妄想徒然ダイアリー

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ぼくらはみんな生きている!!『10/8(火)フィロソフィーのダンス×NONA REEVES Singularity5@渋谷クラブクアトロ』雑感

考えてみれば去年の8月まではフィロのスちゃん達も眉村さんの事も知らない人生だった訳で、つまりはあのまま彼女たちの事を知らないままの世界線も勿論あったという事になる。となると、果たして彼女達のライブに行かない時間、わたしは何をしていたのだろうか。という事もぼんやりと考えたりもする。

ま、多分酒呑んでるんだろうね。

という事で行ってきましたよ。

『Singularity5』

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なんだかんだと一か月ぶりの現場となってしまった。そういう意味ではわたしのフィロのス不足の目盛り頂点に達していた。色んなものが溢れ出ている状態で渋谷に向かう。

NONA REEVES

最高以上の言葉があればいいのに。というくらい最高でした。最高オブ最高。

ノーナ現場初めてだったんですが、そんな事関係なく盛り上がる。さすが楽曲派アイドル(by西寺郷太というところで。フィロのスとのコラボもまた勿論楽しすぎて。途中あんぬちゃんの「ハッ」ってやったとこ可愛カッコよかった。個人的には〝フィジカル〟という曲にやられました。赤い照明の中で変則的なビートが身体に響く。これはヤバい。こんな曲もあるのか、という軽い驚きも含みつつ。

例えば〝ラヴ・アライヴ〟などでコールを促す様も流石という感じで、初見だろうがなんだろうがスッとその世界に連れて行ってくれる。ララララララーヴアライヴ!

コーラスの真城さんもカッコいい。そうそう、「DJ!DJ!」もよかった。「今夜はローリング・ストーン」もかなりグッと来たし、いやはやベテランらしさもありながら、新鮮な空気も取り入れる柔軟性。素晴らしい。ホントあっという間の1時間。最高!

 

フィロソフィーのダンス

熱気ムンムン(笑)の会場そのままに〝ライク・ア・ゾンビ〟からスタート。バンドセットだし、こんなの盛り上がるなという方が無理。

あの、アホみたいな事言いますけどフィロのスはダンスが良いのです。ハルちゃんや奥津さんは歌唱力の方に注目されがちだけど、後ろで踊ってる彼女達も最高なんですよ。

奥津さんがよく見せる悪戯っぽい顔でピョンピョン跳ねてる姿を見てご覧なさい。最高なんですから。この日も〝バイタル・テンプテーション〟だったか〝オール・ユー・ニード・イズ・ラブストーリー〟だったか。いや〝アイム・アフター・タイム〟か?自分のパートを終えて後ろに下がる時にピョンピョン跳ねながら移動する姿に目を奪われてしまった。

ハルちゃんは関節の動きにグルーヴ感がある。彼女もまた自分が歌ってないときに後ろや横で踊ってる姿がとても良いのです。すんごく楽しそうで、よくやる下唇をずらしてやる変顔もかわええ。

おとはすは体調は戻ったのだろうか。わたしの目にはクールで表情がくるくると変わるいつものおとはすの魅力が出ていたように思う。脚も上がってましたしね。

あんぬちゃんはますます身体が絞られているようで、そのアスリート的な美しいシルエットももちろん素晴らしいのだけど、ふとした動きにあるお茶目な遊び心を感じる可愛らしさもまた魅力。あと時折溢れ出る体育会系的キャプテン感。確か〝イッツ・マイ・ターン〟だったと思うけど振り上げた手がメチャクチャカッコよかった一瞬があった。ちょっと上手く説明出来ないけど「よっしゃー!おらー!」的な荒ぶる感とでも申しましょうか。

いやしかし前のクアトロワンマンの時もそうだったけど、バンドセットの〝イッツ・マイ・ターン〟のヤバさよ。イントロのEW&F的導入なんてもう堪らんですよ。ちょっと危険なドラッグ並の中毒性。

そしてそこからの〝すききらいアンチノミー〟へのなだれ込み。ここがこの日の白眉だったでしょう。異論は認めま…せん!代わる代わる目の前に現れるメンバーに脳汁出まくりでした。

この日はお立ち台を使う機会が多かった気がする。立つだけでなくてその上でも可能な限り踊ろうともしていて、何というのかな、隅々の人まで楽しませようとする意思を感じた。そういう意味でもひとつステージが上がったのかな、と。と考えると、〝ダンス・ファウンダー〟による本編締めは言ってみればベタな流れで、しかしそれを気負いなく出来る辺りもむしろ自信の現れにも感じられる。ていうか普通にアドレナリンがバンバン出ますわな、そりゃ。

アンコールは〝ライブ・ライフ〟であったことも必然だった気がするのは西寺郷太さんが言うようにこの日のLIVEがまさに「生きてるって感じ!」がするからで、ノーナの〝ラブ・アライヴ〟のアンサーソングのような位置付けにもなっていてこういうあたりも素敵なライブだった事の証じゃないだろうか。

ここのところ心身ともに疲弊していてフィロのス現場も約1か月ぶりだったけど、この日のライブでデトックスされたというか自分の中にあった澱のようなものがスッと流されたような気がする。当たり前だけど、来てよかった。自分にとっても必要な2時間半だったと思う。

特典会は長期戦を覚悟していたけど、思ったよりサクサクと進んでいった。全握でブンブンと握手した手を振る奥津さん、キラキラした瞳で「こっちこそ楽しかった!」というハルちゃん、「最高オブ最高!」のあんぬちゃん、そしておとはすにはアメドラの〝ボーイズ〟の面白さを0.1秒で伝える事も出来た。無事あんぬちゃんとのツーショットも撮れてわたしのデトックスは完成したのでした。

そしてやはりフィロのスちゃん達を知らないままの人生はないな、という結論です。

犬を撃つ奴ぁ、股間噛まれてあの世逝き。【映画】『ジョン・ウィック チャプター3 パラベラム』雑感。

という事で観てきました。

ジョン・ウィック チャプター3  パラベラム』

「ジョン・ウィック:パラベラム」最強の刺客ゼロ登場【10.4公開】 - YouTube

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前日の『ジョーカー』にかなりヤラれた状態で、バランスを取るかのようにこの作品を観に行ったところもあって。弾丸の量も人が死ぬ数も圧倒的にこちらの方が多いのに、何故か安心して楽しめるというのは不思議と言えば不思議。TPS的なエンタメという感覚から来るものだろうかね。

正直なところ、今作のジョン・ウィックのキャラクターには腑に落ちない部分もある。チャプター2で組織に狙われるのも上等だコノヤロー!的に駆け出した割に、命乞いに足掻く姿には少なからず失望したりもした。

とはいうものの、2時間がっつりと詰め込まれたアクションは贅沢な体験であって、執拗に撃ち込まれる弾丸や投げ込まれるナイフは痛みを伴いながらもカタルシスを与えてくれる。個人的にはキアヌの動き自体は全2作よりもキレていると思う。気のせいかもしれないけど。

裁定人のエイジア・ケイト・ディロンのクールネスな言動とエヴァ・グリーンを思わせる三白眼はかなり好みだったし、ハル・ベリーの存在意義は犬の飼い主以上のものはなかったかもしれないけど嫌いじゃないし、ちょっとコミカルな味わいのある寿司屋の殺し屋ゼロを演じたマーク・ダカスコスも良い活躍をしていたんじゃないかな。寿司屋の猫ちゃん可愛かったね。にんじゃりばんばんが普通に流れるとは思わなかったけど。

シリーズの中では、(結果として)やや場繋ぎ的な位置付けになったような気もするが、そうだとしてもアクション映画、特にガンアクションという点においては残酷さと痛み、そしてカッコよさを更新しているし、ガンマニアでないので詳しいところはわからないけど終盤の山場でショットガン(で合ってるのかな?)に弾を補充する動きの何と美しいこと!あと序盤で銃をカスタムする為に解体して組み直すシーンも好き。個人的には銃組み立てシーンとして『蘇える金狼』『ラスト・ターゲット』に続くベスト3に入る。

音響がいいと評判の劇場で観た事もあって、身体に響く銃声や殴る音、ナイフが空を切る音などが非常によく体感出来た事も良かった。

おそらく続きがあるだろうし、パラベラム(戦いの準備)は今作のラストにおいてようやく出来たとも言えて、なんだかんだ言いながらもやっぱりチャプター4に期待しながら劇場を出るのでした。

不幸せなら足鳴らそ。【映画】『ジョーカー』雑感。

ちょっとした悩み事や気にかかる事がなかなか頭の中から離れなくて、どうにもモヤモヤが消えない…というような事は人間誰しも経験しているだろう。そんなネガティブな感情を打ち消すように生活をどうにかやり繰りしている状態の中で、ダークサイドへ足を踏み入れるかどうかは紙一重、とそんな風に考えているのは不健康な証なのだろうか。

という事で観てきました。

『ジョーカー』

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映画『ジョーカー』本予告【HD】2019年10月4日(金)公開 - YouTube

混乱している。

それが正直な気持ちだ。何かとてつもないモノを観た、という事は間違いない。今、目の前で繰り広げられている世界の凄みに圧倒されながら、そしてそれをどう咀嚼していいものか悩んでしまう。登場人物のダークヒーロー的な側面を描いた過去のどんな作品とも明らかに異なっていて、ピカレスクロマンと呼ぶ事すら甘えに感じるような鋭さ、重みがそこにある。

冒頭のワーナーブラザーズのロゴ(個人的にはダーティハリーを始めとするイーストウッドの作品群を連想させる)と画面いっぱいに広がるタイトル。そしてエンドマークとそれに続くクレジットにあるクラシカルな雰囲気。それがまた独特の異化効果を発揮していて、観る者の感覚を麻痺させているような気もしている。

テレビのコメディ番組に自らが出演しているかのようにシミュレーショする場面などは『キング・オブ・コメディ』を想起させるし、こめかみプシューはもちろん『タクシー・ドライバー』のトラビスへの目配せであって、それらを繋ぐようにデ・ニーロが有名コメディアンとして現れた事は必然であったのだろう。

ああ、そう考えてみればトッド・フィリップス出世作である『ハングオーバー』シリーズはスコセッシの『アフター・アワーズ』な影響が感じられていて、そこで描かれている夜の闇が持つ誘い込むような禍々しさは今作にも引き継がれているではないか。

ホアキン・フェニックスのアプローチは流石としか言いようがなく、もしかしたらホアキンが実人生の中で見てきた闇がキャラクターに説得力を与えているようにも感じられて、ふとそういった考えが頭の中によぎり、思わず泣きそうなる。そんな風にして彼が作り出すアーサー・フレックというキャラクターに次第に我々は引き込まれてしまう。アーサーが産み出すのは〝虐げられた者の悲哀〟や〝悪のカリスマの誕生〟というカテゴライズすら拒絶するかのような、他とは一線を画した存在だ。そしてそれは勿論、恐ろしい話であって、果たしてわたし達はアーサー/ジョーカーの影響を受けてしまって良いのだろうか、という混乱すら生んでしまう。

今作を子供に観せてはいけない、という記事もある

映画館が「子供に『ジョーカー』を見せないように」と警告 | ギズモード・ジャパン

が、またまた大げさだなあ、と思っていたけど、いやホントその通りで子供どころかR18にしても良いのではないか。それは暴力描写が激しいという生易しいレベルの話しではない。下手をしたらメンタルの弱い部分に作用してしまうほどの劇薬じゃないか、これは。それほどの衝撃があった。

アーサー・フレックがジョーカーとなる刹那、わたしはそれに同期してしまったような気がしている。と同時に、終盤の展開に拳を突き上げながら、その恐ろしさに震えているような気持ちもある。簡単に「傑作」だの「ジョーカーの悲哀に感動!」だのと言っていい作品ではないのではないか。そんな言葉を超える〝何か〟だ、これは。それが何か、未だにわかっていない。

 

そう、わたしは混乱している。

今そこにある純度100%の暴力。【映画】『ホテル・ムンバイ』雑感。

この日、代々木公園ではナマステインディアというイベントが催されていた。インド文化に触れ、互いの存在を尊重し、交流をしていこうという実に平和なイベントだ。

という事で観てきました。

『ホテル・ムンバイ』

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いや観てきた、というより体験したという方が近いのかもしれない。

映画『ホテル・ムンバイ』予告編 2008年に起きた五つ星ホテルのテロ事件を描く - YouTube

アーミー・ハマーやデヴ・パテルが出演している事とざっくりとした粗筋くらいしか事前情報なく当日になって観ることを決めたくらいで、「ホテルがテロに襲われてアクション交えながらなんだかんだで主人公達が助かる感じかな」程度の心持ちで臨んだらとんでもない所へ連れて行かれた。

そこで描かれる暴力はエンタメという要素も或いは感情も入り込む隙のないもので、とにかく恐ろしい。テロ実行犯の青年達の行動はオートマティックに操られていて、そこには逡巡も葛藤もない。

その恐怖は過去の映画作品の中でも群を抜いているのではないだろうか。北野映画のような乾いた暴力に近いが、その純度をさらに上げたようなテロルそのものというものを突きつけられているようで腹の底にズシンと鉛を入れられたような気分になる。テロリスト達を演じた俳優達の精神状態が心配になるほどのリアリティに打ちのめされてしまう。

そんな無機質なテロ実行犯の青年達について、僅かながら主体性のある人間であることの描写がある。そういった描写はしかし彼らの人間性を表現しているわけではなく、むしろその操られている事の空虚さを裏づけするような恐ろしさを強調しているかのようだ。彼らが受けている電話の向こうの風景は一体どんなモノなのか、それが見えないことへの漠然とした不安もまた恐怖をかき立てる。

とにかく怖い。

ホテルの料理長やアルジュンのおそらくは矜持に基づいた行動は尊く、それらを演じるキャストも素晴らしかった。特に料理長のアヌパム・カーのベテランらしい落ち着きから生まれる信頼感と気高さは唯一と言っていいこの作品の中で安心できるパートだったといえる。

アルジュンを演じたデヴ・パテルも職務を遂行する男を粛々と演じていて良かった。特にターバンを外さない理由を語る場面はひとつのハイライトであると言えるし、だからこそ終盤の行動に説得力(その切実さ)が与えられる。

最後には光のようなものが差し出される。この世が闇ばかりでない。そんな希望の光を提示されるが、しかしさっきまで目の前に繰り広げられていた寄る辺なき絶望の世界はなかなか立ち去らない。

立ち去らせる必要があるのかどうかという議論はともかく、わたしは何か救いのようなものを求めて代々木公園に向かうのだった。

そこで眉村ちあきさんの〝インドのリンゴ屋さん〟を聴き、少しだけ胃の中の鉛が取り除かれたような気分になって、そのあとシーフードカレーとインドビールを美味しく頂くことができた。

そんなインドの闇と光を体験した一日でした。

ダンスが上手く踊れたら。【映画】『アス』雑感。

人生の中で、ある一点からガラリと変わってしまう事がある。文字通りの分岐点で、それ以降の自分は前の自分にはもう戻れなくて…。大袈裟に言えば、その選択を一生噛みしめながら生きていくしかない。そんな事を考えたみたりする。

という事で観てきました。

『アス』

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いやまあ、とにかくルピタ・ニョンゴですよ。改めて素晴らしいですね。僅かな眉の上げ下げとか口元の開き具合とか、小さな変化、その表情が産み出す機微。表現力のレベルが段違い。

ジョーダン・ピールの作り出す世界は前作『ゲットアウト』同様に恐怖と笑いの境界線を行きつ戻りつし、あるいは重なり合いながら進んでいく。冒頭からの不穏な空気は緊張感を維持しながら、であるだけに笑いのツボにハマる部分では肩を揺らすほど笑ってしまった。

ストーリーの構成や設定は一見するだけでは隠された意図が掴みきれない複雑な仕組みになっていて、例えばN.W.Aがスマートスピーカーから流れている(ここのくだりが、また良いんですよね)白人邸にアフロアメリカンの家族が〝強盗状態〟で押し入るような形になっているという、幾重にも仕掛けのあるアイロニー等その深いところにあるものを完全には理解しきれていない。そういう意味では難解ではあるのだが、しかしそんな事を考えずともキッチリとエンタメとして高いレベルにあるのがこの作品の特徴でもあって。ジワジワとした怖さが次第にドライブしていく様やそこから生じる笑いで2時間はあっという間。

ルピタ・ニャンゴは言うに及ばず、隅々に至るまでキャストが素晴らしい。夫役のウィンストン・デュークやエリザベス・モスも良かったけど、特に子供2人は二役を巧みに演じ分けをしていて感心させられた。マスクや髪型といったビジュアルによる区別は勿論のこと、その眼差しなどの使い分けは素晴らしく、そこに宿る説得力には時に涙腺を刺激させられた。緊張感から生まれる笑いの場面としてもタイラー邸の一連のスピード感はこの作品でも白眉でもあるが、そこへの貢献度という点でも2人の存在は大きい。

しかし、やはりルピタ・ニャンゴのアディへ与えた命の吹き込み方はヤバい。特にサンタクルーズへ到着した時のあの表情!!!!不安や周囲への取り繕いや平静を保とうとするバランスが生み出すその一瞬、それを切り取ってみせる彼女のアプローチは見事という他ない。あの一瞬だけで観る価値がある、とさえ言ってもいい。そのとんでもないレベルのキャラクターとしてのリアリティが終盤に訪れる不思議なカタルシスを産み出す事にもなっていて、嗚呼そう思えばもう一度最初から観直してみたくもなる。

複製された人生、自己との対峙とその克服、人生の負債にどう落とし前をつけるのか…などなどジョーダン・ピールの仕掛ける罠は一筋縄ではいかない。そのメッセージ性とエンタメ性とのバランスは絶妙。踏み入れた瞬間からもう我々はジョーダン・ピールの手から逃れることが出来ず、そのお化け屋敷の迷路で必死に出口を探すしかない。

そしてそれはかなり心地悪く、そしてとんでもなく心地よいものだ。

「わたし達…?わたし達は…アメリカ市民だよ!!!!」

キミと僕との…こんな夜。9/10(火)『新宿系ガールズミーティング ツーマン 眉村ちあき/BILLIE IDLE ®︎ @新宿LOFT』雑感。

ビリー・アイドルといえばコレhttps://youtu.be/sYYAv-QW38QでBISといえばコレhttps://youtu.be/6xYZfDRX4CUなわたしは御多分に洩れずワイドナショーでファーストサマー・ウイカさんとファーストコンタクト。なんだ、この娘は???となったパターン。しかしながらBILLIE IDLE自体には手が出てない状態で、そんなところへ眉村さんとのツーマンがあるってんでチケットを取った次第。そんでもって慌てて当日になって音源をチェックしているような始末でApple Musicでベスト盤をダウンロードしてポチっとしたんだけど、そしたら最初に鳴ったのが〝BYE-BYE〟で。いや、いきなりノックアウトされた訳です。この曲がどういう経緯で生まれてヲタク達の間でどういう意味を持つものなのかは分からないけど、心ワシ掴まされましたよ。→と思ったら有頂天のカバーだった。

という事で行ってきました。

新宿系ガールズミーティング ツーマン

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眉村ちあき

先行は眉村さん。「最近、元気なビリー・アイリッシュって言われるの」というその姿はツブツブ上下にツイン団子。はい、かわええ。

首に巻いたコルセットの理由は「寝違えた」との事で、そのため左側に首を向けられないとのこと。「だからこっち側のひと(上手)にファンサできない」といってチラ見するイタズラっぽい顔、忘れません。下手側にいたわたしは過剰な笑顔をいただきました。

〝ナックルセンス〟でサーフ。「タンカーで運ばれてる人みたい」f:id:mousoudance:20190911003149j:imageといいながらフロアを一周。差し出される手の数々は今日もイニシエーション感たっぷり。それにしてもいつもながらこの体幹よ。すっくと上に伸ばされた腕の形。

この日の〝音楽と結婚ちよ〟では即興で曲作りの事を歌う。スマホゲームに夢中になって意欲がなくなっていたけど最近はムクムクと情熱が復活していたという告白は頼もしくもあり、そしてそういう弱さもポンと吐き出すところは彼女なりのバランスの取り方なのだろうか。〝代々木公園〟でのマユムラーへの愛の溢れ具合同様、エモエモのエモでしたね。〝おばあちゃんがサイドスロー〟はBILLIE IDLEのファン達にどう捉えられたのか。クールなトラックに痺れてくれたと信じたい。わたしは壁際の割とプライベートスペースを確保できる位置にいたのでタコ踊り状態でした。首のコルセットは途中でかなり気にしてるようだった。どこのタイミングで外したかは忘れたけど、その姿は封印を解かれた魔物感があった。

〝りんご屋さん〟(インドじゃなくてどこだったっけ?)も〝メソポタミア〟も間違いのない盛り上がりで最高だったけど、個人的にはメソポタミアのコールを教えながら歌う姿が好きで。なんていうのかな、初見でも楽しめる形をさりげなく提示するスタイルはオーソドックスだけど大事というか。そんな感じ。最後の部分のトラックを繰り返してヲタクのカタルシスを弄ぶ遊びも楽しくてニコニコしちゃう。

最後は〝うぃーあーざちゃんぴおん〟で大団円。どことなく眉村さん、気合い入っていたように感じた。「がんばろーぜー!!人生ーーーー!!!!」というストレートなエールを力強くぶつけられて、わたしホントに元気が出ましたよ。

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ビゲストラブでパワフルな投げキッスを頂いてステージは終わりました。

 

BILLIE IDLE®︎

ハッキリいってナーメテーター状態。いやドチャクソ楽しかったです。朝ダウンロードして聴いたベスト盤からの曲も多く、コールなんかは知らないけどそんなの関係なくてただただ楽しい。あのですね、ネットに転がってる画像とかね、そんなものでは分からないカッコ良さと可愛さがあってですね。ウイカさんくらいしか知らなかったわたしは気がつけば5人の事が好きになっていた。プー・ルイさんが持つ不思議なカリスマ性というか人を惹きつける何か、ヒラノさんの表現できないけどまばゆい愛くるしさ、モモセモモさんの凛とした姿とそこから発せられる個性的な声、アキラさんの力強い存在感、そしてウイカさんの目まぐるしく変わる表情と巧みな表現力。うーん…ちょっと、ヤバいですね。ハマってしまいそうだ。

イカさんがハーモニカを吹く曲(終演後、眉村さんのチェキ並んでる時に兼ヲタの方に〝エブリデイズ〟だと教えて頂きました)は予習してないものだったが、アレカッコ良かったです。ちょっとウィーザー感あるというか。

あと〝ダーリンにはならない〟の中でも好きなパートである「頭の中でいつも歌ってる。何だったらそれ今だってやってる」をシャウトするところも好きだし、首振りながら踊る振り付けも好きです。

おそらくは定番曲多目のセトリだったのだろう。ベスト盤でも個人的に好きな曲達がズラリと並んでいたし、会場の盛り上がり方からもそれが判る。そして眉村さん同様、5人にも初見の人でも楽しませようとする思いのようなものがあった気がする。上手く言えないけど、そんなキミと僕との何かがあった気がするのです。なんてね。

MCでは袖にいたと思われる眉村さんとのやりとりがあって、眉村グッズのツブツブスタイルを見て「同じやつ、作ろかしらん」と言っていたが是非やって欲しいですね。それに対して「受注生産で」とガヤをいれるおそらくIDLE FELLAS(とファンを呼ぶ事、覚えたぞ)との呼吸の合ったやり取りも含めて微笑ましいひとときでした。

ホントにラストの曲まで5人の輝くような姿が目に焼き付いている、そんなステージでした。繰り返しになりますが、みんなかわええ。こりゃライブ観たらハマりますよ。せっかくだからチェキ取れば良かったかな…。

 

眉村さんの特典会の締めが終わって立ち去る時、ティアラをつけた彼女はお姫様感たっぷりだったが、向こう側にいたウイカさんがそれを微笑ましい眼差しで見守っているように感じたけど幻だったかもしれない。f:id:mousoudance:20190911020806j:image

という事で、この時点で「えぬえちけ」を予約録画していない事を思い出したわたしは慌てて人力でのリモート予約を行い、そして急いで帰宅の途につくのでした。

泣け!叫べ!盛り下がれ!渋谷で見つけた小さな雷。『アーバンギャルドpresents鬱フェス2019@O-EAST』雑感。

誰かがSNSで呟いていたけど、ホントに今日は天気の子がいるに違いないという空模様で、朝晴れていたかと思えば急に雨が降り始めて、さてでは傘を持って出かけるか、と渋谷に着いたらメチャクチャ晴れててしかも暑いときている。

全く、鬱になりますね。

という事で行ってきました。

『鬱フェス2019』

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新しい学校のリーダーズ

開幕宣言後のトップバッターは新しい学校のリーダーズ。割と前方に位置取る事が出来たので4人の姿がよく見える。TIF同様、待ち時間は20分程度。時間としては物足りないが、相変わらずパフォーマンスは素晴らしい。〝席替え…〟〝恋ゲバ〟そして〝エンドレス青春〟から〝最終人類〟の流れ。この青春→最終人類はTIFでも観られた形だが、すっかり定番化してるというかアンセムとして成長したというか。後ろからの風景はどうだったのだろうか。ぷっちゃはんざっぷされた手がどれだけあったのか気になるところ。

FINAL SPANK HAPPY

リーダーズの特典会からフロアに戻るとジーザス・ジョーンズみたいなカッコいい曲が流れていた。うっすらと名前に記憶がある程度で初見だったんですけどいやこれはカッコいい。後で知ったんですけど粋な踊り方してた男の人、菊地成孔さんだったんすね。クールでありつつ刺激的な歌詞(だったという記憶。覚えてないけど)とのマジカルな化学反応が身体を揺らします。ラストの〝フィジカル〟のカヴァー、良かったなぁ。

なみちえ

全くの初見。紡ぎ出されるメッセージはかなり力強く鋭い。その鋭さは自らの愚鈍さを告発されているかのようにも思えて申し訳なくなるくらい。ふと頭に浮かんだのはチャックDだったり。「おまえを逃す」という曲の誤読を予め誘い込むようなライムの破壊力よ。ニガす?ニガさない?

オーケンギャルド

大槻ケンヂという人が持つ独特のオーラというか空気感というか。そんなものが溢れている空間であり時間であった気がする。松永さんやオーケンさんの自由さを制御しようとする浜崎さんも美しいが、同時におおくぼけいさんが放つ妖しさにも目を奪われる。個人的には〝労働讃歌〟のスクワットに様々な感情が交差したのでした。

頭脳警察

わたしが学生の頃からその名前は伝説化していたがなかなか手が出ず今に至る。パーカッションのグルーヴ感が内なるエモーションを刺激する。と同時に70年代をルーツに持つ音楽はジャンルが違えど近似するというか。ふと彼らの仮想敵であろうフォークやニューミュージックと言われるものと重なる瞬間があるような気も。とか言うと怒られるのだろうか。投げつけるような革命的・反権力的メッセージの熱さは例えば80年代であれば素通りされていたと思われるが、この令和の時代においてはむしろ消費される対象ともなっているようで、それは実は革命が成立しているのではないか、とも感じてみたり。

絵恋ちゃん

いやこれは驚きましたよ。名前は知っていましたけど、あれ?なんか活動休止してませんでしたっけ?というのはともかくとして。この人はヤバいな、とそう感じました。何というか用法容量を守っていかないと身がもたないそんな危険なドラッグのような予感がします。生きづらさを感じる者たちへの愛とムチ。鬱フェスという事では最もその趣旨に合ったステージだったのではないでしょうか。コールや手拍子はもちろん所謂ヲタク文化から来るものではあるが、むしろそれよりも絵恋ちゃんとヲタク達の共犯関係を作り出す為の儀式のようだった。結婚をテーマにした歌で竿にくくりつけたブーケを「ほらほら欲しい?欲しいのか?」的にフロアに垂らし、ヲタクを弄ぶ姿は最高でした。ハマらないようにしようっと。

R指定

てっきりcreepy nutsの方かと思ってたらバンドなんだね。それにしても楽しませ方が分かっているというか、なるほど熱狂する人たちの気持ちも分かる。リフトが定番となっているらしい曲の時も「おらーおっさん達来いよ!前に!!」って煽っていて、で多分マユムラーと思しき人がしっかりリフトされていてなかなか良い光景だったと思う。昔バイトの後輩がやっていたビジュアル系バンドのライブを観に行った時のことを思い出す。あのバンド、まだ活動してるのかしら。

眉村ちあき

「鬱というより躁状態になっている事の方が多くて…」という彼女のステージは幕の上がる前からコールで盛り上がる。(何の曲だったっけ?忘れちゃった)〝peace of teeth〟で一度フロアをチルアウトさせながら、〝ナックルセンス〟で一気に会場の温度を上昇させるのはいつものこと。おそらくは初見の人たちをも引き込まれたに違いないと思えるのは〝おじさん〟で、確かに少し声は辛そうではあったけれど聴いている人の中で明らかに息を飲んでいるような空気が周りにも感じられたし、事実わたし自身も軽く鳥肌の立つような感覚があった。〝ビバカメ〟の導入部において「鬱になったときは訳の分からない言葉叫ぶと良いよ」と言いながら、女性の名前をコールさせて、それが予行演習になってるとこも割と好きだ。他の曲でも時々やるよね、このパターン。ラストは〝奇跡・神の子・天才犬〟でやらない訳ないと思ったらやりましたね神輿サーフ。f:id:mousoudance:20190909061355j:imagef:id:mousoudance:20190909061401j:imageそしてそのまま2階まで運ばれて(おそらくは眉村さん自身の指示だろうけど)いくあたりが流石という他なく。いつも通りフロア中を笑顔にしていくのでした。

 

さて勿論最後まで見届けようと思ってはいたが台風の影響もあり、後ろ髪を引かれる思いでその場を立ち去る。アーバンギャルドとコラボステージは電車の中でニコ生中継を確認。新しい学校のリーダーズは〝少女元年〟でダンサーとしてコラボ。嗚呼、これは現場で観ればよかった…。眉村さんのステージもスマホ画面で確認。

という事で初めての鬱フェス、終わりました。やはりフェスは色んな出会いがあって楽しい。大いに盛り下がりました。

 

〈余談〉眉村さんの物販の時に、担当氏が着ていたTシャツがリトルサンダーさんのイラストで思わず声かけてしまった。多分、早口で喋るおじさんにM氏も引いた事だと思います。すんません。でもリトルサンダーさんのイラスト、良いですよね!!