フェーズ4以降、インフレ気味に広がっていくユニバースとマルチバース的設定にはやや疲れ気味であった身ではあるけれど、デッドプールの新作となれば期待をせずにはいられない。
MCUは基本的に観てきたけれどX-MEN関連では『ファースト・ジェネレーション』と『SAMURAI 』しか観ていない。事前に『ローガン』くらいは観ておこうかと思ったが、結局未見のまま望んでしまった。結論から言うと、やはり観れる限り予習(復習)はしておいた方が良い作品ではあった。デッドプールの続編というよりはX-MENシリーズのレクイエムという方が印象としては近いのかもしれない。
個人的には、デッドプール2にあった赦しと救済と再生のカタルシスの素晴らしさに比べると、(ウェイド・ウィルソンの物語としては)やや物足りなさもなくはないけれど、それでも、ウルヴァリンのある台詞やエンドクレジットの演出には感情を動かされたし、自分の中に蓄積されているこれまで触れてきたアメコミ映画化作品のメモリーが呼び起こされる仕組みにもなっていて、それだけでもとても良かったと思っている。
前作のデビッド・リーチの一見破茶滅茶のように見えてメリハリのあるアクションと比べると、やや間延びした感はあるけれど、相変わらず笑わせてくれるし、楽しい2時間だった。予告編にあった「俺ちゃんがマーベルの救世主になる」という台詞もあながち嘘とも言えず、やや息切れ気味なMCUシリーズを解体する役目を担っていたようにも思う。そしてなによりhappyくじのA賞が当たったのでそれだけでわたしは大満足しています。