妄想徒然ダイアリー

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放物線を描く上履き。『新しい学校のリーダーズ5/9(木)新しい学校の青春部ツアー2024』雑感。

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電車チケットは忘れたり無くしたりするリスクがない一方で、スマホを落としてしまうとどうしようもないという恐ろしさもある。まさに今日、昼間ちょっと出かけた時にiPhoneを落としてしまった時は、目の前が真っ暗になるくらいに焦ったものです。見つかって良かった…。

今回は(というかここ最近は)近距離チケットは当たらず一般での参加。とは言いながらも比較的整理番号も若く肉眼でメンバーを視認できる位置を確保でき、大満足。かつてライブハウスで観ていた時のような感覚が蘇る。

いつものようにN.W.A.やビースティなどが客入れ曲として流れていて否が応でも盛り上がる。わたしの隣には同じ歳くらいの人がいたけれど、なんというかこの人がシニカル冷笑おじさんという感じで発する言葉がどうにも心にひっかかる。いや、そういうスタンスも分からないではないけれど、ここでは場違いだろうと思えてならなかった。世界は(もう)ぼくたちのものではない。もちろん年齢関係なく好きなものを好きなように楽しむ事に異論はない。わたしもそのひとりだ。しかし、だからこそ、それなりの振る舞いというものがあるはずだ。とか思ってたらライブ始まったらこのおじさんも普通に楽しんでたけど。

そして約5分押して開演。

いやー最高でした!ライブ、ライブですよ!やっぱり。

相変わらずセトリは記憶からこぼれ落ちるけれど、新旧のレパートリーがバランスよく配置されていて途中の企画コーナーを挟んだ2部構成も良かったと思う。SUZUKAさんが言うように前半は世界、アラウンド・ザ・ワールドのAGとしての魅力が爆発していた。かっこいいパフォーマンスでフロアを圧倒する姿にアドレナリンがドバドバ出る。手は届かないけれど、手が届きそうな距離にいるメンバーの熱気が身体の芯まで響いてくる。そして後半は懐かしいチャイムから始まってかつてライブハウスで観ていた時のリーダーズの記憶が呼び起こされる感覚があった。例えが適切かどうかわからないけれど耳なし芳一セーラー服」と「オールドスタイルセーラー服」の衣装チェンジに対比の意図を感じた。全体的にステージ演出もシンプルでケレン味は少ないが、それでもスポットライトと使い方などに工夫があって、そこには自分たちのパフォーマンスに対する自負と良いパフォーマンスを魅せるのだ、という矜持があったように思う。(ある曲で、SUZUKAさんが「一回、曲とめてー」と言ってやり直したあのくだり、最高過ぎました。)

リーダーズの関節のひとつひとつが自在に動いているかのようなダンスの凄まじさはファーストコンタクトの頃から変わっていない。いや、それどころか進化している。上手く言語化出来ないんだけど、なんて言うんですかね、エレガンスさが増したような気がするんですよ。先鋭的でエッジが効いているのは勿論なんだけど、そこに多くの人を巻き込むような大衆性が加わったとでもいうか。それはスポイルされたという事ではなくて、無敵に近づいていった事の現れだとわたしは思う。

それにしても。大きな会場で暴れるリーダーズももちろん素晴らしい。けれど、やはりかつてのライブハウスで観ていた時のような距離感でパフォーマンスを浴びるのも当然の事ながら楽しすぎる。これは勿論勘違いで気持ち悪い話なんですけれど、4人とよく目が合った気がする。RINさんのヒップで迫力ある踊りとよく動く首、KANONさんのコミカルと優雅さが同居した佇まい、MIZYUさんのパッと明るい笑顔とシュッとした凛々しい表情のギャップが生む効果、そしてSUZUKAさんの隙あらばフロアに飛び込まんばかりの圧倒的なパフォーマンスとアジテーションそういったものが怒涛に押し寄せてくる2時間。久しぶりに観られたあの曲やアンコールのあの曲なども感情のある部分を刺激したし、OTAがいうようにこれからドンドン大きくなるリーダーズをみていたいという気持ちが強くなる。

終演後、SUZUKAさんが後ろへ蹴飛ばした瞬間やフロアに飛んで行った下履きの放物線の事を思い出しながらツアー広島も追加しようかと考えていた。もちろんはみ出しフォーメーション抽選は外れたけれど、そんなことよりも、わたしはコインロッカーへの入り口が何処なのかに迷いながら歩いていたのです。