妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

【映画】2022年を振り返る、その先にある何かへ。

今年も余り映画を観られていない。平日仕事終わりに映画を観て帰るような気力も無くなってきたし、配信系も結果バラエティや日本のドラマを観るだけで精一杯になって観たい作品は沢山あったけれど消化しきれないという一年だった。

f:id:mousoudance:20221230215914j:image 

鑑賞順に。

という10本。

相変わらず〝ワンスアゲイン〟とそれに伴う〝赦しと救済〟に惹かれている。もちろん、すべての作品においてワンスアゲインが輝かしい人生を与えてくれているわけではない。時にはビターな結末を迎えることもあるけれど、それもまた人生の寄る辺なさ、だと思えなくもない。

それにしても『マーヴェリック』がこれほどカタルシスをもたらすとは正直意外だった。前作にはそれほど思い入れもなく、というよりも当時はブロックバスター作品への反発もあってどちらかというと斜に構えてみていた。それが、とてつもないエンタメ性を担保したままで〝赦しとワンスアゲインの物語〟として感情を揺さぶってくるとは。或いは、『ノー・ウェイ・ホーム』でピーター・パーカーがMJの手を掴み取った場面の時空が歪むような感覚と得難いエモーショナルな瞬間は、非常に贅沢な映画体験であった。

洋画・邦画というジャンルの括りにもはや意味はないけれど、『さがす』『さかなのこ』といった豊かな才能をもった日本の映画作家と俳優がつくり出す世界の出会いも幸福だった。特に片山慎三の持つドライさとウェットな情緒が絶妙なバランスで画面に刻みこむような作風は自分好みでもあった。「さがす」における佐藤二朗はもちろん素晴らしかったし、清水尋也、伊東蒼、森田望智といった若い世代が放つ存在感が段違いに良かった。そして、また「さかなのこ」では、改めて能年玲奈という才能の唯一無二の存在感に圧倒され、この輝かしさが埋もれてしまう事のない未来を願わずにはいられない。

年末に観た『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は確かに素晴らしい映像表現であったし、間違いなく映画館で体験するべき作品である事は事実でありつつ、アバターの3時間よりも映像的興奮という意味では西武園ゆうえんちのアトラクションであるゴジラ・ザ・ライドの5分間の方が優っているのではないか、と思ってしまったことは果たして幸せなことなのかどうかは分からない。

『THE FIRST SLAM DUNK』でリョータが突破する瞬間や三井のスリーポイントを放つ際のての動きを観た時に感じたアニメの可能性は間違いなく2022年におけるトピックであって、そういった作品が興業ランキングの上位にある事は(ガラパゴス化であったとしても)正しさの現れであると思うのでありました。