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酔いどれ大天使の子守唄を聴け!【映画】『夢の音』雑感。

映画の見方は色々で「好きな役者が出ているから」でも「とにかく派手なアクションが観たい」でも各々が好きなスタンスで接すれば良い。とにかく楽しめればOKというのもそれはそれで正解だ。

という事で観てきました。

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『夢の音』

予告編→ https://youtu.be/HRlz6jdCjAM

言うまでもなく眉村ちあきという存在ありきでわたしはこの映画の存在を知った。彼女に出会っていなければこの作品も観ることもなかったと思う。それがわたしの鑑賞前のスタンスだ。

さて。

最初にですね、上映時間が99分なんですよ。真面目な話、これは重要なポイントです。映画は基本100分くらいに収まるのが正しくて、いや確かに2時間3時間で良い映画ってのは勿論ありますが、それはどちらかというとイレギュラーな話。だいたい良い映画ってのは100分くらいにまとまってます。それだけでポイントアップです。

プロの役者でない人が中心のキャスティングは確かに拙い印象を与える。或いは(正直それが意図的なのかどうか図りかねているのだが)録音もアマチュア感のある印象で、特に屋外ロケのシーンで街頭の雑音(風や電車の音)がそのまま取り込まれている事から考えるにおそらくそういった〝プロ的なテクニック〟を敢えて除外した形で撮影されている印象を受けた。

結果的にこれは成功していて、少なくともわたしは何度か鳥肌を立てる事になる。そういった画面の中で葵(眉村ちあき)が歌い始めると一気にその歌のパワーがこちらにインパクトを与える。

特にShowroom配信で葵が「お前らの為に捧げる子守唄だ」と覚醒したかのように歌い始める刹那は素晴らしい。その瞬間を捉えただけでこの映画は成功したと言える。実はエンドロールでこれが〝薫に捧げる子守唄〟だという事が判るのだが、このあと葵は2度子守唄を歌う。それぞれ捧げる相手は違う。友と姉にそれぞれ捧げられた子守唄の場面はいずれも感情を揺さぶられた。

そう彼/彼女達は葵の唄に赦され救われ癒されている。そしてそれはわたし達も同じだ。

正直に言うなら、気になる箇所がいくつかないわけではない。しかしそれはこの映画の瑕疵にはならない。そんな事が気にならないほど唄のシーンは素晴らしい。ある意味ベタな千夏(佐久間みなみ)や夢乃(小田夢乃)を巡る救いや赦しの場面も好印象を持ったくらいだ。

終盤ある場面で葵の唄を真正面から受け止めるしかない仕掛けがある。一瞬の戸惑いすらあたえ兼ねないこの数十秒の試みからも、眉村ちあきという存在、そのパワーを世間に知らしめようとする監督の意図や想いを感じた。

 

とかなんとか言ってますがわたしはほとんどの時間、ニヤニヤしてるただのオタクとなっていた。いやだってトイレでパン食う眉村さんとかギターをワザと下手に弾く眉村さんとかお姉ちゃんと喧嘩してんのに頭には可愛いウサギ乗っけてる眉村さんとか謝罪会見してる眉村さんとかが観られるんですよ!ニヤニヤしないでいられます?

吉祥寺ココマルシアターでの上映も終わるという事で最後にキャスト達の〝ありがとう動画〟が流れた。皆さんがそれぞれの思いを伝える中で我らが大天使ちちゃんの最高で最狂な動画で全てがぶっ飛んだ気がする。そしてそこでもしっかりエールを送るあたり、流石です。

あー眉村さんのLive早く行きてーな。そんな気持ちになったのでした。