妄想徒然ダイアリー

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今日が、その日。【映画】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVOLUME 3』雑感。

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旅先で映画を観たりする事はたまにあって、定番観光地を廻るのも楽しいけれど、これはこれで一興ではある。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』

圧倒されるほどの深みがあるとは言わないけれど、やっぱりコレだよな!という楽しさがある。相変わらずMCUシリーズにある赦しと救済或いは人生のやり直しには、どうしてもグッと来てしまう。サントラ(というかミックステープ)は今回も素晴らしいけれども、いつにもまして登場人物たちの心情に寄り添うような曲達が印象深かった気がする。

幕開け早々に流れるあの曲、あの導入部分。30年前にリリースされた事を考えれば、感覚的にはクラシックといってもいいくらいな曲だけれど、拭いきれないある種の〝気恥ずかしさ〟がつきまとってしまう。そんな複雑に入り組んでいる感情を吹き飛ばすくらいのインパクトがあって思わず「そうだ。それでもこの曲はわたし達のアンセムなんだ」と血が踊ってしまう罪深さも含めて魅力のひとつであった。

「知ってた?これはあなたの物語なのよ」というセリフの通り、今回はロケットが過去の清算と赦しを獲得する為のストーリーだ。と同時にクイルをはじめとしたガーディアンズのメンバー(とその周囲の者達も含めた)のケジメと矜持を描いた物語でもある。

そういった構成そのものは目新しいものではないし、典型的なクリシェを大きく逸脱するようなダイナミックさはないかもしれない。しかし、それでもわたしの心を打つのには充分であった。いや、むしろそこにある〝型〟にこそカタルシスを感じている、のかもしれない。

同時にMCUフェーズ3までのワクワク感が大好きであった事を再認識をしたりもした。フェーズ4以降にある〝壮大な前フリと答え合わせ〟的な展開が物語とキャラクターのインフレ状態になる危険性を孕んでいる事へのカウンターのように見えてしまっているとしたらそれはそれで不幸な事ではある。

といった事は頭の隅にありながらも単純に『ガーディアンズ…』シリーズは楽しい。スター•ウォーズやキューブリック、ジョン•カーペンターといったSF映画のマスターピースへの目配せ(わたしの勘違いかもしれないけど『燃えよドラゴン』オマージュもあったような…)もバランス良いと思ったし、例えばガモーラが刀を構えてポーズを取ったシーンのようにワクワクするような場面が散りばめられている。やはり『ガーディアンズ…』の軽やかさがわたしには性に合っているのだろう。

映画館を出れば、そこはバッドランドかもしれない。同じ事の繰り返しにうんざりしながらも、それでもわたし達は生きていく。そして、多分人生か変わる〝その日〟がきっとある、と思わなきゃ生きていけない。という事なのかもなんて。