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「奴は四天王の中でも最弱…」【映画】『アントマン&ワスプ:クアントマニア』雑感。

「アントマン&ワスプ:クアントマニア」本予告 - YouTube

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アントマンMCUの中でもそのユーモアセンスが好みの作品でどちらかというとコメディとして楽しんでいるシリーズ。今作でもテレパスとのやり取り辺りは笑わせたもらったりしたが、今ひとつ爆発力がない感じは否めない。面白いんですけどね。

正直、MCUもフェーズ5に入ってくるとストーリーやキャラクターがインフレしている印象があって、TVシリーズ『ロキ』も観ていたけれど、タイムキーパーが誰だったかすっかり忘れていたりするので、「あ!あのキャラクターがここで出てくるのか!」といった驚きやカタルシスもそれほどは感じなかった。

予告編から想像していた〝そうでなかった(或いはそうであったかもしれない)人生の可能性をめぐる物語〟という要素をもっと深く掘り下げても良かったのかな、とも思う。例えばスコットが別な時間軸で生き直す誘惑に引き込まれそうになるとか、そういう葛藤や足掻きというものがあれば、終盤の展開にもっと別のカタルシスがあったのかもしれない。いや、でもそんなエモーショナルな仕掛けはいらないといのもまた正解で、そういう意味ではとても不恰好で無様でありながら、〝クソ野郎から変わろうとしたあの男〟の方にむしろグッとくるくらいが丁度いいのか。

とはいえ、量子世界の住人のキャラ設定や美術には(スターウォーズですか?という既視感があるにしても)センス・オブ・ワンダーを感じた(それだけにあの世界の住人達にもっと感情移入出来るだけの余地がなかったのが惜しまれる)し、ミシェル・ファイファーはカッコいいし、最終的にクリストフ・ベックの音楽が流れると「まあ…楽しめたし、いいか!」という気持ちになったのも事実。だから決して観て損したというような事もないのだけれど、MCUをこれから観続けるかどうかの試金石ではあるのかもしれない。そしてこれは最後に言っておきたいのだけれど、やっぱりですね、マイケル・ペーニャが足りない!!これに尽きます。