妄想徒然ダイアリー

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あした、きっと無限。『私立恵比寿中学 新春大学芸会2024〜高く飛ぶ竜と僕らのその先〜DAY2』雑感。

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大学芸会らしい華やかさと高いパフォーマンスが共存している、そんなステージだった。企画っぽいソロはなかったけれど、大太鼓や大喜利コーナーなどのワチャワチャ感とヌルいMCは、エビ中らしさ満載だし、低学年組と高学年組に分かれたユニットもそれぞれ個性がとても良かった。新旧織り交ぜたセトリもバラエティに富んでいて楽しいし、終盤のバンドセットも最高だった。

それにしても低学年組のパフォーマンスがどんどんと良くなっている事を改めて感じた。エマユナの即戦力感は言わずもながだしココユノノカにも頼もしさが出てきた。中でも小久保さんの表現力がメキメキ高くなっているという印象が強い。こんなに歌上手かったっけ?と驚いたくらいだ。低学年組ユニットの『さよなら秘密基地』だったと思うけれど、かなり重要なパートを任されていた気がする。すっとぼけた立ち振る舞いは相変わらずだけど、中継カメラのアピールなど含めて成長の度合いが著しい。

変則的な『サドンデス』も楽しかった。「〇〇…アウト!」となるところを風見さんがことごとく「セーフ!」とやって誰も脱落しないという茶番的展開で、最後まで元気に踊りまくる風見さんの頑張りを見ながら笑っていたのだけど、段々と〝生き続ける事への賛歌〟のように感じられてりったんの「立ち上がれ!私立恵比寿中学!」の時にはちょっとグッと来ている自分がいた。こんな形で泣かせてくるとは。

アカペラで始まった『Anytime,Anywhere 』や『お願いジーザス』も良かったけれど、『ポップコーントーン』で始まったバンドコーナーで一気にアドレナリンが分泌される。改めてたむらぱん曲の良さをしみじみと感じるし、メンバーの半数が二十代となった『大人はわかってくれない』にはこれまで聴いてきたものとは違う何かがそこに産まれていた気がする。特に10年歌い続けてきた年長組によってこの曲にこれまでなかった化学反応が起きたような感覚があった。

だって泣きそうな顔してしていたら

なんだかんだ心配させるでしょ

痛くも痒くもないフリして

はしゃいでる私たちだから

これまでのグループの歴史、その中で起きた様々な出来事を経て私立恵比寿中学という存在を支えてきた年長組によって、この歌の主語は変わっているようにわたしには感じられた。大人になっていく事を受け入れながらも、それでも大人にはわからない事が(この子達=年少組には)あるんだ、という視点が新たに加わったようにも思えてならない。10人体制の今だからこそ響いてくるものがある。

安本さんが花道を疾走して歌った『君のままで』は色々と立ち行かない世の中へエールのようにも感じられて、とても良かったけれど、何しろ『ジャンプ』が素晴らしかった。〝もう一度愛を込めて〟のところを10人全員が順番に歌っていったときのカタルシスはこの日の白眉だったかもしれない。〝これからの先へ高く飛ぶ〟というメッセージにもなっていたし、「これから、このエビ中でいくんだよ」という宣言にも思えた。そして10年間歌い続けられている『頑張ってる途中』の通り〝まだまだ成長中〟のエビ中なのでした。