脳汁がドバドバ出ていたと思う。

シンプルなコールがまた初見でもノリやすい構造を作り出しているのだろうか。盆踊りに通ずる祝祭、カーニバル感満載でいやこれホント今年の夏のアゲアゲチューンですよ!

花道を通ってる時、SU-METALに煽られたような気がするな。目線も頂いたような気もする。ああああああ!楽しいっっっ!!!!!

終盤になって「THE ONE 」のイントロが始まった時後ろの方から〝ああっ…〟というため息とも悲鳴とも思える声が聞こえて、つまりはこのLiveがもうすぐ終わってしまう事へのリアクションだろう。もうそんな時間なのか、と。

間奏でのSU-METALの表情は今日も絶品で、最初モニターにドーンと大写しになった時の目は特に印象的だった。何かを達観しているようにもアドレナリンがドバドバ出ているようにも見えた。つまり何が言いたいかっていうと美しいって事。

そして最後の「ROR」ではしないつもりのサークルモッシュに参加してまして。やっぱりねあの法螺貝とSU-METALの〝広がりなさい〟ポーズを見てしまうとね。最初の一回だけは回っておきました。脚が痛かったはずなのにこの時は平気だから不思議なものです。

さて、ここまで敢えて書いていなかったけど、この日の3人目メンバーは藤平華乃ちゃんでした!ちょっとこれは感情揺さぶられましたよ。

最初は一瞬誰だがわからなくて、でもこの顔は知ってるぞ、と思いながら見てまして。花道を移動する時に「あれ?」と思ってモニターを見た時にようやく「華乃ちゃんじゃねーか!!!」と気づいた訳で。

いや頑張ってたなぁ。「ヤバッ」の時のダンスとか堂々たるもんだし、「ギミチョコ」の表情なんかも可愛かったですよ。「THE ONE 」の時は客席をひとつひとつ確認するように見渡して、ちょっとドキっとするね。

わたしはとても父兄と言えるようなものではないけど、15年度に転入してきた頃に、自分の2倍は身長がありそうな生徒会長磯野莉音ちゃんを持ち上げた彼女の記憶はあって。その他、配信番組での明るいキャラクターには馴染みがある。

そんな彼女が現在生徒会長だというのも時の経つのは早いなぁ、と思っているのに、今はBABYMETALとしてステージに上がっているなんてなかなか感慨深い。歴代生徒会長が揃った訳ですな。

前日の「KARATE 」に負けず劣らずこの日の間奏もエモーショナルで。SU-METALが最初にKANOMETALを一瞬見るんです。でも苦渋の決断をするようにしてMOAMETALを立ち上がらせる。そしてKANOMETAL の元へ行き手を差し伸べる。慈悲深い眼差しで。そこから観客も含めて一気に感情を爆発させるような展開に熱くならずにいられない。

 

彼女達に限らず表現者の活動自体とは別なところにストーリー性を加味して語るのもあまり良くはないとは思う。

それでもついつい物語性を見出そうとしちゃう。初日の広島(ASH)由来でやってきた鞘師里保、そして2日目のさくら学院会長という〝歴史〟を継承する者として現れた藤平華乃

それぞれの思いは違えど、その日その夜彼女たちは間違いなくBABYMETALだった。鞘師里保は、藤平華乃はBABYMETALだ。We’re BABYMETAL!!

 

となると3人目は一体誰なのか。走り続けるBABYMETALを追いかけるしかない。

あっちこっち拡張されて、タピオカがお尻から出てきた夜。6/25(火)『VS GAY 2MAN GAY LIVE 二丁目の魁カミングアウト/眉村ちあき』@新宿ロフト 雑感

華やかな衣装で歌い踊る4人は彼/彼女という人称を超えて、ジェンダーセクシャリティも超えてただ優れたアイドルの姿であって。

というこで行ってきました。

VS GAY 2MANGAY LIVE 二丁目の魁カミングアウト/眉村ちあき

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二丁目の魁カミングアウト

は、まるっきりの初見だったけど、優れた楽曲とエンタメ精神がとにかく楽しい。なるほど人気があるのも納得のステージ。

ここまでくるともはやジェンダーとかセクシャリティとかそういうものは超えているような気がしてくる。観ている時もゲイであるとかそういう事はすでに頭の中から飛んでいて、ただただ優れた楽曲を歌い踊るアイドルを観ていたに過ぎない。

緩急の効いたファンのノリもメリハリがか効いていていい感じ。少し下がって観ている自分も自然と身体を揺らしていた。

それがいつものスタイルなのか分からないけど途中MCも挟まずノンストップで演る姿のガチンコ感も、なかなかゾクゾクさせる。あといつもと違って良い匂いのするフロアも新鮮でした。

 

眉村ちあき

「ツーマン、ボコボコに喧嘩する気で来た!」と宣言する眉村さん。クールなトラックはそのまま〝おばあちゃんはサイドスロー〟に。うん、カッコいい。

「そっち行って良い?」と言いながら〝奇跡・神の子・天才犬〟では中央付近からサーフで隅々まで移動という通常営業。

f:id:mousoudance:20190625233951j:imagef:id:mousoudance:20190625233957j:imagef:id:mousoudance:20190625234049j:image周りからは「可愛いーーー」の声多数だった事を強調しておきます)

そして〝おじさん〟では「おなカマ」(にちょがけファンの事、こういうのね。今知った)も思わず固唾を飲んだと思われ、おそらく新規を掴んだと思うのですが、それはまだ序の口。ハイライトはまだまだ後半に続くのです。

後半の〝荻窪選手権〟でフロアを笑顔にさせるのもいつも通りだったのですが、わたしの心を掴んだのはその最後の一瞬。

f:id:mousoudance:20190626043518j:image(紅い月が出た)

お月様役をやってくれていたマユムラー氏に対し「グッドムーンだったよ。(ありがとね)」と労いの言葉をさりげなくかけるその姿は流石という他ない。こういう優しさが堪らないんですよね。いつかわたしもお月様になりたい。

そして即興的新曲〝タピオカ・JK・スカート〟では、導入部のトラックがなかなかキマらず何度もやり直す眉村さん。それに関して全く何も言わずにしばし沈黙の時間を作るという放置プレイは、訓練されたマユムラーには何の問題もなかったと思われる。

しばらく試行錯誤した上でいよいよ曲が始まったときの、あのカタルシス!「タピオカ、JK、スカートーー」という言葉がさっきのリズムに乗せられた時の快感!!気がつけばJKのスカートめくって、更にはタピオカがお尻から出てきたりして、とにかくドイヒーな加減が最高の曲でした。

やや苦笑モード(眉村さん自身も笑ってたような)からの〝ほめられてる!〟はある種のアイロニーすら感じる。照れてたのかステージ上動き回ったり、時には舞台袖に隠れる眉村さん、はいかわええ。

まあしかし、この日のベストアクトはやはり〝ピッコロ虫〟でしようね。

即興からイントロドーン!カタルシスはいつもの通りですけど、この即興部分の破壊力ですよ。まずアコースティックバージョンの時点でエモエモのエモ。

そして「ゲイのアイドルもいる。カッコいいアイドルも。可愛いのも。巨乳も全裸も…色んなアイドルがいるんだ」宣言は意図しない部分で「ダイバーシティ賛歌」になっている気がする。そういう点で言えばNirvanaSmells like Teen Spiritに共通する部分がある。というのは多分勘違いだとしても、なんかココちょっとグッときましたね。本能的にこういう言葉を紡ぎ出しますね、この人は。

そうやってアイドルの枠を拡張させ、その多様性を提示した後に今度は自分の事を語る。自分自身もこれから拡張していくという宣言。

ちょっと記憶が曖昧なのでフレーズは正確ではないが、「これからは1番目には曲作り 、2番目はLiveをする事、そして3番目にみんなと遊ぶ事」を優先順位として活動していくという宣言を彼女はした。そして世界へ飛び出すから「パスポート用意しとけ」と。

歌いながら感情がドライブし言葉が発せられているので思いつきのアドリブのようではあるが、しかしこの人が本気でなかったことはない。きっとそれは本当に起こる事なのだろう。

それだけにフイに言った「さようなら。バイバイ」というフレーズが思いの外のインパクトを与えたりもした。何が起きても覚悟しとけよ、というメッセージというのは流石に拡大解釈過ぎるかな。

いやとにかく心にクル〝ピッコロ虫〟でした。

という事をチェキ会で言おうと思っても気がつけば「タピオカの曲、ヤバイっすね!」という会話しか、出来ず。因みに撮られたチェキを見返してみると眉村さんの輝きを横にして自分の顔が影に覆われて全く映ってない様に妙に納得してみたり。

いつもはチェキ撮ったらスタコラと帰るんだけど、この日は何となく最後まで残ってみました。

f:id:mousoudance:20190626045439j:imageふふ。かわええ。

途中、ハンカチ落とし広場を通った時にタピオカ行列があって。思わず噴き出しそうになりながら駅へ向かうのでした。

でも、やるんだよ。文句ありますか?(ないでーす!)『MUSiCフェス〜私立恵比寿中学開校10周年記念in赤レンガ倉庫』 雑感

屋外のフェスには当然天候が予想出来ないというリスクがあってそれは確かにデメリットではあるのだけれど、時には悪天候がドラマティックな演出をする事もある。

という事で行ってきました。

『MUSiCフェス〜私立恵比寿中学開校10周年記念in赤レンガ倉庫』 

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その10年のうち全てを勿論知っているわけではないが、それでもこのグループには色んな事が起きたなぁ、と。

わたしが始めて彼女たちを観たのは2013年だったか、9人体制の頃のリリイベを偶然見かけた時。いきなりYMOの「体操」をやるのでびっくりした記憶と裕乃さんの緩いダンスと歌声が印象に残っている。

 

桜エビ〜ず

到着すると彼女達のLiveは終盤で2曲くらいしか聴けなかったけど、いや歌もダンスも良いじゃないですか!特に水春さんですか、なかなかスターオーラも感じるし堂々たるステージだったかと。

 

HERE 

エビ中++」でおなじみ尾形回帰さんのバンドも観るのは初めてで。途中、「天国の松野さん!」と空を見上げたその直後から雨が降ってきたのは偶然か否か。

 

ニューロティカ

酸いも甘いも噛み分けたベテランらしいステージング。

「今日のフェス出演者最年長なのに誰も挨拶来ねー!」とかましながら客席を煽り盛り上げる。パオパオー!

エビ中とのコラボ曲「元気しかない!」ではエビ中ちゃん達も登場。ぽーちゃんのピエロメイクがかわええ!そして港カヲルちゃんも登場。ピッタリしたタイツには切れ目が入っているようでお尻を時折丸出しに。バイキングヘルメットをひなたちゃんに被せて(ヒゲも描いてた)退場。

そして最後まで力を抜かないベテランの矜持を感じたステージでした。

 

魔法少女になり隊

初見だったけど、いや良いじゃないですか!

ちょっとナーメテーターでした。

時折モニターの上に足乗っけて煽る火寺バジルさんもカッコいいし、いやわたしはギターの明治さんがですね登場した時からそのクールな絵面にやられてしまいまして。あの赤いギターはリッケンバッカーですか?知らんけども。

もちろん「ちちんぷいぷい」ではエビ中ちゃんも登場。

フェスでは、こういう発見があるのが楽しいね。

 

SUSHIBOYS

流石に朝から何も食べてなかったのでフードエリアへ。北海イカゲソ丼を食べながら音漏れを楽しむ。しばしchill out。

 

POLYSICS 

あれ?エビ中ちゃんと関わりあったっけ?と思いつつこの日1番観たかったバンドかも知れない。

断続的に降っていた雨もこの頃にはすっかり止んで、というよりは晴れて。夏の日差しとイエローのツナギが良くマッチしている。

何だかんだと彼らも20年選手。奇抜な音楽とビジュアルというイメージが先行するが、踊れる楽しいバンドであり、その楽しさがこの日は出ていたと思う。

ラストの「BUGGIE TECHNICA」には何故か妙なカタルシスがあって良かったなぁ。うぃーあーぽりしっくす。

 

ももいろクローバーZ

転換時のステージを見て「バンドセットか…」と思ってみたり。いやバンドセットも良いんですよ、良いんですけどこの日はメンバーだけのパフォーマンスを観たかったな、という贅沢な気持ち。

ステージに登場した4人。あーりんは少しシュッとしましたか?大人の魅力すら出てきてるし、玉さんのスラッとした手足の動きも相変わらず。夏菜子ちゃんのドンと来い的リーダー感の頼もしさと、そして、れにちゃんイェイ!

オーバーチュアでは「レニ、カナコ、モ…」となってしまいそこからグダグダになってしまうし、冒頭の二曲は聴き込んでないのでコールにも戸惑ってしまう。ちょっと悲しい。「あんた飛ばしすぎ‼︎」はちゃんと覚えてリベンジしたくなる。

リーダーの「おい、お前ら!エビ中の為に体力温存してんじゃねーぞ!」という煽りもありつつ、流石にこの規模のフェスでの盛り上げ方はお手のもの。

労働讃歌」のスクワットも楽しかったけれど、やはり「COLOR」ですね、この日は。

奇しくも2グループ合わせて十人十色状態になってしまって、お互い色々ありつつここまでやってきた。それを振り返りつつも一歩一歩進む、歩く。そんな意思を感じさせてちょっと目頭が熱くなる。たむらぱんはいい曲書くなぁ。途中の違い互いにジャンプする振りも良い。

姉貴分、そして戦友としての愛を感じるステージでしたよ。

 

吉澤嘉代子

ちょうど夕方で雨も上がり、曇り空。そんなシチュエーションで聴く「曇天」は最高のプレゼントのようで。エビ中ちゃん達のオリジナル(というのが的確なのかどうか)も勿論素晴らしいのだが、セルフカバーしたこの日の「曇天」には大人のリアリティが加わって染み入る。

「えらばれし子供達の密話」もちょっとヒップホップ感もある曲で好きです。

最後にはぽーちゃんと一緒に「日記」。最近、ぽーちゃんの歌メキメキ表現力上がってませんか?

 

岡崎体育

やはりさいたまスーパーアリーナアーティストは違う。一瞬のうちに会場をダンスフロアに変えてしまう。途中、美怜ちゃんや吉澤嘉代子さんも関係者用スペース(と言っても柵で仕切ってあるだけ)からステージ観ていた。

MCではスーパーアリーナに挨拶に来てくれたエビ中メンバーの話。「フェスもこの調子でね」と言ってきた安本さん、流石です。

「FRIEND」はお笑い要素を入れつつ後半にはそれを裏返したような切なさを表現する不思議な曲だと思ってたら、最後にやっぱり落とす、という。

バラード曲の途中に心の声〝リコ・ナカヤマ〟が出てきたり、「あるあるフラダンス」をメンバーの事で替え歌したりと最後まで楽しかった。

 

ゲスの極み乙女。

いやなんだかんだと良い曲あるし良いバンドですよね。

「ロマンスがありあまる」くらいしか知らないけど、ドラムのほな・いこかさんをフューチャーした曲も良かったし。基本ドラムを叩く女性は大好きなので、それだけでもうね。

この時間帯は雨は止んでいたけれど風が強くて後ろの方だと音が流れてしまっていたのが残念だがだけど、それも野外ライブの醍醐味でもある。

この人達も色々あったけど頑張って欲しいですね、という気分になりました。

 

フジファブリック

ディック・デイルの「ミザルー」(パルプ・フィクションのアレ)で登場してきただけでオールオーケーという気持ちに。

「メンバーとの不幸な別れがありながらもここまで続けてきたエビ中さん、尊敬します」という言葉は彼らがいう事で一層重みが増す。

「お願いジーザス」のセルフカバーを演った頃から雨がポツポツと降ってきて、ラストの「若者のすべて」の時に降る雨はもはや演出のようだった。あまりこういう結びつけは良くないとは思いつつ、青い光を見つめて感傷的になってしまう。

 

私立恵比寿中学

新曲の中でも大好きな「青い青い星の名前」から。高橋久美子さんの描く詩は宇宙や未来といった単語で大きな世界を見せながら、その世界に生きる僕らという個人、その小さな存在に目を向ける。そしてその小さな僕らにも希望や未来を持って世界を(少しだけでも)明るく出来るかも知れない、と教えてくれる。

なんて書くと少しむず痒いけどね。いや良い曲です。

そして最新の曲から昔の曲まで織り交ぜたセトリはまさに10周年に相応しい。「えびぞりダイヤモンド!」や「仮契約のシンデレラ」など初期の代表作から6人体制以降の曲まで、そこに流れているのはエビ中ちゃん達の歴史だ。これまでのメンバー総勢16名の足跡がそこにある。

と同時に今のエビ中の姿、そしてこれからも続けていくという宣言でもある。

だからという訳でもないけど、この日の「なないろ」は一層、胸に来て…。

「フレ!フレ!サイリウム」の頃にはすっかり日も暮れて、色とりどりの光が場内に。実はサイリウム持って来てたんだけど取り出すタイミングを逃してしまった。

岡崎体育が作った「Family Complex 」はアルバムを聴いていて早くライブが観たいと思っていたのでとても嬉しい。ももクロの「ピンキー・ジョーンズ」的に歌詞にメンバー名前が隠されているんだけど、コールを事前にシュミレーションしていたがやはり本番ではうまくいかない。最後の「と…りこ!」に全てをかけた。

遠目だったので自信ないけど「リコちゃん、みてこれ!見たことない虫!」のところで駆け寄るぽーちゃんをガン無視するりったんのポーズ、ツボです。いやしかし、これは新たなエビ中アンセムになりますね。

最後はアンコールの「永遠に中学生」で大団円。普段はあまりそんな事もしないけど、この夜は周りみんなで肩組んでましたね。前後の列でも同じような状況が発生していた気がする。

多分だけどこの日集まった人の中には久しぶりにエビ中を観に来た人もいるんじゃないだろうか。昔は熱心だったけど今はそれほど…というような人も来ていたかも知れない。そんな人はもしかすると「今のエビ中、こんな感じだよ。良かったらまた来てね」と言われた気分なんじゃないだろうか。そんな妄想を抱いたり。

 

改めて出演者のリストを見てみると(ソロの2組とゲスの極み乙女。は除いて)いずれのグループもメンバーに変動がある。キャリアの長短はあるが色んな変遷を経て今の形がある。35年やってるニューロティカも結成時のメンバーはイノウエアツシだけだ。ゲスの極み乙女。はメンバーの動きはないかもしれないが、また別の要素でバンド活動の継続が危ぶまれる経験をしている。フジファブリックにも不幸な出来事があっま。他のバンドもそうだろう。それでも彼らは続けている。10年、20年、30年と。

それには色んな理由があり、それぞれの事情・スタンスがある。全てを同じように語ることも出来ないが、そんな人達がエビ中10周年に集まって来たと思うと感慨深い。ふと、りったんがインタビューで語っていた「ふざけるな!まだ6人いるんだよ!」という言葉が頭に浮かぶ。

そう、エビ中は続く。

 

それにしても今回のフェス。交通の便もよくステージも高い位置なので遠くからでもよく見えて良いフェスだった。後方のエリアではレジャーシートやキャンプ用椅子を用意して使う事も可能でまったりと観る事も出来る。

赤レンガ倉庫には普通に来客している一般客もいて、日常との境界線が曖昧になって溶け合う所や夕暮れ時の空気感など気持ちがいい。雨が降ると大変だけどね。

という事でこのフェス、恒例化して欲しい。確か真山さんも「来年もやりたい」言ってた事だし。校長、お願いします。

僕はまだ病んだまま。【映画】『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』雑感。

冒頭、波を延々と映し出していて嗚呼最近こういう画面観たぞと思ったらそう『ローマ』だねなどと考えているとモリッシーを演じているジャック・ロウデンの後ろ姿が見えてナルホドくすんだ曇り空はマンチェスターらしさが出ていてってマンチェスター行ったことないけどというのはどうでもよくて映画の話をするけどこの作品はモリッシーがまだモリッシーではなくてスティーブンの頃の話つまりは何者でもない青年の状態が延々と続いていくその姿は俺でありあなたであり自分が何者かである根拠なき自信を持ちながら悶々と生きていくしかないそのジレンマが疲れた身体に染みてくるけど幸か不幸かこの作品はモリッシー非公認で故にスミスの曲は全くかからない流れない訳だけどその製作者たちの苦労はサウンドトラックにも見て取れてニューヨークドールズやロキシーミュージックその他モリッリーのプレイリストを想起させるものであったけどやはり出色だったのはモリッシーが初めてバンドで歌う場面でこれはジャック・ロウデン君なのか誰が歌ってるのか知らないけれどモリッシーがそこにいたと感じるには充分だったし終盤になってようやくジョニー・マーと同じ部屋にいる画面が現れてモリッシー&マーの化学反応が起きる直前のジョニー・マーがギターを爪弾く場面にはやはり感情が高まるしここで「ハンド・イン・グローブ」でも流れれば良いかと言えばそれは益々モリッシーに怒られそうな気もするしとにかくスミスの曲が流れないのは許可がないという事以前にスミス夜明け前の話だからで何者でもない青年達の足掻きを描いているこの作品には必要ないからでその結果として単なるファンムービーになっていない事はおそらく再結成しないであろうスミスというバンドには相応しいのではないかと思ったのでした。

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映画『イングランド・イズ・マイン モリッシー, はじまりの物語』予告編 - YouTube