妄想徒然ダイアリー

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私はずっとここにいたよ。そしてこれからも。6/28(金)&6/29(土)『BABYMETAL AWAKENS-SUN ALSO RISES-』@横浜アリーナ 雑感。

確かにミック・ジョーンズのいないクラッシュはクラッシュじゃないかもしれない。ジョニー・マーがいなくなった時点でもうスミスは解散するしかなかった。

だからオリジナルメンバーが欠けてしまったバンドやグループを認めたくない、という気持ちも分からない訳ではない。わたしだってそうやって好きだったグループから気がつけば距離を取るようになった経験はある。

でも、でもね、欠けてしまった事実を噛みしめながらも前へ前へと進んで行かなくちゃいけない事だってある。そしてその苦しみがやがて美しい輝きを見せる事も。

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という事で行ってきました。

『BABYMETAL AWAKENS-SUN ALSO RISES-』

1日目はシート、2日目は超MOSH’SH PITで参戦。それぞれ違った楽しみ方が出来て大満足の2日間だった。

ネタバレもあるかも知れませんのでご注意下さい。

 

6/28(金)広島からの刺客

開場時間が1時間押しというのもなかなかの試練で、夕方からとはいえ湿気の高さで不快指数がぐんぐん上昇していく。何かしら深刻な事態がおきてるのではないか?広島の聖誕祭の事がふと頭をよぎる…。

とか言いつつ入場してしまえばテンションが爆上がりするわけで、DOKI DOKIしながらシートに座って開演を待つ。

幕開け早々にステージに立つのは3人の姿。3人目が誰であるかに関わらず、このトライアングルはやはり美しい。

おそらくは色んな取捨選択、色んな葛藤があった上でのベビメタ=トライアングルであるという結論。様々な意見があるとは思うが、個人的にはこの選択は良いと感じた。いいよ!いい!

chosen7の時にいた子とはまた違うようだが、この謎メタルちゃんもなかなか頑張ってるというか妙にハマってて違和感がない。(その理由は後で判明するのだけれど)

新曲から始めて一瞬ポカーンとなりそうな客席を続く「メギツネ」で一気にヒートアップさせ、そこからはとにかく祝祭感に満ちた1時間だった。

SU-METALの日本語MC(最初だけだったけど)も嬉しいが、彼女のボーカルがホール内に響きそれを聴くことの出来る喜び。

全く初見の新曲と比較的に新し目の曲と定番曲、その構成もバランスもよく、衣装やメイクの印象もあってか原点回帰しつつ進化しているベビメタを見せられたような感じ。

インド風の新曲ではモニターにMVのような映像が。でもよく見るとLive映像を転用しているようでもあり、ははーん、これライゾマだな?

いやしかしこの時に映ったMOAMETALの可愛さったらね。二十歳を迎えた彼女もどことなく動きにしなやかさが加わったというか、また新たな魅力が出てきたんじゃないだろうか。

さて「PA PA YA!」ですよ!朝からダウンロードしてから半日しか経ってないけどすっかり自分の中でLiveで観たい曲のひとつになっている。盆踊り風の振り付けも楽しいし、このお祭り感は紅白の中に入れても全くの違和感がない。その祝祭ポテンシャルの高さは中毒になる。祭りだ!祭りだーーーー!

ゲストにF✳︎cking HEROが出てきたのには少なからず驚いた。ワンマン Liveという空間において、BABYMETAL以外の人間が同じステージに立つというイメージがないからだ。そういう意味でも新たなグループの形が生まれつつあるという印象を持った。

ポニテツインテ、スカート衣装という原点回帰と新たな地平へのチャレンジ。やや大げさかも知れないがそんな事を考えてしまうようなステージだった気がする。

「THE ONE 」の間奏部分ではSU-METALのとんでもなく美しく力強い表情がモニターに映し出される。何かを射抜くような強さと同時に包み込むような優しさをも感じるその眼差しは、わたしの心を鷲掴みにした。素晴らしい。これで日本語バージョンだったら昇天していたよ、わたしゃ。

そして最後は「ROR」で締める。〝君が信じるなら 進め 答えは ココにある〟でMOAMETAL(と謎METALちゃん)が床を指差す振りが大好きでいつもあそこでゾクゾクしてしまう。

そう、彼女達は進んできた。今回のLiveで「カワイイメタルが戻ってきた!」「コレだよ!コレ!」という声を目にする。いや確かにそれはその通りでもあるのだが、彼女達は〝戻ってきた〟訳じゃない。ずっとそこにいた。そこにいて走り続けていた。

最後の〝We are BABYMETAL!〟はいつもより感情がこもって聞こえた。SU-METAL、MOAMETALだけじゃない神バンドも私たち観客もそしてサポートメンバーの謎METALちゃんも。みんなみんなBABYMETAL。

この夜の〝うぃーあー…〟にはちょっと涙出そうになった。

仕事帰りのまま横アリに来たわたしは汗でじっとりとしたズボンの不快さや疲労も心地よく感じ始めていた。

そんな爽やかな気持ちで会場を後にしたが、帰宅して私の目に飛び込んできたのは謎メタルの正体だった。元モー娘。鞘師里保だと?????

わたしはハロオタではなかったが、彼女の名前は勿論知っている。モー娘。のエースであり、アクターズスクール広島出身。そしてカープ鞘師の姪。

どんな経緯で彼女のプロジェクト参加が決まったのかは知る由もないし、「なんか大変なんだって?助けに来たよ」的なストーリーを勝手に作って勝手に感動するのも彼女達にとっては迷惑な話だろうけど、この出来事はなかなかの衝撃だ。

そして謎メタルが鞘師さんである事はLive中は全く表明されずにいた。名前を呼ばれる事もなく歌声を聴かせる訳でもないまま、サポートという役割に徹し高いパフォを見せる。そこに彼女のプライド、矜持を感じて胸が熱くなる。

いやちょっと待て。だとするとあの「KARATE」の間奏で倒れたところからSU-METALが手を差し伸べて立ち上がらせるところ、ヤバくないですか??

 

さて、この夜やらなかったあの曲やあの曲。それは次の日セトリに入るのだろうか。

そんなワクワクした気持ちを抱きつつ、わたしは2日目の超MOSH’SH PITへ臨むのでした。

 

6/29(土) さくらの遺伝子

2日目は超MOSH’SH PIT。昨日のように開場が遅れる事もなくスムーズに入場。わたしは超Aブロックに割と早めに入れたので花道柵の2列目あたりを確保できた。

セトリは昨日と全く一緒だったけど新曲の感触が昨日と全く違う。初見の時はどうしても探り探りになってしまったが、今日は一曲目からガンガンにノレた。

花道が目の前なのでSU-METALもMOAMETALも表情がよく見える。「メギツネ」、「Elevator Girl 」は花道の先にいる3人を背中から見る事になったが、いやアガるアガる。この時点で既に汗だく。ブロックの後ろではサークル出来ていたのだろうか、確認できてはいないがこの日はサークルモッシュには参加しないつもりで臨んでいた。ちょっと脚も痛いので。

昨日初めて観たインド風味だっぷりの新曲、間近で観るとまた違った魅力があって。あのインド首振りの動きが可愛いし、SU-METALの音階をせわしなく行き来するインド歌唱も良い。

「STARLIGHT」の前だっただろうか、フロアにレーザー光線が飛び交う様子は少しPerfumeでぽさがある。でこの辺り記憶がおぼろげなんでちょっと自信ないけど、(この曲だったかそれとも終盤の「THE ONE 」の方だったかも知れないけど)照明が落とされステージ後ろからの光で3人の姿がシルエットになる場面があって、とても神々しく美しかった。

PA PA YA‼︎」がすでに盛り上がりチューンになってる凄さをこの日も体感。やはりピットにいると一層お祭り感が増幅されて脳汁がドバドバ出ていたと思う。

シンプルなコールがまた初見でもノリやすい構造を作り出しているのだろうか。盆踊りに通ずる祝祭、カーニバル感満載でいやこれホント今年の夏のアゲアゲチューンですよ!

花道を通ってる時、SU-METALに煽られたような気がするな。目線も頂いたような気もする。ああああああ!楽しいっっっ!!!!!

終盤になって「THE ONE 」のイントロが始まった時後ろの方から〝ああっ…〟というため息とも悲鳴とも思える声が聞こえて、つまりはこのLiveがもうすぐ終わってしまう事へのリアクションだろう。もうそんな時間なのか、と。

間奏でのSU-METALの表情は今日も絶品で、最初モニターにドーンと大写しになった時の目は特に印象的だった。何かを達観しているようにもアドレナリンがドバドバ出ているようにも見えた。つまり何が言いたいかっていうと美しいって事。

そして最後の「ROR」ではしないつもりのサークルモッシュに参加してまして。やっぱりねあの法螺貝とSU-METALの〝広がりなさい〟ポーズを見てしまうとね。最初の一回だけは回っておきました。脚が痛かったはずなのにこの時は平気だから不思議なものです。

さて、ここまで敢えて書いていなかったけど、この日の3人目メンバーは藤平華乃ちゃんでした!ちょっとこれは感情揺さぶられましたよ。

最初は一瞬誰だがわからなくて、でもこの顔は知ってるぞ、と思いながら見てまして。花道を移動する時に「あれ?」と思ってモニターを見た時にようやく「華乃ちゃんじゃねーか!!!」と気づいた訳で。

いや頑張ってたなぁ。「ヤバッ」の時のダンスとか堂々たるもんだし、「ギミチョコ」の表情なんかも可愛かったですよ。「THE ONE 」の時は客席をひとつひとつ確認するように見渡して、ちょっとドキっとするね。

わたしはとても父兄と言えるようなものではないけど、15年度に転入してきた頃に、自分の2倍は身長がありそうな生徒会長磯野莉音ちゃんを持ち上げた彼女の記憶はあって。その他、配信番組での明るいキャラクターには馴染みがある。

そんな彼女が現在生徒会長だというのも時の経つのは早いなぁ、と思っているのに、今はBABYMETALとしてステージに上がっているなんてなかなか感慨深い。歴代生徒会長が揃った訳ですな。

前日の「KARATE 」に負けず劣らずこの日の間奏もエモーショナルで。SU-METALが最初にKANOMETALを一瞬見るんです。でも苦渋の決断をするようにしてMOAMETALを立ち上がらせる。そしてKANOMETAL の元へ行き手を差し伸べる。慈悲深い眼差しで。そこから観客も含めて一気に感情を爆発させるような展開に熱くならずにいられない。

 

彼女達に限らず表現者の活動自体とは別なところにストーリー性を加味して語るのもあまり良くはないとは思う。

それでもついつい物語性を見出そうとしちゃう。初日の広島(ASH)由来でやってきた鞘師里保、そして2日目のさくら学院会長という〝歴史〟を継承する者として現れた藤平華乃

それぞれの思いは違えど、その日その夜彼女たちは間違いなくBABYMETALだった。鞘師里保は、藤平華乃はBABYMETALだ。We’re BABYMETAL!!

 

となると3人目は一体誰なのか。走り続けるBABYMETALを追いかけるしかない。