妄想徒然ダイアリー

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フィロのスは流転し、5人のターンがやって来る。『フィロソフィーのダンス 新体制お披露目ワンマンライブ〜騙されたと思って愛されてみて〜at日本橋三井ホール』雑感。

早めに到着したので軽く一杯ひっかけようと思ったが、開発されて小綺麗なこの街にそんな感じの店が見当たらない。「お。これは…」と思って入った店が「いらっしゃい。おひとり様?うちおひとり様はお断りなんだよねー」と言われたり、別な店では「初めて?ウチはコースしかやってないから」と京都の一見さんお断り的な対応をされて、「この街、キライ」となりかけたが、一縷の望みを抱いて入った立ち呑み屋さんでとてつもない絶品のレバの串焼きを食べて、結果として勝利したと言うお話はどうでも良い。

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新体制お披露目ライブ。結論から言うと、シン・フィロソフィーのダンス、良いです。ののななこコンビにほとばしる孫感はもちろん、それを温かく包み込むような3人とのバランスが絶妙で、素直に「第二章、イイぞ」という気持ちになる。もちろんそれは一カ月前の野音での〝引き継ぎ〟が効果的に作用している訳で、違和感なく5人のフィロのスを身体に入れる事が出来る。

木葭さんが選んだという「イッツ・マイ・ターン」で何故か泣きそうになったその理由はよくわからないけれど、改めて〝フィロのスのターン〟がやって来ると思ったし、やってこなければウソだとすら感じている。緑と紫というメンバーカラーの組み合わせにわたしはわたしなりに感情を刺激されたりもして仕事帰りの為Tシャツもタオルもペンライトも持っていなかったけれど魂だけは持ってきたんだと訳の分からない事を思うくらい昂っていた。

クールに見えて朴訥さも持ち合わせた木葭さんや「ステージにいると輝ける」という香山さんの姿は確かにこれまでのフィロのスにはなかったパズルのピースで、どちらかどうという話ではなくて、新たなグループとして魅力あるものだと改めて感じた。

途中の茶番コーナーはフィロのスらしいバカバカしさで、冒頭じゃれ合う奥津さんに「あれ?これもう(ボケ)始まってますか?」と言ってのける木葭さんや、自分がゲームの勝者だと告げられた香山さんが「でも、ののちゃんも最初ポイント取ってるから」と不思議な謙虚さをみせるあたりに、フロアのほとんどは孫を見る眼差しになっていたはずだ。

「ダンス・ファウンダー」では、これまでとは違った意味で〝新しいダンス〟が生まれようとする瞬間を感じて、これもまた涙腺を刺激されたし、香山さんの〝アイドル性〟がとにかく半端ない。ツインテールくるくるも、自分のパートじゃない時にも歌を口ずさむ姿も、とにかくキラキラしている。その一方で「ペンライトも嬉しいんですけど、今はもっとクラップして下さい」という妙な負けん気の強さも感じたりもする。

告知をするハルちゃんを観ながら、どうしてもそこにある不在を感じずにはいられないけれど、今は、この新しいフィロソフィーのダンスの未来に目を向けたい。FUNKY BUT CHIC RETURNS だという公演も凄く楽しみでならない。この5人の化学反応がバチバチと爆発するのは、これからだ。

その頃にはもしかしたら、香山さんが奥津さんやハルちゃんとバカやってるかもしれないし、木葭さんがそれを見て「さ。バカ言ってないで次の曲いきますよ!」と言っているかもしれない。それを安西監督のような眼差しで眺めるあんぬちゃんがわたしには見える。