妄想徒然ダイアリー

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play it loud! 高笑いで幸せになれ!眉村ちあき『ぎっしり歯ぐき』を聴く。

もしあなたがまだ眉村ちあきを聴いた事がないのであれば、今すぐ近くのタワレコへ飛んでいって店頭に並んでいるCDを掴んでレジへ行くか、あるいは手にしているそのiPhoneiTunes Storeのダウンロードボタンを押すべきだ。

 

と、アメリカのコラムみたいな始まり方をしてみたが、つまりは「いいから聴いてみて」と。

過去の音源の再録で二枚組。インディーズ時代の音源をベスト的にリリースするケースはよくあって、これもその例に倣う訳だが、しかし単に過去音源を集めたものとは違う。その全てが再録され、かつ良い方向にアップデートされている。

トラックはもちろん歌詞も微妙に変更されているものが多い。固有名詞やサンプリング(と言うよりモロ引用)している他アーティストのメロディなどが、様々な大人の事情で変更を余儀なくされているケース(〝ちゃらんぽらん〟などはタイトルまで変わっていている。しかしこの変更がまた痛快なほど新たな魅力を産んでいる)もある。あるが、その変更がきちんと楽曲の良さとして昇華されている。そこが凄いとこでもある。

前のバージョンと比べてどちらがどうだ、という話ではない。どちらも良いのだ。

個人的に今回のバージョンではCRAYON とピュアのアレンジにかなり心動かされた。

歌唱の表現力の違いやトラックの奥行き、少しだけ変えられた歌詞に思わず声を出しそうになる。旧バージョンの初期衝動をぶつけるような歌唱も心を打つが、今回のアレンジに抱く感情は何だろう。上手く言えないが、とにかく「更新された事で産まれる快感のようなもの」がそこにあるのです。

さらにアルバムを聴いていくと、ここ数ヶ月虜になったわたしにとっては聴きなれない曲が終盤にやってくる。Liveで一度聴いた事がある曲やタイトルだけ知っている程度。以前のバージョンを知らないので、それとの比較は出来ないが、最後にこういう初期の曲を持ってくる構造にちょっと驚いた。円環構造というフレーズが頭に浮かんだが、それを元に何かロジカルな話をする頭はわたしにはない。ただ、初期の曲を最後に持ってくる事で眉村ちあきを産み直すような印象を受けた。オギャー!

 

このアルバムは大音量で聴く事をお勧めしたい。特にイヤホンで聴いていると脳みそかき回されるような快感があります。そして最後には多分高笑いして幸せになると思うよ。

 

おまけ。

1/9 リリイベでの眉村さん。このリリイベもなかなか凄かったけど、それはまた別の話で。

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