妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

どうせ消えてしまう未来でも。『11/27(水)新宿系ガールズミーティングツーマン BILLIE IDLE®︎ /CARRY LOOSE@新宿LOFT』雑感。

かつてあれほど夢中になっていたモノに急に興味がなくなる事はよくある話で。まるで魔法が解けたみたいにパタリと、夢から醒めたかのようにソレから離れていく経験はわたしにもある。

しかし、ではその夢中になっていた時期が嘘だったかといえばそれもまた違う話で。その場その時、その一瞬一瞬は真実であり掛け替えのない出来事だったのは間違いないのです。

という事で観てきました。

『新宿系ガールズミーティングツーマン

f:id:mousoudance:20191128003844j:image

約2ヶ月前の眉村さんとのツーマンがファーストコンタクトで、まさにその日からハマったBILLIE IDLE ®︎は、わたしにとっては「まだ始まっちゃいねぇよ」状態なのだが、残念ながら今年いっぱいで解散となってしまった。

したがってわたしが彼女達のステージに触れられる機会は今回とラストLIVEしかない。もちろん長い間彼女達を追い続けてきた人たちには遠く及ばないが、わたしはわたしでわたしなりにBILLIE IDLE ®︎という存在を、この貴重な時間を、その一瞬一瞬を身体に刻み込むつもりで新宿LOFTに向かった。

やがて消えてしまうというゴールが分かっていても、今この時の輝きを網膜に焼き付ける為に。というのは少しセンチメンタル過ぎるだろうか。

CARRY LOOSE 

わたしはWACK界隈には明るくないが、かつての全裸PVといったトピックは目にしていたので、その頃から何となく色物的で露悪的な所という先入観を長い間抱いていた。

しかし何というか環境が状況を変化させるというか、やはりいま勢いのある運営だなという印象を抱かせるサムシングがありますね。そういうところへ輝く才能を持った子たちが集まってくるんですかね。いや良かった。

途中のMCでポニテの子(ユメカさん、かな?)が「これだけ解散経験している人が集合した対バンもないよね!解散って嫌だよねー!」と言っていて、なるほどこの子達にも当然歴史があり、その積み重ねがあって今があるんだなと。何というかそういう下地・基礎といった裏付けを感じるステージだったように思う。技術的に飛び抜けているとかそういう事ではないが、指先の動きにまで神経が通っている感じ。まあとにかく可愛くて曲もカッコいいし、良いですね。ボブヘアーの子、ウルウ・ルさんですか?推しそうです。

BILLIE IDLE ®︎

はー。とにかく楽しくてカッコよくて可愛くてそして、切なくて。あっという間の時間だった。セトリなんて覚えていられない。パンパンに詰まったLOFTで脳汁はじけました。

初めてLIVEを観てから2ヶ月。その2ヶ月でわたしの身体は〝彼方へ…〟で涙腺を刺激されるようになってしまった。逆に言えば、2ヶ月前までわたしの人生にBILLIE IDLE ®︎は存在していなかった訳で。なんと勿体ない話であるけれど、その過去は取り戻せない。わたしに出来るのは今目の前に存在している彼女達の輝きを自分の中に刻み込む事だけだ。

MCでウイカさんが言うように、もしかしたらこの新宿LOFTが最後の現場という人もいるだろうし、この夜を逃すと2度と観ることのできない曲もあるかもしれない。いや例え同じ曲をやったとしてもこの夜の瞬間は2度と訪れない唯一無二の出来事だ。

〝どうせ消えてしまう命なら…〟でピンスポを浴びていたヒラノノゾミさんも、〝anarchy in the music scene 〟仏頂面パートでフロアを眺めながら思わず笑みが溢れ落ちてしまったウイカさんも、この日この瞬間だからこそ生まれた生々しい刹那だ。時に狂気に満ちた瞳で熱唱するモモセさんも、ダイナミックな動きとキュートな歌声のアキラさんも、リフトされたヲタクのケチャを受けるとも流すともせず巧みな表情でやり過ごすプー・ルイさんも、全部この夜にしか観られない姿だ。その一瞬一瞬がオンリーワン。

〝単調なエレジーはもちろん初見で、実はそんなに聴いてない曲だったりしたけど、いや良かったですね。妖艶な動きが感情をかき乱すようなところもあって。もしかしたらこれが2度と演らない曲かもしれない。だから一瞬一瞬を捉えるしかない。かつて神聖かまってちゃんの〝の子〟さんが言っていたように。「今ッ!今なんだよッ!クソが!この時をッ!この一瞬を!!!」

新曲でありラストシングルの〝LAST ORGY〟もそうだ。いや何というか、これがまたよくてですね。もちろんライブで観るのは初めてだけど、思わず(これはLIVEで育っていく曲だ!)と面倒臭いヲタクみたいな事を感じてしまうくらい素晴らしかった。メンバーみんなの表情が良いんですよ。これがあと一回しか(という保証もないが)観られないって、本当どういう事だよ??って話です。

いや、アレですね。フト思う訳ですよ。やれセトリがどうだった、今日のライブはイマイチだった、最近マンネリ化だなぁ…などなど感想が持てるうちが幸せなんだな、と。推しが存在しているという事実だけで御の字じゃないか、と。

どんなグループだっていつかは終わりが来る。極論を言えばどのグループもやがて訪れる終焉に向かってその道を進んでいるようなものだ。そして時にそのゴールは突然現れてしまうという現実。

だから干して良い現場などない。あるわけがない。だけど現実問題として全ての現場へ行ける人は僅かだ。だから自分が巡り合ったLIVEは2度と観られないという覚悟をもって臨むのが正しいのかもしれない。大げさにいえば。

〝MY WAY 〟はウイカさんの「それでは最後の曲です」という一言から始まる。この始まり方も好きだ。掌を掲げ、手を鳴らす。アキラさんがフロアを煽る。楽しさと同時に終わりが近づいているという寂しさ、切なさが同時に襲ってくる。そして終わりが訪れた。

あっという間だった。颯爽とステージを去る5人の背中を追う。スクリーンがゆっくりと降りていき終演を告げるアナウンスが流れる。それでもヲタクたちからアンコールの声が上がる。もちろんアンコールがない事は判っている。それでも叫ばずにはいられない。わたしもその一人だ。そのアンコールに対して影から「やんないよ!アンコール!」と応えたのはウイカさんかな。どことなく嬉しそうに聴こえたのは気のせいだろうか。

特典券付CDは枯れてしまっていたのでチェキを撮る事は叶わなかったが、しかし何ともいえない幸福感に包まれていた。脳裏に、網膜に焼きつけた彼女たちの姿を思い浮かべなからニヤニヤしたり泣きそうになったりしている人がいたら、それがわたしです。