妄想徒然ダイアリー

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こんがらがったメランコリーもほどくように。2/11(祝) フィロソフィーのダンス/BRADIO 『LIVE IGNITION@豊洲PIT』雑感。

何はともあれLIVEが無事開催される事を有り難く思う訳で、様々な制約の中で演者も運営もそしてわたしたちもそれに臨んでいる。それぞれがそれぞれの何かを保留したり決断したりして、今日のこの日がある。

とうことで豊洲PITへ向かうわたしでした。

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オールスタンディングのぎゅうぎゅうのライブハウスを懐かしく感じながらも、全席指定ということでゆっくりと会場に向かえるのもメリットではある。冬場の荷物問題、コインロッカー問題も気にしなくて良いし。着席でのんびり開演を待つのも楽だ。でも。あのスタンディング会場で開演を待っている時の、少し猥雑でちょっとだけ危うさもある空気もまた懐かしく思う。

先行はBRADIOパイセン。初めてだったけどとても楽しい。大人なムードを纏ったステージングは状況が許されるならウィスキーのロックをチビチビとやりながら観たくなったし、かと思えばアゲアゲのお祭り感満載の曲もあり勿論わたし達は声を出せないけれどハッピーな気持ちになる1時間だった。

また『シスター』のカバーも良かった。ボーカルの真行寺さんがまるで4人のパートを歌い分けるかのように幅のある歌声で、高音で歌い上げたかと思えば低い声も交える彩りのある雰囲気は、いつも聴いている客とはまた一味違う大人の『シスター』というような趣きがありましたね。

 

そしてベスト4の登場。

一曲目は『ライブ・ライフ』だ。まさに今のわたし達に相応しいアンセムではないか。LIFEを生き、LIVEで生きている。久しぶりの現場がこの曲で始まるのは実に正しい気がした。

彼女達の配信LIVEは勿論素晴らしいコンテンツだったし、これからもその需要はあるだろう。わたしだって配信だからこそ参加出来たLIVEも沢山あった。とはいえ、やはりこうやっていざ現場へ来てみると生であることの優位性、いや特殊性はあるな、と思う。それは単純に言えば「そこで音が鳴っている。人が動いている」という事実を身体で感じるというような事だ。シンプルに。

ハルちゃんがその歌声で場内の空気を震わせることとか、奥津さんが歌っていない時に見せるキュートな踊りや表情であるとか、或いはおとはすの踊りのダイナミックさやあんぬちゃんの手先まで神経の行き届いた動きを体感する事の特殊性をヒシヒシと感じた。少し気持ち悪い言い方をしてしまうと、ステージと客席は繋がっていて両者が共犯者としてこのLIVE空間を作り上げている(という幻かもしれないが)実感を得ているような気がするのです。

LIVE会場では勿論座席の位置によって見える風景も変わってくる。最前列でもなければステージの全てが把握出来る訳でもない。事実わたしは今日、『ライブ・ライフ』でのハルちゃんの股くぐりをほとんど確認出来なかったし、今回のセトリにはなかったけど『シスター』を演ったとしても、横たわるあんぬちゃんの姿を観ることは出来なかっただろう。これらはむしろ配信LIVEの方がしっかりと確認する事ができる。さっき優位性を特殊性と言い直したのはそういう事だ。

それでも例えば今日の『オプティミスティック・ラブ』おとはすパート〝ここがど真んなかっ!〟の〝かっ!〟の部分がリバーブして自分の頭の上で鳴ったような気がしたり、『ジャスト・メモリーズ』でのハルちゃんに思わず仰け反ってしまうような体験はLIVE会場にいてこそ、だ。「あれ?これおとはす泣いちゃうんじゃね?」という空気そのままに泣いてしまう彼女を目撃するのも。

新衣装について。すでにそのビジュアルの片鱗は公開されていたのでツイン団子おとはすやゴージャス感たっぷりのハルちゃん、姉貴感のある奥津さんとかのイメージはインプットされてたんだけど、あんぬちゃんには驚かされた。発表されていた新しいアー写だと大人感のある雰囲気があったけど、まさかのタイトなサロペット!抱いていた印象とはガラリとかわって時空が歪みました。あとどの曲だったか記憶が曖昧だけど奥津さんの衣装がキラキラと光って綺麗でしたね。

新曲カップラーメン・プログラム』は歌詞の内容もまだ聴き取れてないけれど、一瞬4つ打ちなのか?と思いつつポップな展開にもなったり、かと思えばダンサブルでもあり不思議な印象だ。配信されるのが楽しみで仕方ない。※作詞は『なんで?』の児玉雨子さん、作曲は海外のチームとの事。詩が気になりますね。

いつものごとく最高だったという記憶だけがのこってセトリが頭の中からこぼれ落ちているが、それもステージが楽しかったことの証だ。序盤でバンドメンバー紹介したのは『エポケー・チャンス』だったろうか。とてもスマートで貫禄すら感じた。そして、気がつけば『ダンス・ファウンダー』で全てが昇華されていた。

MCで奥津さんが少しはにかみながら言っていた「声は聞こえないけど、みんなの想いは伝わってるよ」という言葉に嘘は無いと思う。おとはすもハルちゃんもあんぬちゃんもベスト4は皆ステージでパフォーマンスしながらわたし達の気持ちを掬い上げているように思えた。久しぶりの現場で少し感傷的になり過ぎているのかもしれない。でもそう信じる事になんの問題もないし、そうする事でメランコリーでこんがらがった世界は救われると思いたい。と、シラフで書くくらいです。

【2/13追記】あんぬちゃんの衣装は上下分かれていて、サロペットスタイルではありませんでした…。腹筋も見えていた模様…。