妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

階段落ちと犬の顔。【映画】『ジョン・ウイック:コンセクエンス』雑感。

【本予告】『ジョン・ウィック:コンセクエンス』9/22公開 - YouTube

f:id:mousoudance:20230923164827j:image

トム・クルーズとともにキアヌ・リーブスもまた、アクション映画を牽引してきたひとりとしてリスペクトしかないし、同時代に生きている事に喜びを感じている。

160分隙間のないアクションの連続で終始カロリーの高い状態が続く。だからといって飽きが来たり、胃もたれするようなこともなく最後まで楽しめる。アクション映画の新たなエポックであることは間違いのないこのシリーズとしての面目躍如という感じで、思わず拍手を送りたくなる場面が沢山あった。挙げればキリがない。

もはや〝とんでもニッポン〟みたいな違和感を抱くこともない大阪編。やはり真田広之ドニー・イェンの存在感にゾクゾクする。ケイン(ドニー・イェン)の飄々としながらもキレのある動き、コウジ(真田広之)の重厚感のある佇まいと刀捌きの美しさに惚れ惚れとする時間だった。こういった見せ場には、チャド・スタエルスキのアクション映画、アジアの先達へのリスペクトの現れなのだろう。

ベルリン編のクラブ『天国と地獄』のオーナー(スコット・アドキンス)の存在感もなかなかだったけれど、やはり終盤のパリ編が白眉だった。怒涛の矢継ぎ早のアクションの連続。車がバンバン行き交う中でのジョン・ウィックの無双ぶりが素晴らしい。その中でも車でグルグル周りながら銃を撃ちまくる場面には言葉では説明できないけれど、なんとも言えないカタルシスに満ちていた。劇場で思わず「わーお」と言いたくなったと言えば、わたしの感情の高まりが伝わるだろうか。或いは、屋内を移動しながらの銃撃戦。俯瞰の位置から捉えた映像は、まるでゲーム画面のようで、このシーンもアドレナリンがドバドバ分泌される見所だった。

クライマックスの〝対決〟に至るまでのスリルも、思わず「ああああああッ…!もうッ…!!」と言いたくなるほどヤキモキされるもので、次第に笑ってしまう程のギャグ的展開ではあったけれど、それだけにラストの落とし前の付け方にグッと来てしまう。

ジョン・ウィックの見る風景が果たして救いになるのか赦しになるのか、それはよく判らないけれど、いずれにしてもそこにあるのは避けようのない〝報い=コンセクエンス〟だ。その報いを、どのようにして受け入れるのかによって、復讐の連鎖の行く末は決まるのかもしれない。

いずれにしてもワンちゃんは大切に扱わないといけませんね。