妄想徒然ダイアリー

映画と音楽とアレやコレやを

マジでオタバレ5秒前〜第一回株式会社会社じゃないもん株主総会@烏山区民ホール

という事で参加してきました。

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開演10分前くらいに到着すると会場はぎっしり歯茎状態。

入り口でうなちゃんがチョコレートを配っている。これが魔女特製の…。

f:id:mousoudance:20190217220104j:imageなんかえーとシナモンに見えるヤツはこれ…アタリメだよね??

※お家に帰って食べてみました…思いのほか普通に美味しく頂けました。永遠に続くかと思われる噛みごたえがありましたけど。

株主総会は以下の議題にそって執り行われた。

1.社歌斉唱〜社長の挨拶

最大多数の最大幸福を目指し、多少の犠牲は仕方がないスピリットが込められた社歌。素晴らしい出来でした。

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2.取締役人事について

岡田さんが役員に。(しかしこれが後々の惨劇を…)

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3.収支報告

石阪取締役より報告。ざっくりと売上2,000万円、利益200万円。粗利10パーてなかなかじゃない?

4.来季の展望

  • 社長曰く売上は1億円。
  • Mステ出演をきっかけに爆発的人気を獲得。
  • 海外戦略の一つとしてニューヨーク、台湾、インド…と少なくとも3カ国以上海外へ行く。正式なツアーとかではなく武者修行的なもの。
  • 成長5倍の法則で2万規模のLiveをする。(わぽさんより「5倍なら1万じゃない?」とのツッコミあり)
  • 4月に眉村全曲Liveをやる。タニタニピピリウス の翌日。どちらかと言うとタニタニ…よりこちらの方に来て欲しい。(当然会場に谷はいない。なんか似ている人いたけど…)
  • 株券については現在約800株譲渡済み。当初は眉村社長の持ち株より1,000株分譲渡の予定だったが、更に500株の譲渡を考えている。それにあたってはより多くの方に株主になっていただきたいのでB券(5株/5万円)、C券(10株/10万円)は取りやめてA券(1株/1万円)のみとする。

5.質疑応答

Q これからメジャーとしての活動をしていくなかでオフィシャルでない撮影についてはどうなっていくのか?

A トイズはその辺ユルイ(社長談)ので、規制するつもりはない。やめる理由がない。

 

Q 全曲Liveは昼の部夜の部同じ内容?

A 昼夜合わせて全曲やる。

 

Q 台湾、インドで楽しみにしていることは?

A インドで〝インドのりんご屋さん〟を演りたい。インドで当てれば一生食ってける。

 

Q 免許取れそう?

A 行く暇無くなってきて厳しいかも。とにかく指のささくれがあると退席させられるので指にテープ巻いて頑張る。

 

Q 持ち株数によって待遇等はどう差別化されるのか?

A 配当などについては持ち株数によってリターンが変わってくると言うことはあるだろうが、その他の面において持ち株数の多寡がファンとしての扱いに影響することはない。それは社長の望むとこほではない。

 

Q 譲渡枠が500株増えると言うことだが、今後増資や分割などについては?

A 具体的な事は決まっていないが、増資・分割も視野に入れている。

 

Q これから2万人のファンが集まるくらいにブレイクしてもハンカチ落としや公園遊びは続く?

A  今までのやり方は難しいかもしれないけど、ハンカチ落とし専用の公園やゲストハウスを作ってそこで出来るとか方法を考えたい。株主専用にするとか、交代シフト制にするとか色々考えてる。遊んでくれる友達がいないから、ハンカチ落としや公園遊びは続ける。

→コレですよ。単純に「うん、これからもヤルヨー」ではなく、2万人集める存在になった時にどうやってオタク達と遊ぶか、何ができるか、それをちゃんと考えようとしている。社長、流石です。

などなど…。

社長自らマイクを運んで会場内を歩き回り、時には質問者の隣に座る。株券の話などについてはわぽさんが答え、社長は時々意識飛ばしてました。

f:id:mousoudance:20190218114225j:imagef:id:mousoudance:20190218071326j:imagef:id:mousoudance:20190218071341j:imagef:id:mousoudance:20190218071548j:image本人はアパホテル社長と言ってたこの日のファッション。個人的には大屋政子を思い出してみたり…。ちょっとバスガイド感もある。いやとにかく可愛い

 

6.乗っ取り事件

岡田氏は役員になった途端会社乗っ取りを図り、わぽさんはビニールテープで拘束され、うなちゃんは倒れるという非常事態に。

f:id:mousoudance:20190218072041j:imageうなちゃん迫真の演技。

しかし我等が社長ちちゃんと株主の「左手だけで踊る人、右手!」攻撃で無事会社は守られ、わぽさんの性癖も満たされて、無事に株主総会は終了した。

 

舞台転換の間にさりげなく流される荻窪選手権」のMV。これ良かったですね!吉田豪さんもいい味出していたけど、コミカルさとカッコ良さが同居した不思議な魅力は相変わらず。最後にトイズのロゴマーク出たのが何気にアツイ。

 

そしてLiveコーナーへ。

新曲「ホメラレテル」(何となくカタカナにしたい気分)、良かったですね。

褒めれば褒めるほど世界は良くなるというか褒めが褒めを呼ぶ〝褒めの拡大再生産〟というか。とにかくハッピーになる曲でした。

あと「ピッコロ虫」のリズムを♪トットットートットットトットー♪とオタク達に唄わせるシングアロングのスタイル、これも楽しかった。後半、息が切れそうになりましたけど。

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f:id:mousoudance:20190218115808j:imageバブバブとセクシーな融合。
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f:id:mousoudance:20190218121057j:imageユンボ片手に練り歩く社長。

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f:id:mousoudance:20190218121144j:image近くに来るとカメラ構えてる場合じゃなくなる。1番輝いてる社長の姿は記憶の中に。

f:id:mousoudance:20190218121323j:imageそしてやるとは思ってたけど傾斜あるしなぁ、と思ってたらやっぱりやりました。サーフ。なんかそれこそインドの宗教的儀式にも見える。

f:id:mousoudance:20190218122106j:imageリュウタロウ君と並ぶと一気にお姉さん感を醸し出す社長。

という事で無事にLiveも終了。

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ユンボに乗っかる社長とツーショットチェキ撮って帰ろうとすると声をかけられた。振り向くと会社も違うし名前も知らないが顔を挨拶を交わす程度の間柄の人だった。お互いマユムラーだったのか!という驚きの偶然。最初のゴッドタンから気になり始めて仕事の都合でなかなか現場来れないが、大阪遠征などもしているとの事。あービックリした。

これからどんどん認知度も増えて動画見る人が増えるといつか「あれ?あの笑顔でブンバボンボンやってるの○○さんじゃない?」と職場でオタバレする日も近いのかもしれない。まあ良いけど。

そう、わたしは蕎麦派。 2/13 フィロソフィーのダンス Experimental Forbidden Night Vol.1@ 渋谷 O-nest雑感

この日は待望のファンクラブColor Me Funk

https://danceforphilosophy-fc.com/s/n92/?ima=0001

のプレオープン&東名阪クアトロチケット先行申し込み開始日でもあり。当初公式のアナウンスではクアトロチケットは抽選という案内があったが結果としてそれは間違いで先着発売である事が開演前に発表されるというまあらしいと言えばらしい展開もありつつ。

という事で行ってきましたよ。

Experimental Forbidden Night Vol.1

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序盤に〝ソバージュ・イマージュ〟〝熱帯夜のように〟という比較的レアなセトリが続いてもうそれだけでお釣りがくる感じ。ソバージュ…はもしかしたら初めて生で観たかもしれん。あのコミカルなのにカッコいい蕎麦ダンスが好きッス。どの曲だったかな、おとはすが脚を高く蹴り上げたところがあって(なんかほぼ垂直に上がってた気がする)それが目に焼き付いております。

最初のMCでこの企画の意図が発表される。

2ヶ月に一回開催で普段のLiveとは違う側面を見せる企画。今回はアコースティックセットで生音生歌をお届け。

今後はこの企画が定期公演の位置付けになるのかな。

で、このアコースティックライヴコーナー、素晴らしかったですね!サポートの宮野さんA.K.A.〝フィロのスの父〟とパーカッションのすみちゃんが加わった〝フィロのスハッピーセット〟によるコーナー。MCでも「鍛え上げてきた」とメンバーが言う通りコーラスが良いです。ハルちゃんやマリリちゃんのメインボーカルに重なるあんぬちゃん、おとはすのパートが身体に沁みます。4人の声が絶妙のバランスで溶け合う感じ。

あの〝ヒューリスティック・シティ〟とか反則でしょ。

コーナーの〆は〝ジャスト・メモリーズ〟で、コレがまたね、堪らんですよ。ハルちゃんのメインボーカルに絡み合うコーラス、最高でした。ブルーノートとかでしっとりしたLiveもアリなんじゃないかという気がしてきました。ブルーノート行った事ないけど。

途中、すみちゃんによるリズム感トレーニングコーナー、ベースとなるビートに合わせて4人それぞれがバラバラのリズムを刻むと言うもの。フロアの我々も参加して〝スーパーヴィーニエンス〟の一節を。どのリズムを刻むかでどの推しか分かるというね。わたし?わたしはそりゃもうズンズンチャ!ですよ。

MCではアルバム発売やファンクラブ発足そして東名阪クアトロなどが発表された。この時ハルちゃんがおとはすの口調を真似て「とーめーはんのー、ツアーをー」と揶揄う場面が。それに対しておとはすが「しょーがないでしょー、二十何年間こうやって生きてきたんだし」と答えるとフロアがざわつく。

おとはす「ザワザワしないっ!どう見てもハタチは超えてるでしょ!」と言っていて、なんか良いなあ、と思いました。

それとコレもおとはすの話になるが、ファンクラブの話になって「これからどんどん大きくなって色んなお知らせを沢山する事になると思いますけど、お知らせひとつひとつを大切に大事にして行きたいと思います」と言うところ、ちょっとキュンとしてしまいました。この人たちはスッと心を掴むことがを言うから困りますね。続いてハルちゃんも「まあ月額400円なのでやめたくなったらやめてもいいし」と言ったりしていやこれはこれでひとつの愛の形、とおもってみたり。

本編締めくくりは〝ダンス・ファウンダー〟と〝パラドックスがたりない〟で盛り上がって終了。そしてアンコールは〝ライブ・ライフ〟だったんだけど、この時おとはすの帽子が脱げて終盤髪振り乱して歌い踊ってたんだけど、いやもう脳みそぶっ飛びました、はい。

あ。そうそう。新衣装良かったですね。フォークロアファションとでも言うのでしょうか。

ハルちゃんはチャイナ服、小さい団子ヘアーがチャイナ服と相まってなんというか小鬼?みたいな感じで可愛い。

マリリちゃんはアメリカン、カウガールっぽいイメージ。「ホントは袖あったんだけど露出度高めで行きたくて取っちゃった」って言ってたけどいっそこれくらいエチエチ砲にしていただいても…良いという意見もあったりなかったり。

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おとはすのはイタリア又は本人曰く〝猫大好きファッション〟との事。脚丸出し状態。こちらも当初より露出度高めになったらしい。

あんぬちゃんは東欧っぽい感じというかキルト生地なのかな?少しダークなピンク色が似合う。明るい色になった髪の毛もGOODでした。

つまり、みんな可愛い。

 

ツーショットチェキはあんぬちゃんと。いつもは適当なピースで誤魔化すんだけど勇気を出して蕎麦ポーズをリクエスト。あんぬちゃんに「蕎麦派?」と聞かれて「蕎麦派っすね」と答える。なんか曲の話なのか麺類の嗜好の話なのか分からない感じに。

 

という事で次回の企画がどんなものになるか楽しみにしながら道玄坂を下りていくのでした。つーかチケット取れんのか?

ラン!メラ!ラン!【映画】『アクアマン』雑感。

という事で観てきましたよ。

『アクアマン』

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予告編→ https://youtu.be/vs6nXecu2GA

IMAX3Dで観たかったんですがあちこち人気で時間も合わず2Dで。

いやー楽しかった!正直それほど期待はしてなくて「え?魚とか襲ってくるの?こんな感じ?」f:id:mousoudance:20190211055615j:imageとか思ってたら、いやいや実に冒険活劇感満載のエンタメ作品として最高でしたね!

アーサー王伝説エクスカリバー伝説をベースにした物語は実にシンプルで分かりやすくまさに「ワクワクドキドキ」させてくれる展開が楽しい。王位継承を巡る争いの設定が『ブラックパンサー』の裏返しになってるのも面白い。

幻の剣(トライデント)を探し求める道中や謎解きのギミックはインディ・ジョーンズだし、お転婆な王女がホログラム的ツールで何かを探し求める(しかも砂漠で)のはスター・ウォーズレイア姫を思わせる…というように色んなエンタメ作品の要素がとても上手いバランスで織り込まれている。あ、ちょっとロマンシング・ストーンっぽさもあったね。

その他にも冒険活劇ではないが王女がイタリアでつかの間の旅を楽しむ姿はローマの休日だし、これはややこじつけに近いけど赤毛の女の子が走ってる姿はちょっとラン・ローラ・ランと言えなくもなくもないこともないのかな、とか。

アトランティスのアーミー達はどこか東映戦隊シリーズとか仮面ライダー的な造作を思わせるのも良いし、敵キャラのブラックマンタ!あのマンタっていうより昆虫に近いビジュアルも古いSF映画の怪人っぽくて好きです。

キャストも皆んな良かったね。主役のジェイソン・モモアのコミカルで憎めないキャラも作品全体のトーンに合ってたし、アンバー・ハードもビジュアルがクール過ぎるかな?という予想を良い意味で裏切る感じで良かった。イタリアで薔薇食ったり、池で女の子にサービスするところ可愛かったなぁ。

ウィレム・デフォーは「いつか裏切るんじゃないか?」というドキドキを与えてくれるし、ニコール・キッドマンはどんな魔法を?ってくらい変わらぬ美しさで。夫役のテムエラ・モリソンさん年相応にすっかりおじさんになってるのにあの対比の残酷さ!

そして忘れてならないドルフ・ラングレン!『クリードII』に続き落ち着いた重厚な演技で作品の良いアクセントになっていたと思う。

ジャスティス・リーグ』の時は正直ワンダーウーマンくらいしか見所ないなぁ…と思ってたし、あの時はアクアマン?別に…って感じだったけど、いやアクアマン最高やないの!と今はなってます。

ちょっと今度は3Dでも観ようかしら、あの海底アトランティスの橋のところとかはIMAX3Dで観たいようなきがしている。

余りに楽しくて帰りにお魚食べたくなってお寿司食っちゃったけどおかしくないですよね!女王アトランナだって金魚食ってたし!

昔、『ハンニバル』のレイ・リオッタの脳みそパッカーんの後に肉汁たっぷりのハンバーグ食べたくなったのと同じ不思議な欲求。

 

以下ネタバレ、というかこの作品にネタバレも何もないとは思いますがストーリーやキャラクター誕生の経緯に展開に触れているので、一応。

 

 

 

 

 

 

雑多メモ。

  • 父親を殺されて(正確には自爆)…というか「いや、自業自得でしょ?」的な逆恨みでアクアマンに復讐の炎を燃やしているデイビッド・ケイン/ブラックマンタ。個人的にはそういうシリアスな誕生経緯はともかくとして今後は次々と新たな武器を開発してはアクアマンに挑んでは毎回コテンパンにやられていくコメディリリーフ的な役割で活躍して欲しい気がしている。「俺の名は…ブラックマンタだッ…!」って名乗るとこカッコイイけど少し間抜け感あるし。(褒めてます)
  • アーサーがトライデントを引き抜くシーンはそうなると分かっていてもゾクゾクしましたねぇ。で後で知ったんだけどトライデントを守る怪物カラゼン、随分貫禄のある声だなぁ、と思ったらジュリー・アンドリュースだったのね。
  • どうでも良いけど地上でも呼吸出来る人と出来ない人がいるのは何でなんですかね?王家の血筋だけ、とか?
  • アトランナとトムの再会はさ、ベタ中のベタなんだけど年取ったのか涙腺緩くてジンとしちゃいました。

月に行った副作用。【映画】『ファースト・マン』(IMAX)雑感。

という事で観てきました。

ファースト・マン

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予告編→ https://youtu.be/nFhzZKvaPXs

月面に降り立つ最初の人類/ファースト・マンになる事を巡る人間模様や或いはアメリカのフロンティアスピリット讃歌と言った要素は皆無で、極めて淡々と月面着陸までの工程が描かれる。幾多の困難や友情や家族の愛といったドラマティックな舞台装置は可能な限り排除され、ある種の冷淡さがこの作品にはある。

50年前の月面着陸を現代から見たとき、それは最先端テクノロジーの結晶ではなくなんとも心許ない頼りない冒険であり、まるで手作り筏で太平洋を横断するくらいの無謀さに感じられ、ガタガタと揺れる機体や古めかしい機器類は我々に宇宙の怖さを印象づける。

デミアン・チャゼルは最初の月面着陸を物語のカタルシスとして位置付けるのを避けているようだ。ジェミニ8号でアームストロングが直面した危機もドラマティックに演出せず淡々とドキュメンタリーのように描く。そこに過剰なドラマはないが、そこに起こった事実をポンと見せつけられているような視点は、むしろリアリティがあるとも言える。アポロ1号の火災事故の最期を機体の外側からの視点で扉がボンッと凹むのを見たときの妙な寒々しさは我々に静かに事実を突きつける。「宇宙は怖い」、と。

宇宙空間の映像も殆どがニール視点であり、それは広告にあるように宇宙飛行士の疑似体験的アプローチであるのは間違いなく、ただ注意しなければいけないのは、アトラクション的な要素はなく宇宙の怖さを体現させられるという事。

作中ニール・アームストロングは殆ど表情を変えない。感情を表に出さない。アポロ11号の船長に任命されても派手に喜びも驚きもせず、ただ「了解しました」と返事するだけだ。仲間の不慮の事故死を知らされても大きく泣き崩れるようなことはない。必要以上の哀しみも表現せず、だからといって冷淡に見下す訳でもない。起こった事実を事実としてありのまま受け取っているように感じる。彼の内面は見えないし、見せようとしてないかのようだ。印象的なのはエリオットの葬儀の夜、ニールがエドに言い放った一言だ。友人を気遣って声をかけるエドに対して

「俺が何か話しかけて欲しいように見えたか?」

と突き放すニールの姿はこの作品のスタイルを表しているように思える。ただ、そこにある事実に淡々と向き合い、余計なエモーションによる飾り付けは行わない。

 

しかしそんなニールが唯一といっていいほど感情を表していたのが亡き娘カレンに対してだ。その死に泣き崩れ、時に幻影を見るというようにニールのカレンに対するオブセッションだけは強調される。息子たちは「まあ月に行ってくるけど、もちろん帰ってくるつもりで、とはいえ確率論的には帰ってこれないかもね。」と言うくらいなのに、その差は何なのかと思うけど、それが彼の捉えきれないところかもしれない。

月面着陸を物語のカタルシスに描いていない、と言ったが、それはその過程をそこへ向かう装置として作っていないという事であって、いや月面着陸のシーンは圧巻であった。無音の中そこに広がる荒涼たる大地がIMAXの画面にドーンと映し出された時の快感は素晴らしい体験。

そしてここに来てニールの取った行動が一気にこの月面着陸という偉業をパーソナルな側面へ変化させる。ここでニールはわざわざヘルメットのシールドを上げ表情を見せる。これは明らかにフィクショナルな演出だ。徹頭徹尾ドキュメンタリー的に冷徹な視点を持っていたこの作品が、ニールのカレンに対する部分においてアンバランスなようにドラマティックになる。

それをどう捉えるかは人それぞれだろう。わたし自身は馬鹿のひとつ覚えのように救いと赦しの標を感じてしまうのです。

 

最後に雑感メモ

  • やっぱどうしても『カプリコン1』の事思い出しちゃって。月、書き割りなんでしょ?って。
  • 出発前夜の息子との会話のスリリングな事。長男くんのあの眼差しと握手、なかなかゾッとする良いシーンでした。
  • 音楽、良かったよね。でも1番はガダガタと揺れる機体の音と宇宙の無音。
  • 妻役の人、ちょっと演技が鼻に付くというかチャゼル作品に参加してる事の気合が空回りしているような印象があった。上手いとは思うけどね。
  • 宇宙計画反対ラップ、結構沁みる、というかアレを取り入れてるあたり辛辣だよなぁ。white man to the moonだっけ?
  • という事で『月に囚われた男』観たくなりますね。

 

不変の口説きテクニック。【映画】『天才作家の妻 40年目の真実』雑感。

人の感情ー愛情であれ怒りであれ共感であれ憧れであれ嫉妬であれーというものは直線的ではないし、一面的でもない。

あらゆる方向へ行きつ戻りつしそのゴールがどこにあるのかは他人には判らない。それは自分自身でも。

という事で観てきました。

『天才作家の妻 40年目の真実』

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予告編→ https://youtu.be/w-GfRcTvurc

とにかくグレン・クローズが素晴らしい。彼女が名優である事は疑いようのない事実ではあるが、個人的には少し苦手な印象があった。何がどうという訳でもないがその存在感に気圧されていたのかもしれない。しかし、今回の彼女は流石というほかない。オスカーあげなきゃ嘘だろ?

彼女の(というよりも他のキャストも含めてであるが)表情やちょっとした仕草で描かれるキャラクターは実に深い。深いというのは同時にその内面、その行きたく先が見えないという事でもあり、〝真実の姿〟を掴ませないという事でもある。まさに天才作家の妻としての姿を演じ続けるジョーンのように。

ジョーンは多くを語らない。静かにそして慎ましく夫を支える妻として存在している。おそらくこの40年間な夫婦生活ーそして作家生活ーの中で2人の関係性は熟成されてきたのだろう。ジョーンはベテラン俳優のような落ち着きでその役割を演じてきていた。

ジョーンの表情からその感情を読み取る事は容易ではない。これは怒りなのか慈悲なのか、そこに嫉妬があるのか憧れがあるのか…。目線の動きや表情の僅かな変化からそれを探ろうとする試みは次第にミステリー的なスリルすら我々に与える。

「男社会の中で苛まれ輝く事を許されない女性の苦悩」でも「才能のある者への憧憬と嫉妬」でも何でも良いが、そういう一面的な決めつけでジョーン(を巡る人間関係ー夫婦、親子関係)を理解する事に意味はない。あらゆる感情は複雑に絡み合い、その全てが真実だからだ。

原題〝the wife〟というシンプルな単語に込められた様々な思いを我々がどう呑み込んで咀嚼して理解していくかは、まさに人それぞれだろう。あの時のあの表情は…あの仕草は…。そうやって色々と思いを巡らせるのもまたこの作品の楽しみ方のひとつではある。

ラスト付近、唯一と言って良いほど感情を爆発させそれを言葉にして夫ジョセフにぶつけるジョーン。しかし、それさえも無防備に信じてはいけない事はこの作品を観た人なら判るだろう。「君の本心が見えない」というジョセフのセリフそのままに。

白紙のノートを愛おしく撫でるジョーンに去来する思いは何か?それを考えた時、永遠の愛を感じるかそれともゾッとするような表現者の業を感じるかはあなた次第かもしれません。

 

感想メモ。

  • 若い時のジョーンを演じてる女優さんが、グレン・クローズに良く似てて、ふとした仕草や後ろ姿の佇まいがまさに生き写しのようだなあ、と思ってたら実の娘さんだった。アニー・スターク。
  • 息子デヴィッドを演じたのはマックス・アイアンズ。そう、ジェレミーさんの息子。『運命の逆転』
  • クリスチャン・スレーター久しぶりに観たぞ!ゲスさと気品さギリギリのキャラクターは彼の存在感あってこそかも。
  • ジョナサン・プライスも良かったよね。ジョセフ、40年間口説きのテクニック変わってないのは笑った。今の若い子に通用しないあたりの哀しさ…。

私をファンクに染めてって。2/1 フィロソフィーのダンス 〝Singularity 3〟with ONIGAWRA @ 渋谷WWW

スペイン坂を登り現れるその場所は、かつてシネマライズと呼ばれ「ポンヌスの恋人」や「踊るマハラジャ」そして「レザボア・ドッグス」など色々と想い出深い映画を観てきた場所だ。

という事で

Singularity 3 @WWW

行ってきました!

フィロソフィーのダンス異種格闘技戦的な企画。今回の対バンはONIGAWRA。さてどうなりますらや。

さて。ステージはフィロのスちゃん達から。

このハコは映画館だった名残で客席に傾斜があってステージを見下ろす形になる。前の人の頭の位置次第では逆に視界を遮ってしまう事にもなるが、全体としては見易い。こういう角度でフィロのスを観た事がなかったので少し新鮮な感じ。

〝はじめまして未来〟や〝シャル・ウィ・スタート〟、〝オール・ユー・ニード・イズ・ラブストーリー〟など比較的レアなラインナップも嬉しく、4人のダンスがよく見えて「あ。こここういうダンスだったんだ」という思わぬ発見もあったりする。普段足元はなかなか見れないので、横移動する時の足の運びなどの美しさやコミカルな動きが良く伝わる。大好きな〝好感度あげたい!〟も久しぶりに観た気がするな。後になって振り返ると振りがちょっと鬼瓦ポーズににてるよね。

〝ライブ・ライフ〟では念願のハルちゃんの股くぐりをしっかり確認する事が出来た。いつも下の方見えてなくて「今、ハルちゃんがマリリちゃんの股を…あんぬちゃんのお尻を…」と心の眼で見ていたものが、バッチリと見ることが出来て、もうそれだけでも満足。

〝ダンス・ファウンダー〟で大盛り上がりのなか終了。

そして今回、MCコーナーで東名阪クアトロツアー&ファンクラブ結成の発表が!!

f:id:mousoudance:20190202112452j:imageいや嬉しいですね。関係ないけど終演後ファンクラブのアナウンスをしていたスタッフの人、なんか好印象だった。

これは喜ばしい。グッズなんかも通販あると良いなあ、なんて思う。しかしファンクラブ結成となるといよいよファンの呼び名が産まれるのだろうか。

インターバルの間に隣にいた人がフィロのス初体験だったらしく、かなりお気に入りになった模様。「そうでしょう!こらから沼にハマりますよ!」などと言葉を交わす。「みんな可愛いし、曲に外れがないっす!」との事。うふふ。そうでしょう、そうでしょうとも!きっと彼はファンクラブに入会するハズだ!

 

そしてONIGAWARAの登場。勉強不足ながら今回初めて観たんだけど、結論から言うといやはや楽しかった!アイドルでもないバンドでもないスーパーJ-POPユニットという標榜は実に正しく、冒頭から上質のシティポップで我々の心を掴む。

〝チョコレイトをちょうだい〟の振りは明らかに〝チョコレイト・ディスコ〟が取り入れられていて、もうそこで親近感。気がつけば腕を振り上げヒューヒュー言ってた。

とにかく彼らは観客を楽しませる術を知っているというか。振りコピ誘導とかコール&レスポンスがスムーズに身体に馴染むのは勿論その楽曲の持つ魅力とシティポップ的要素がフィロのスとの親和性があるからだろうが、それだけではなくONIGAWARA2人のステージングの巧みさがあってこそという印象。

f:id:mousoudance:20190202073227j:imageシャッターチャンスでの一コマ。

〝ヒットチャートを狙え〟とか〝シャッターチャンス〟とかコミカルではありつつ、どこか甘酸っぱいほろ苦い感情が沸き立つグッドソングがイイね!

いやはやとにかく楽しかった!!!

今度はこの2組でコラボやって欲しいです。

 

特典会ではいつものごどくアワアワしているうちに終わる。あんぬちゃんと鬼瓦ポーズをしたはずが、自分は好感度アゲアゲポーズ状態に。

しかしそんな事お構いなくニヤつきながら渋谷駅に向かってたおじさんなのでした。

おしまい。

月に行くほど暇じゃないんだよ、あたしゃ。【Live】1/31 タニタニピピリウス 眉村ちあき&谷さん

という事で初めて谷さんMCのイベントに参戦した。よく「谷いた?」なんて言われてて、いないわけないじゃん!と思ったらホントにいないんですねぇ、ビックリした。

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会場には「いす」がセッティングされていて、各自好きな席に座るシステム。

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クイズコーナーはほとんど当たらず。谷さんはかなり膨大な問題を用意していた模様だったが、時間の都合もあり出来たのは10問程度。生で参加する谷さんイベントは初めてだったけどやはり的確なツッコミ、とトラブル対応力(バダバタするのも才能のひとつ)は流石でしたね。谷さんなんて、いなかったけど。

優勝したマユムラー氏は圧倒の回答率で、「副賞」の〝プレゼン〟も、シンプルだけど、すごく心にくる言葉だった。パチパチパチパチ。

 

さて、Live。トークイベントがメインと思っていて、Liveコーナーもあるのかな?くらいに思ってたら、もちろんそんな範疇を超えたこれまたとんでもない空間になって…。

この日はいつにも増して眉村さん、トランス状態に入ってるように見えて、〝インドのりんご屋さん〟の時、ブンバボンボンしてるオタク達を前にしてなんか凄く嬉しそうにその声を浴びていたように思える瞬間があって、その時、今日も楽しくなりそうだ、という確信が持てた気がする。

そして、なんと言っても新曲!

POLYSICSにオマージュを捧げた(というより吸収した、という方が近い気もするが)〝奇跡、神の子、天才犬〟(眉村さんは違うネーミングをしていたけど、こっちの方がしっくり来るなぁ)がとにかく最高で。POLYSICS 聴き込んでない自分でも「POLYSICS じゃねーか!」と言いたくなるような曲調と、それから歌詞。「ここが僕の最終地点じゃない   人生のエンドロールはまだ流さない」(うろ覚え)という一節がガツンと心を掴む。シンプルだけどキレのあるパンチライン。素晴らしい。

もう一つ、新曲なのか即興曲なのか、「タニタニピピリウス の谷さんがいない」事を歌った曲がこれまた良くて!特にトラック!あれ何ですか?なんなんですか?椎名林檎というかEGO-WRAPPINというか、とにかくちょっと今までの眉村さんとはまた違うような振り幅を感じて、これまた凄く良かった!

嗚呼!とにかくハイライトシーンが多くて混乱してる。「あの言葉はMCだったか、いや替え歌だったか、いやいや即興曲だったか」というのが色々と混在して記憶している。

途中「最近、Liveなくて寂しかった?でももうすぐ毎日会えるよ!……テレビでね!」とドヤ顔で言った時の頼もしさもそりゃあ素敵だったけど、あとで「とは言え…とは言えだよ」と言いながら「これからはテレビよりネットの世界になるかもしれないね。やっぱり私はライブが良いよ」と続けられた日にゃ、あんた。

「レッドクロスも武道館もそれからさいたまスーパーアリーナも、それぞれ一回しかないLive」

だから尊い。だからその時その時の空間のその空気、生でしか感じ取れない何かを掴み取れ、と言われているかのようで、ハッとさせられそして優しさに触れたようなそんな気持ち。

ホントに今日、ここに来てよかった!

と思わせてくれる。

なんか眉村語録みたいな感じになってきたけど、今日はホントパンチラインが多過ぎて…。

「私は月になんて行かない」何故なら、ライブできないじゃん!みんなと会えないじゃん!

とか…。

 

弾き語りの導入からガツーン!とトラックを鳴り響かせて歌い始める〝ピッコロ虫〟による本編ラストはワンマン並みのカタルシスがあったし、アンコール以降の一見思いつきで進んでいるよう見えて(いやまあ実際に偶然にそうなっているー正にその場の空気がそうさせているー訳だけど)、最終的にブラボーのエンディング感たっぷりなムードで締めくくるあたり、もう何というか、あたかもメジャー感がハンパない。

あちこちで促されるシング・アロングもホント自然で、煽り方も貫禄が出てきた。

「最近はLiveの出来(自分なりの手応え)と周りの評価にズレを感じて」いたという眉村さんだが、今日完全に一皮向けた、という。ペリペリペリ、と。

いやでもそんな感じはあった。先に述べた〝りんご屋さん〟の時を始め、今日は凄くライブを楽しんでいるのが伝わってきた。だからこそ、観ているこちらも楽しさパワーアップしたのだろう。

全ての現場に通いきれる人は数少ない。あれやこれや自分の生活と折り合いをつけながらLiveに通っている。だから、その現場に居合わせた偶然を噛み締めながら全力で楽しむ他ない。

そして眉村ちあきという人は必ず楽しませてくれる。ひとりひとりと向き合いながら、ハッピーの塊みたいなものを巻き散らしてくれる。

 

という事でまた次の現場まで頑張って生きていく。

 

あ、そうそう。今ではもちろんサーフはなんなく成功します。

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ではまた今度!