妄想徒然ダイアリー

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ピンクを選ぶ者と黄色を背負う者よ、いつまでも。『 9/11(土)はすあんぬ生誕祭2021@duo MUSIC EXCHANGE』雑感。

ワクチン2回接種は終わったものの、いやだからこそかもしれないが外出をなるべく控えている自分がいて、観たい映画もドンドンと溜まっていくのだが後もう少しだけ我慢しようと自分に言い聞かせている。

『はすあんぬ生誕祭2021』

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そんな訳で渋谷の街を歩くのも随分と久しぶりな気がするし、道玄坂を上りこの猥雑で刺激的なストリートを歩いているとまるで世界は元に戻ったかのような錯覚を起こす。2年前なら、昼呑みをキメているところだが、勿論今はやらない。開演前に入口でタムロっているヲタク達を見て少し懐かしいような甘酸っぱいような気後れするような複雑な感情を抱きながら開場を待つ。

そうそう、この柱が厄介なんだよな。とか思いつつ程々の位置を確保する。前方のハチマキハッピ勢の方々を確認しつつ、ああそういえばサイリウムのひとつも持ってこなかったな、と少し後悔しながらも静かに宴の始まりを待つ間に、場内にK-POPとヲタク感のある曲が交互に流れている。

そして、いよいよ開演。

おとはすは白と青のロリータ感満載の衣装、あんぬちゃんは黒いシックな衣装で登場。あんぬちゃんの髪はピンクだ。まずは2人で一曲披露した後にそれぞれの最新ソロ曲をという構成。

相変わらずセトリの記憶がポロポロとこぼれ落ちていくし、コンテンポラリーなJ-POPに疎いので何のカバーかは分からずに後になって「うるわしきひと」であると判るくらいだったけれど、いやこれ良かったですよ。

おとはすの『捕まえてSo To Heart』は清竜人さんらしい華やかでキラキラとした曲。楽しそうに歌い踊るおとはすを見ているだけでこちらも顔が綻ぶというものだ。途中、歌詞に合わせてカッと目を見開くところ、好き。

あんぬちゃんの『Decade』は、全く根拠なく適当な印象で話してしまうけど、この曲の振り付けにはこれまでの歴史的の蓄積のようなものを感じる。今まで踊ってきたり、或いは目にしてきた踊りや振り付けのエッセンスが所々にあるのではないかと。何となくそんな事を感じました。そして後のMCで奥津さんも指摘するようにあんさんの歌声には力強さがある。

「普段、バラードの時は歌割りが…」と言いながら2人で歌うaikoも、とても良かった。いや、ほんと2人とも歌上手くなりましたよね。技術とともに個性的な魅力も増したというか。2人のステージングにもそんな自信のようなものが感じられて貫禄すら感じましたよ。

奥津さんとハルちゃんが加わってのLIVEコーナー。ハルちゃんは金髪パッツンになって益々アリアナ(或いはビヨンセ)感がましている。ちょっと目の前にきた時はスターオーラがありました。

ルール的には自席で立つ事も可能だったようだけど、おとはすの誘導もあり着席で行きましょうという事になって、結果としてこれは正解だったと思う。もちろんスタンディングで踊りながら観たい気持ちもあったけれど着席になった事でメンバーの全身まで良く見られたのは嬉しい要素だった。踊りや振り付けのダイナミックさやキュートさを久しぶりに体感出来た気がする。

『スーパーヴィーニエンス』では奥津さんがあんさんにキスをしてそのお返しをねだったものの貰えない、という場面があって、その時の奥津さんのコミカルな表情が最高でした。終盤まで悔しい表情を崩さずにやり切るあたりは流石。

続く『テレフォニズム』はカッコよくて最高なクールでキュートな魅力に溢れる名曲な訳だけれど、ここで奥津さんは執念であんさんからのキスをゲットし、伏線回収をした。この展開を目の当たりにして場内からは拍手が起きた訳だけど、そのため、この曲の見せ場のひとつであるおとはすのパートで「何すか?今の拍手は??」というハメになるという。まさか、この曲で笑う事になろうとは。奥津さん、恐るべし。

『ダンス・ファウンダー』ではわたし達は当然声を出さないけれど、もちろん盛り上がらない訳がない。わたしは推し色のサイリウムを振る事は出来なかったけれど心にはピンク色を灯していて、見えない形で声援を送っていた。ハルちゃんのフェイクの場面になると、ハルちゃんがあんぬちゃんを中央に押し上げる。そして「イエエエエエエエエエエエエエエエ!」というあんぬちゃんのフェイクが聴けて、これだけでもお釣りが来る訳だけれども、なんと『オプティミスティック・ラブ』でも「ぉぉぉおおおおおおおおおお」が聴けて、わたしゃ大満足ですよ。

そして最後は『パラドックスがたりない』で締めるというヲタク心をくすぐる実に2人らしいセトリであった。

上手く表現出来ないけれど、程よく肩の力が抜けていて着席という事もあって落ち着いて観られるLIVEだった。もちろん『ダンス…』とか『オプティミスティック…』とかになると自然と身体も揺れてしまう訳だけれども、それでもわたし達は大人しく座ったままでステージの輝きを浴びていた。それだけでも幸せな事であって、ヲタク特有の勘違いで何度かメンバーと目があった気がするし、もちろん今の状況がこういう形式を強いている訳だけど、わたし達はもはやそれに順応している。

おとはすが言うように「いつかヲタクの声が聴こえるような」LIVEが出来るのも待ち遠しいけれど、今この時に体験出来るのは今日のようなスタイルであって、それを最大限享受していくしかない。LIVE前やLIVE後に一杯引っかけられるような世界が戻ってくるのを待ち望んではいるけれど、そうでなくても充分脳内でアドレナリンを分泌する事はできる身体にわたしはなっている。

そして、そんなわたしの脳裏に焼き付いているのは、時折ペコちゃんのように下をペロリと出すあんさんの姿だったりするのです。

さて。

第二部のアフタートークは気軽にまったりと楽しむつもりでいたし、事実質問コーナーやプレゼント交換などゆったりとした空間だったけれど、そんな中でこんな質問があった。

〝好きな色についてアツく語ってください〟シンプルでストレートな内容だけれど、これがなかなかナイスな質問で、あんぬちゃんが「ピンクが昔から好きで、担当カラーを選ぶ時もピンクを希望していた」というのは以前にも語っていたけれど「ピンク色にパワーがあると思っていて」というのは今まで言っていただろうか。なんて事のない話のようだけれど、そうやって人生を豊かにするスパイスや推進力としてピンク色を認識しているというのは、流石スーパーミラクルアイドルだと思った。

そして、おとはす。「好きな色は黒とか白とか…」というのは想定内として「黄色は別に好きな訳じゃない」とまで言ったのにはいささか驚きがあって、でもそれがネガティブに聞こえないのは流石おとはすのロジカルな語り口のなせる技という気がする。そして「アイドルグループには黄色のメンバーが必要だと思って、自分が引き受けた(大意)」という結論に行き着くあたりも、また彼女らしいと言える。

改めてこの2人に加えて奥津さんとハルちゃんという4人がバラバラの個性を推進力としてベスト4として輝いている事を認識する。2人のトークに舞台袖から声を発するハルちゃんを見てそんな事を思ったりしたのです。

そして最後に「トークショーしか来られなかった人の為に」と『うるわしきひと』をパフォーマンスしたけれど、そんな2人のトークを聴いた後だと余計に沁みてくる曲になった。いつまでも歌っていて、と。