このアルバムはどこから切っても珠玉の曲状態で、例えるならoasisの『モーニンググローリー』並みに全曲シングルカットしたいくらいだ。
1.ほめられてる!
あなたが眉村ちあき初体験なら冒頭の素っ頓狂なアカペラに怯んでしまうかもしれない。でもスキップボタンを押すのは待って欲しい。そこから始まる世界はきっとあなたを異世界に運んでくれるはず。さあ、眉村ワールドにようこそ。
2.ビッコロ虫
生き物のようにその時々で変わっていく彼女の曲の中でも、この曲は歌われるシチュエーションで感じ方が違ってくる。〝明日朝起きたら小松菜奈になってますよに〟という歌詞は時に〝なってなくてもいい〟と替えられる。ちなみに個人的に〝なってなくていい〟バージョン好き。
※最近また新たな更新がされたという噂。それは是非Liveで体験したい。→先日「眉村ちあきのままでいい」バージョンを体験!
3.奇跡・神の子・天才犬
ポリシックス対バンでインスピレーションされて作ったとされるこの曲を初めて聴いた時はぶっ飛びましたね。〝ここは僕の最終地点じゃない。まだこの人生のエンドロールなんて流したくないや〟の歌詞にふるえる。MVがとってもチャーミングなので観て欲しい。
4.開国だ
はい、来ました。ド名曲。ジャジーなところからクライマックスへの盛り上がりが堪らん。これは是非ライブ体験して頂きたい。〝開国だー〟のとこの姿は神々しい。
5.Queeeeeeeeeen
文字通りクイーンというかボヘミアン・ラプソディにインスパイアされた色んな要素たっぷりの振り幅ナイル川曲のひとつ。途中の〝左手だけで踊る人〜右手!〟のくだりはLiveではコール&レスポンスされるので、それを頭で想像しながら聴くと更に効果抜群。
6.なんだっけ?
個人的には弾き語りのイメージが強い曲。しかしこのトラックをバックに歌われる時の疾走感もまた素晴らしい。一見ネガティブな感情がベースになっているようでいて何故か応援されているような気すらしてくるから恐ろしい。
7.ヘチマで体洗ってる
私が初めて観たのはフィロのスとの対バン(2018.09.17フィロのス定期公演の第二部ゲスト)の時の映像。一部だけ参加して二部を観なかったわたしはその映像がファーストコンタクトと言ってよく、この曲一発で「この人…只者じゃないな」と思った。Liveで観る度にブラッシュアップされ、コミカルな歌詞ながらファンクなリズムの完成度が素晴らしい。この時の踊る眉村さんも必見です。
8.書き下ろしの主題歌
というタイトルをつけるのは一種の照れかな、と勝手に思っているが、つまりそれくらいしっかりとJポップとして完成している。もちろんそう思っているとスッと身をかわされるような一筋縄では行かない部分もある。
途中で思わずパンパン!と手拍子をしたくなるように作ってあるのは意図的なトラップだろうか。
9.おじさん
彼女のレパートリーの中では珍しくストレートな恋愛感情をテーマにした曲。シンプルな歌詞はこちらにドンと衝撃を与えるようなパワフルさがある。おじさん世代はもちろん同年代もそれ以外も、あらゆる世代に感動を与える曲です。
10.代々木公園
さて来ました。落涙必至のこの曲。
代々木公園でファンと遊ぶ姿はある意味〝眉村ちあきの特殊性〟を表すアイコンのようなもので、とても親密度の高いパーソナルなものだ。
そういったコアな出来事を普遍的なステージにまで引き上げて歌ったところにこの曲の凄みがある。
実際に代々木公園で遊んだ人はもちろん、そうでない人もこの曲を聴けば一瞬でその世界まで行くことが出来る。そんなマジックがこの曲にはある。
11.ゲロ
一躍彼女の名を拡げた「ゴッドタン」で披露された即興曲。ウンコ同様、ゲロゲロ言ってるのにこんなに美しく変化させられるのは彼女にしか出来ない。
12.Teeth of Peace
驚くなかれ、この人はラップもイケマス。自動書記的に紡がれる言葉は時にとてつもない輝きや心を掴むようなフレーズが出てくる。
〝歯医者に行ったけど間違えて予約してない別な歯医者に行った〟言ってみればただそれだけのことをリズムに乗せてスローにライムしてるだけなんだけど不思議な感動がある。社会との折り合いがつかない不器用な者へのエールでもある。
13.荻窪選手権
Liveでは欠かすことの出来ないキラーチューンのひとつ。途中で入る炭坑節で一旦チルアウトしてからエンディングまでのスピード感は中毒に。
14.ブラボー
この曲の〝エンディング感〟のポテンシャルの高さは素晴らしい。普通にドラマのエンディングに使っても全く違和感ないどころかカタルシスを感じること間違いなし。
長いMVも必見。
15.本気のラブソング
畳み掛けるように怒涛のレベルの楽曲が続く。パワーワード満載の曲の中でも〝ハゲてもハゲてなくてもこの気持ち変わらないよ〟というフレーズが持つ凄み。価値観の逆転すら感じる。
彼女はLiveでこの曲を演る時は本当にひとりひとりの顔を見て歌っている。多分それは千人でも一万人でも同じようにやるだろう。そんな思いの込められた曲。
16.大丈夫
17.100人眉村の大丈夫
こちらも「ゴッドタン」のコーナー(スナック眉村ちあき)で作られた即興曲が元になっている。テレビ初披露時からLiveでブラッシュアップされているが、Cメロって言うのかな
〝洒落た言葉では表せないけど
うまくやろうとするとダメだな
私に出来る事一個〟
のくだりは鳥肌モノ。
reprise 版の100人〜も素晴らしい。
こちらのMVも落涙必至。
18.ハゲ放題
これほどハゲへの慈愛を感じる曲がかつてあっただろうか。この曲で締めくくられるのも実に彼女らしい。
という事で間違いなく令和時代のキーパーソンとなる事間違いなしの彼女。
このアルバムを是非聴いて、そしてLiveでノックアウトされて下さい。