妄想徒然ダイアリー

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わたしの目に映る碧色。『私立恵比寿中学 Concept Live〜MOVE〜6/12(土)@カルッソかわさき』雑感。

よく考えてみれば今までは誘われる形での参戦ばかりで、なんだかんだでひとりでエビ中LIVEに臨むのは初めてかもしれない。

という訳で

私立恵比寿中学 Concept Live〜MOVE〜

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一週間前には大宮でも開催されていて、配信されていたニコ生のタイムシフト予約もしていたけれど結局予習しないで当日を迎えた。指定席だし開演ギリギリでいいだろう、と思いながら結局はソワソワして開演時間に会場に到着。入場もスムーズでグッズ購入も混乱なく出来た。そういえばエビ中Tシャツ、初めて買う。

カルッソかわさきは新しい施設(というかリニューアル?)でトイレも綺麗で気持ちが良い。わたしは2階席だったけれど、ステージもよく見えて良いホールというのが第一印象。座席は立派とは言えないけれどどうせ座ってないんだから関係ないと言えばない。

ほぼ定刻通りに開演。

ステージには薄い幕が張られたままで、その向こうにメンバー達の姿が確認出来る。「無限ルーパー」の歌詞が幕に写っている。目の前に少し不思議な空間が広がっているが、しかし、確実にわたしはLIVEに来ている、という実感もあって一曲目から感傷的になっている。

わたしの席からの視界はこんな感じf:id:mousoudance:20210613032957j:imageで、メンバーそれぞれの細かい表情まではもちろん目視では判らない。でも目の前に踊っているのは真山さんで、美怜ちゃんで、柏木さんで、ぽーちゃんで、りったんだ。当たり前の事を言ってるけど、これが当たりでないのが今の世界だ。

あれはシンガロン・シンガソンの時だったろうか、少し記憶が曖昧だけれど美怜ちゃんが振り上げる手がとても力強くて、その力強さは最後のMCにも繋がってくるのだけれどそれはまた別の話。

「曇天」「踊るロクデナシ」も何度かLIVEで観ているけれど、本当に何というか大人なエビ中もすっかり安定してきたという感想を抱く。きちんとエビ中のみんなの成長にフィットした曲になっていて(もちろんワチャワチャと騒ぐ曲の楽しさもキープしながらではあるけれど)こういう変化をみると安心するというか、エビ中まだまだ大丈夫という気持ちになる。

そして本日はぽーちゃん21歳の誕生日。21ですよ!21!色々と感慨深くなってしまう。サプライズでケーキが登場するくだりも、とても暖かい空間で、エビ中らしい優しさに包まれた祝福の仕方に感じた。

f:id:mousoudance:20210613033039j:image※ステージには餃子もビールも出てきてません。

さて。

柏木さんに自由へ道連れされたりしているうちに、ステージに真山さんと柏木さんの2人だけが残る。「ふたりでピッタンコ」的なクイズコーナーでしばしクールダウン。しかし、こういうコーナーも緩いなりにまとまっていて、こういうところにも余裕のようなものを感じるのです。

そしてこの時、柏木さんの髪が深い緑色である事に気がついた。だから何だ、というつもりもないけれど、その事がとてもわたしの感情を揺さぶってくる。※しかし、後で色んな写真を見ると場合によっては青っぽく見えるものもある。ここは碧色という事で、どうか。

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ユニットコーナー。美怜ちゃん、ぽーちゃん、りったんによる「藍色のMonday」は実に正しい気がした。それぞれのカラーをメインにした色とりどりの衣装、3人組である事、コミカル&魅力的な振り付け…そういった要素ひとつひとつがツボにハマる。一瞬、リップシンクに見えた場面もあったような気がするけど、よくわからない。続く真山&柏木コンビによる「日進月歩」もクールな衣装とダンスがマッチしていてカッコ良かった。「PLAYBACK」のアウトロから「愛のレンタル」に繋がるところもとても印象的で、さっきから同じ事ばかり言ってるけど、クールとキュートと成長した大人のかっこよさが詰まっている。つまりはこのLIVEの全体がそういった魅力に溢れていたと思うのです。

2,000人クラスのホールはエビ中にとっては大きな会場には入らないかも知れないが、この状況下で席の間隔を空けずに有観客で開催することには色んなハードルや政治的判断があったことは想像出来る。そんな中でどれだけ目の前の観客を楽しませて、かつ自分達のパフォーマンスを出し切るか、という事に彼女達は苦心してきたのだろう。

例えば、「Lon de Don」における柏木さん(最近ボスって呼ばれてるのは何故?)の振り付け講座も、コールや声援を出さないわたし達がもっとLIVEへ参加している感覚を味わう為のツールとして成立していて、そうやってこのLIVEをより良きものにしていこうとする意思を感じる。そして、こういうのは全力で楽しむのが正解である事をPerfumeあ〜ちゃんで鍛えられているわたしは知っている。

「シングルTONEでお願い」では白いスツールに座って歌う。照明を落として、メンバーそれぞれが持つキャンドルライトの淡い光に包まれたステージはとても良かった。5人それぞれの歌声がストレートにこちらの心は届いてくる。りったんの手元のライトがリズムに合わせて終始揺れていたのも、何というか、推せる。

そしてこの曲の時には我々も着席していた訳だけれど、その終盤に真山さんから発せられた「Stand up」の一言、そして「I'll be there」に繋がっていくところ、エモーション爆発でした。

終盤のMCで美怜ちゃんは、このコロナ禍でLIVE開催が出来た事への感謝と今目の前で広がっている光景への思いを語る。ストレートでシンプルな言葉だったけれど、この胸に響くメッセージを、わたしは衒いなく受け止める。

ラストの曲は「ジャンプ」だった。この曲はいつ聴いてもいつ観ても涙腺が刺激される。今回も例外ではない。

曲が始まる前に柏木さんからこう告げられた。

「いつも応援のために持ってくれているサイリウムは、ちょっと置いておいてクラップをして下さい。」

コロナ禍以降、色んなLIVEで大声を出せない中でクラップで声援や思いを伝えるケースはこれまでもあった。しかし、これほどクラップが感情を昂らせたことはなかった気がする。普通は曲の邪魔にもなりそうな会場全体の拍手の音は、エビ中を応援するものになっていた。同時にこのLIVE全体を動かす原動力、その鼓動をわたし達が担っているかのようだった。

世界は楽しいってさ

真っ暗闇じゃないってさ

おとぎ話じゃ終われない

これは心臓のドラマだ

私立恵比寿中学「ジャンプ」作詞・作曲 石坂ひゅーい)より

世界にはいつか明るさが戻ってくる。そう信じている。信じたい。わたし達は心臓の鼓動となり、この世界を動かすのだ。叩き続けられた拍手の音は、間違いなくこの曲の一部となった。

と、そんな事を考えてしまうくらいに熱い空間だった。

あっという間の2時間が過ぎた。ステージを去る5人を見送り、最後に一礼をしていく柏木さんを網膜に刻みながらほとんどネオンの消えている川崎の街を駅へと向かうのでした。ビールと餃子で一杯やりたい気持ちをグッと抑えながら。