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これ戦争なのよね。【映画】『DUNE砂の惑星PART2』雑感。

映画『デューン 砂の惑星PART2』予告 2024年3月15日公開 - YouTube
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「おい。パート2は、まだか?」というのが前回の感想で、今回もまた「続きはいつだ?」とエンドクレジットを眺めながら思っていた。見方によっては3時間の予告編ではあるけれど、その上映時間の長さはストレスにはならなかった。

巨大(で縦長)な飛行物体が空中に浮かんでいるというドゥニ・ヴィルヌーヴ作品の印も印象的でIMAXのスクリーンの大きさを堪能した。と、言いたいところだけれど寄りのショットも多くせっかくの画角が無駄遣いされている感は否めない。大人数の合戦や群衆のインパクトがないわけではないしデヴィッド・リンチへの目配せを感じるショット(ある場面での耳のアップ等)など好きな映像も沢山あったけれど、映像的なチャレンジングがあったかと言われれば少し物足りなさはあった。

そういった気になるところもありながら、戦国時代の大河ドラマを観ているような権謀術数など個人的には好きなポイントもあって続きが観たくなる、そんな作品だった。ポールがフレメンの中で立場を確立していく過程での様々な葛藤や信仰や崇拝のメカニズム及びそこから派生していくテロルといったテーマが響いてくる。こうやって群衆心理が形成されて、全体主義的な社会が成り立っつ様は生々しい。知らず知らずのうちに気がつけば世界が変容していく、その恐ろしさには同時代性がある。

主人公に降りかかる運命、その展開にはスター・ウォーズ』の元ネタと言われる所以も感じた。そういう意味では、クライマックスにヤヴィンの戦い的なカタルシスが欲しかった気もするけれど、そういうカタルシスが一歩手前で得られないのは、やがて訪れる悪夢が背景にあるともいえる。そういう哀しさや寄る辺なさは、わたしの心を突いてきた。そういうのグッと来てしまうんですよ。ティモシー・シャラメからはその繊細な立ち居振る舞いの芯にある強さが感じられたし、オースティン・バトラーも良いヴィランっぷりだったし、レベッカ・ファーガソンが放つ妖しさと怪しさや出番が少ないながらも印象を残すフローレンス・ピューなどキャスト陣のパフォーマンスも高い。ゼンデイヤの僅かな瞳の光の変化で感情の機微が表されているのも良かった。

という事で何だかんだど続きが観たくなっている訳ですが、ところでサンドワームってどうやって降りるんですかね?