妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

火薬の匂いに喜びを。「新しい学校のリーダーズ 初アリーナワンマン2023『HAMIDASHITEIKU』10/29(日)東京体育館」雑感

f:id:mousoudance:20231029164020j:image

東京体育館に着くととても沢山の人がいた。グッズのジャージやTシャツ、タオルを身につけた多くのパイセン達が集まっている。物販やガチャ、CD販売などの風景を見ていると大きなLIVE前という雰囲気が満ち満ちている。

それは色んな現場で見慣れた風景ではあるけれど、集まっている人たちが皆、これからのLIVEを楽しみにしているというのが良くわかる。セーラ服姿の人たちも沢山いて、いつものリーダーズのLIVE以上にLIVEを楽しむ準備が万端、仕上がってる。そんな中でもカラオケ大会のコーナーがあるのも小さな驚きだった。JOYSOUNDがスポンサーのようで小さなステージで参加者の方々が歌を歌っている。参加する勇気はわたしにはないけれど、オーディエンス含めて盛り上がっている様子は、とても素晴らしい空間だった。

開場が押したのと同じように開演も15分ほど遅れていた。しかしストレスは全くない。それもまた大きなLIVEの証とも言えるからで、開幕前の四つ打ちビートが鳴らされた瞬間から脳内アドレナリンがドバドバに分泌される。

はい、最高でした!!

大きな会場で観るリーダーズは、全く臆するところのない、というよりも風格すら感じるパフォーマンスぶりだった。レーザーやパイロといったド派手な演出や多彩なゲストの参加により構成されたステージを観ていると、大きくなっていくグループの道程を目撃しているような気分にもなる。H ZETT Mさんのコーナーもアガるコーナーで、特に『恋ゲバ』の赤いステージはこれまでのリーダーズの歩みがある高みに到達したかのような快感があった。

相変わらずセトリの細かいところは海馬から溢れ落ちているけれども、新旧バランスよく織り交ぜた印象。多くの人にとってフックとなった『オトナブルー』も丁度いいところに配置されていて、グループを大きくしてくれた曲として丁寧に大事に扱っている事の証だ。これは当たり前の事のように見えて、とても大事な事のように思う。こういうバズったきっかけとなった曲は、当然のように色んなLIVEやTV出演でパフォーマンスする機会が多くなり、その事に疲弊したり或いはシニカルなスタンスを取りかねないものだ。そうする事でグループはスポイルされてしまったりする。そうなっていない事がしっかりと伝わって来た。そして『オトナブルー』が初披露されたあの場所にわたしはいたのだ、と静かに誇らしく思ったりもする。

あれは『恋文』だったろうか。モニターに映し出されるシルエットと生身のメンバー達が入れ替わっていく演出も(一瞬ライゾマが絡んでいるのかと思った、多分違うけど)、リーダーズの身体性とテクノロジーが交差する一瞬がスリリングで印象的であった。或いは、アメリカンファミリーズのブロック。所謂〝茶番コーナー〟的な緩さと思わせて、しっかりとパフォーマンス部分がカッコいいから困る。いや困らないんだけど、あのコスチュームで演る『Pineapple Cryptonite』に何故あれほど圧倒されてしまうのか。RINさんなんか、ヒゲはやして中年腹してるのに、あの踊りのキレ。KANONさんやMIZYUさんのコーラスもいつも通り美しい。あと偽リーダーズの方々の高いパフォーマンス(と、やさぐれ演技)も含めて、このブロックは言ってみればミュージカル的なエンタメとしてもパッケージされていた。

『NAINAINAI』では3階ステージに登場。決して珍しい演出ではないけれど、初めてのアリーナでなるべく多くの人にパフォーマンスを届けようという意思を感じた。それは花道やセンターステージにも現れているけれど、最も印象的だったのは学ランでの『Pineapple Cryptonite』のリミックスの時だ。一度、花道まで到達したけれどSUZUKAさんは「違う。みんなコレ楽しみにしてたバズ。これじゃダメ。もっと盛り上げる瞬間にしないと(大意)」と言ってやり直した時だ。確かにわたしもコレは凄く楽しみしていた。しかし、あそこで(1回目に何があったかは良く判らないけれど)〝時間を巻き戻す〟という勇気はなかなかではないでしょうか。わたしはセンターステージにいる4人の背中に大きく刺繍された「青春日本代表」という文字を眺めながら身体中がアツくなるのを感じていた。

そこからはエンディングまで記憶が飛ぶくらいに盛り上がった。我武者羅応援団さんのアジテーションはもちろんだけど、『Tokyo Calling』が予想以上に涙腺を刺激した。何かと立ち行かない人生、生き辛さを感じる者への真っ直ぐなエールが心に刺さったのだろうか。神輿に乗ってセンターステージに向かう花道でSUZUKAさんは決意に満ちたキリリとした表情をしていて、それもまたわたしのエモーショナルな部分を増幅させたのかもしれない。本編のエンディングとしてカタルシスを感じる空間だった。

そしてアンコールを含めてラストはワシらのアンセム『迷えば尊し』だ。手を振り上げて、わたし達は青春を生きる。これまで何度もLIVEで体験して来たけれど、やはり今夜の『迷えば尊し』はまた格別だった。青春日本代表を背負うリーダーズと共に、わたし達も歩んでいくという実感があった。ステージから4人が見ていた風景はどんなものだったろうか。

溢れ出すこの感情

終わらない道の先

迷えど進む こそが青春

発表された武道館LIVE。そこに驚きはない。進んでいくリーダーズについて行くだけだし、ワシらもまだまだ青春しろって事やね。