妄想徒然ダイアリー

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自分らしく、なんて簡単じゃない。でもね。『1/9(火)新しい学校のリーダーズ武道館公演 青春襲来』雑感。

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冒頭からヤバかった。スタートの『Tokyo Calling 』でもうアドレナリンがドバドバ出た。スタンドから観るリーダーズというのは初めての体験だったけれど、その事が武道館というスペシャルな場所を感じさせたしセンターステージに立つ4人の姿がとにかくカッコ良い。東京体育館の時とは違ってシンプルな舞台装置で構成されていて、4人で360°のわたし達に対峙する決意のようなものも感じた。もう、この開幕の時点でこのライブ成功したな、と思いましたよ。

『Pineapple…』『試験前夜』『席替ガットゥーゾ』『透明ボーイ』…これまで観てきたセトリではあるけれど武道館で鳴り響く事で心の奥にある何かが刺激される。ああ、それにしても武道館のスタンド席は狭い。フロアで踊りまくりたいという衝動に駆られる。そして個人的前半のハイライトは『毒花』でしょうか。これまでも何度か観てきた曲ですけれど、やはり感情がノッているというか表現力がヤバかったです。あと

女に生まれて

女で死んでく

のところでモニターに中指を突き立てるSUZUKAさん、最高でした。なんかもう「ひゃあああ」って変な声出してました。身体中の血が湧き立ちましたよ。

改めての自己紹介があったのはチルアウト的な『知りたい』の後だったろうか。東西南北それぞれに組体操を見せてくれる。こういうサービスも楽しい。最後の東でやった組体操のシャチホコみたいなやつの時にMIZYUさんが耐えきれず潰れてしまったのも可愛かった。カッコ良さとこういったワチャワチャ感が同居しているのもリーダーズの魅力のひとつでもある。

RINさんのDJで始まったメドレーコーナーも楽しかった。『Fantastico』でのRINさんのスローダンスもカッコいいし『Pineapple』のKANONさんとMIZYU さんのコーラスも相変わらず美しい。

ライブ終盤の展開もアツすぎた。スタンドの様子を眺めると武道館が青い光=青春の光に包まれている。『最終人類』で掲げた手はそれぞれステージの4人に向けられていて、少しベタな言い方をしてしまうけれど武道館全体がひとつになっているような感覚があった。「次が最後の曲です」となった時の観客からの「えー」に対してSUZUKAさんは「えーって言う時間あったら、もっと声を出せ!!」とアジる。この煽りは以前にも聴いた事があるけれど、この夜にはもっと魂の叫びのような切実さがあった気がする。

そうやって始まった『青春を切り裂く波動』は、まさに血湧き肉躍るという感じで武道館全体が揺れていた気がする。

僕は一生あなたと一緒

いるわけないのに

そう。だから一瞬一瞬を大事に尊いものとして掴まなければならない。いつかは手から溢れ落ちてしまうかもしれないけれど、今この時は間違いなく輝いているこのキラメキを。

アンコールは『オトナブルー』から始まった。この日は本当に老若男女のパイセン達が集まっていたが小さな子が楽しそうに踊っているのを眺めているとグループが大きくなったという事を改めて実感する。そしていよいよ我らがアンセム『迷えは尊し』の時間がやってくる。正直、ラストがこの曲になるのは分かっていた。しかし、この夜の『迷えは尊し』はこれまで観てきたものの中でも最高にエモーショナルなものになった。

始める前にSUZUKAさんは語り始める。「今までエンドレス青春なんて言ってきたけれど、最近になって本当にその意味を噛み締めている。(大意)」老若男女、誰もが青春を送ることが出来る、というのはこれまでもリーダーズのメッセージとして発せられてきたけれど、益々その意味合いの重要さを感じたという彼女の語りにグッとくる。そして、更に彼女はとてつもないパンチラインをぶち込んできた。

「自分らしく生きる事は、簡単じゃないんだよ」という叫びにわたしは思わず「あっ」と声を出した。〝自由や個性ではみ出して〟きたリーダーズだけれど、急激に大きな存在となった今、わたし達には計り知れないプレッシャーを抱えていた事だろう。こんなに感情を吐露する事は今まであったろうか。しかし、この発言はネガティブなものに留まる訳ではない。「でも、わたしには仲間がいたから(乗り越えられた)」と続ける。そこには「1人じゃないんだよ、あなた達も」というメッセージ=救いの光があった。そういえば、この日SUZUKAさんはライブ中に「不器用でも良いんだよ!」と語りかける事が何度かあった気がする。それは「大丈夫。わたし達が見てるから」という事だったのかもしれない。そんな事を思いながらの『迷えば尊し』はリーダーズ史上、最大のエモーショナルでパワフルなモノになった。まさに、我らパイセンのアンセムだ。ステージで抱き合う4人。泣くわ、こんなもん。

終わらない道の先

迷えど進む それが青春

リーダーズは大きくなった。大きな会場で観る事で距離は遠くなったかもしれない。でも、そこにはこれまでと変わらないリーダーズの魅力が詰まっているし差し伸べる手を掴んでいるような感覚がある。何しろワシらは青春部に入部しましたしね。